アーリーリタイアには経済基盤が大事です。
今回、僕がアーリーリタイアをするまでのサラリーマン時代(33年間)の総収入を調べて、比率を洗い出してみました。
勤め先の会社の給与水準、福利厚生、投資方法や投資成績で収入構成は変わるので、これはあくまでも1つのケースということになります。
サラリーマン時代の総収入の内訳
サラリーマン時代の総収入を3区分に分類しました。
それによると総収入の内訳は、給与収入がざっと60%(①)、会社制度を活用した資産形成で20%(②)、投資等による資産形成が20%(③)です。
なお、実際には①と②が会社から得た収入で、③はそれ以外の投資です。
比率をみると、③の割合が相対的に低く、自分でもびっくりしました。
ですが、給与収入の①は退職金も含む33年間分の生涯賃金で、その生涯賃金の3分の1相当が投資で得られたと考えると、実際の体感としては違和感はありません。
具体的な内訳
サラリーマン時代の総収入を細分化すると、
①サラリーマン時代の給与収入(退職金含む);61%
②会社制度の活用・・20%(*)
a) 海外勤務による給与収入や手当等の増分;17%(①の27%相当の上積み)
b) 福利厚生制度(社宅等)の活用によるみなし資産;3%(同、5%の上積み)
*海外勤務による手当上乗せが多かったため、国内勤務での給与収入(①)から切り出しました(②)。社宅利用料も安く、通常賃貸する場合との差分が貯蓄に回ったので、この福利厚生がもたらした差分もここに参入しています。
③投資等・・19%
a) 株等の投資による総利益;6%(同、10%の上積み)
b) 不動産売買;7%(同、11%の上積み)
c) 不動産賃貸益;3%(同、5%の上積み)
d) その他投資等;3%(同、5%の上積み)
分析結果(わかったこと)
結果的に3区分が6:2:2というバランスよい資産形成であったのかと思います。
人によってはどれか1つを突出させ、例えば投資でものすごい稼ぎを上げる等でアーリーリタイアを狙う人もいます。
どれが良いというものではなく、僕の場合は全体をバランスよく進めてリスク分散させるアプローチが自分の性格や生き方にも適した方法だったということです。
この結果から感じたことは以下の通りです。
結論1;サラリーマン時代に給与収入以外に収入を得ることは重要である
給与収入は大事ですが、給与収入を得るだけで他の資産形成に手が回らないといったことになると危険です。
それを数字でみてみます。
アーリーリタイアまでの給与収入と退職金を合わせた生涯賃金を100%として、リタイアまでの生活費や教育等にかかる総コストがその80%で暮らせていたとすると、生涯年収の20%がリタイア時の手残りです。
仮に、生涯年収が2億円なら、20%の手元残高は4000万円相当になります。
これはサラリーマン33年間の平均年収が手取りで550万円、それに退職金2000万円で合計2億円です。平均の手取り550万は税引前で年収平均が750万程度ということになります。
この手残りに、会社制度や投資はで給与収入(生涯賃金)の60%相当の資産形成の上積みがあるので、生涯賃金2億円としてその60%は1.2億円の上乗せです。
よって合計でリタイア時の手残り資産が4000万円+1.2億円=1.6億円となります。
給与収入を得ながらも、その他の方法で同時に資産形成を進めれば、その分がまるまる手残りとして上乗せされるので、とてつもなく大きいということです。
結論2:自分のライフスタイルと資産形成の関連を作ることの大事さ
給与収入以外で資産を作るには、自分にあった楽な方法であることが大事です。
給与収入を得るのは楽ではありませんし、さらにもう1つ仕事をするには体力的にも精神的にも負荷が大きく、僕にできる芸当ではありませんでした。
節約だけで手残りを残すにも、せいぜい生活コストが80%から70%に圧縮する程度であれば、その10%の差分は33年で2000万円相当です。
節約努力をもって貯める方法でもよいですし、何が自分にとって効率良く得意な方法といえるかを探し当てることです。
それが僕にとっては海外赴任であり会社の制度を使い倒す方法でした。
海外赴任には、子供の教育や慣れない土地で生活する大きなハードルがあります。会社としてはそのハードシップを補うために海外勤務手当で上乗せをします。
これを大変なわりに価値がないとみるのか、様々な文化経験もできるチャンスと見るかは、その人の考え方や感じ方の価値観次第です。
また、世の中には夫婦2馬力で稼いだり、両親の面倒をみながら同居するなど、ライフスタイルを上手にして手残りを増やす人もいます。
自分の望むライフスタイルを送りながら自然に資産形成できればそれが理想です。
結論3:自分の仕事上の知識や信用を使って資産所得で増やすことの大事さ
ライフスタイルを変えずとも、投資で膨大な資産を作ることが得意な人も世の中には沢山います。
サラリーマンの投資としては、株式や投資信託、あるいは不動産投資などです。
日々、仕事をしているサラリーマンにとっては時間の制約もあり、プロのトレーダーや不動産オーナーなど、それを本業としているプロと競り合っても負けない結果を出すのは容易ではありません。
専門性に欠けるサラリーマンが兼業投資的に成功させるにはニッチに攻めることです。
彼らと同じだけ専門性を付けて正面突破をせずに、サラリーマンとして得られるあらゆるものをレバレッジして特定ジャンルで勝負する方法です。
僕の場合は、もっぱら株式投資も、自分の仕事を通じて得られる業界知識や特定分野の情報を投資で使いました。インサイダー情報ではなく、こうした社会情勢や業界動向、業務知識です。
不動産投資も同様です。
世の中、成長し人気のある地域は人口も増え、そして利便性も高まります。資産価値があがります。こうした場所を探すのは、プロの不動産屋でなくても、区や市町村からインフラ整備でしっかり調査研究された都市開発計画も参考になれば、そうした地域に住む友人などの情報を集めたり、足を運んでみれば良いのです。
ワンルームマンションの投資を言ってるのではないのですが、この点などはまた別の投稿で書いていきます。
終わりに
以上が総収入を分析して気が付いた点です。
人により構成比も変わりますが、僕のように、大きなリスクを取らないで投資したり、会社から得られるメリットを使い倒すことで資産形成すると、およそこんな比率という参考になれば幸いです。
なおここまで読んで「これは上場企業の福利厚生の良い会社に勤めるからできるのであって自分には関係ない」と結論づける人もいるかもしれません。
ですが今回、僕が伝えたいのは、資産形成をするならば、何かをやらねばいけないということです。
リスクは取れないが資産を作りたいとか、元金も少ないけど多額のリターンを得たいとか、そういった状況から突破しないと始まりません。
突破方法が見えているのなら全力で突き進むべきですし、見えていないのならあらゆる方法を柔軟に考えたり実践することです。
例えば給与が良い会社、上場企業や福利厚生の良い会社に転職するという努力や可能性だって頭から「無理だ」と考えずに、できうる方法を調べ上げるといったこともそうです。
自分の決断や覚悟をもって、何かを試みる行動が大事だということです。