1月11日、某大手貴金属の金買取価格が過去最高値領域に戻ってきました。
2022年4月中旬、6月中旬、9月中旬と並ぶ最高値の値動きです。
つまり、いま手元に眠っている貴金属(金を含む)を処分したい方には朗報です。
実は昨年、母親が貴金属を全部処分したいと言い出しました。金やプラチナ、ダイヤモンド、トパーズなどのジュエリー類の断捨離です。
そこで僕が銀座周辺のジュエリー買取業者を5社ほど訪問しました。
結果としては、金のネックレスや指輪4点を10万円ほどで売却しました。
その時の経験談から、本当に貴金属は売れるのか、良いお店をどう見分けたか、高値で売る方法は何か、など記載します。
貴金属は本当に売れるのか?
金製品はどのようなデザインであっても、汚れていても、確実に売れるということです。元々通貨としての換金性も高い金は公正な取引が可能ですし、やはり、売りやすいです。
一方、ダイヤモンドやトパーズはWEBでは「高く買う」との触れ込みのお店でも、実際、買取りを渋り、1社だけは買うというオファーがありましたが、タダ同然の価格です。
ダイヤモンドは時代によるデザイン性もあり、現物をそのままリセールするのは難しいという理由です。査定そのものも積極的ではありませんでした。
ダイヤ買取専門店なら別かもしれませんが、売却はいったん断念し、今回は金のみに集中することにしました。
金を売却できる店舗
あらかじめ下調べをして、銀座にある5つの異なるビジネスモデルの店舗を訪問しました。
① 金の専門店:銀座の中心地にゴージャスな店舗を構える老舗店
② 金の専門店:全国展開をしている金、ダイヤ、時計の買取店
③ ブランド品や金の買取業者:全国に店舗展開している買取業者
④ ブランド品や金の買取業者:なんでも高値で買うという触れ込みで急成長中
⑤ ジュエリー買取専門店:ジュエリーに特化し買取から販売まで店頭でやるお店
お店の雰囲気は(入りにくいのか?)
ブランド品や貴金属を売却するのは「生活に困窮した人が密かに訪れる駆け込み寺」を想像するかもしれませんが、実態はまるで違います。
一番ゴージャスな店舗を構える老舗店(①)は、店舗一階でも効果な金製品を販売していて、客層もどこかハイソな感じです。接客も丁寧で、パーテーションで仕切られた個室空間で担当者と1対1の対面で話をします。
ただ、ブランド品や金の買取業者で全国に店舗展開しているお店(③)は、雑居ビル風のお店で、専用の待合室はなく椅子に座って順番を待ちます。個室の話し声も漏れ聞こえてしまい、居心地は良くはありませんでした。
査定の方法や見積内容
どの店舗も査定は無料でした。
査定の手順は、金製品の刻印をルーペでみて、重さを図り、そしてざっと「概算です」と査定額を出してくれます。わずか10~15分のことです。
指輪など金と石で構成されているものは、その状態では金の重さだけを正確に測ることはできません。したがってどの店舗でも概算前提でした。
なお、フランチャイズ方式のお店(④)では、実際の品物を奥の部屋にもっていって本部と動画でつなぎながら査定を進めるという違いがありました。
金の値段を決定づける3要素
金の取引はとても簡単です。
値付けの公式は、
純度 × 重量 × 相場 − 手数料= 金の買取価格
です。
それぞれみていきます。
純度
どの店舗も金の指輪やネックレスに入っている「K」という刻印をもとに純度を判定します。
Kとは金の純度を示すKarat(カラット)です。
金は24分立で表されすので「K24=純度100%」となっています。K24(24金、純金)金の含有率99.99~100%
K22(22金)91.7%
K18(18金)75%
K14(14金)58.5%
K10(10金)41.6%
なお、ネックレスの1つにはK18ではなく18Kと、逆さになっているものがありました。
Kが前につく刻印は日本国内で製造されたものが多く、Kが後ろにつく刻印はアジアで製造されたものが多いとのことです。
したがって表記の基準よりも金含有率が低いケースがあるそうで、きちんと純度を図り直すとのことでした。
なお、こうした刻印のない金メッキなどは価格がつきませんでした。
重量
重量は店舗にある装置で測定します。
18金であっても0.1gの違いが買取価格で600~700円の差となります。
そのため重量の把握は大切ですし、お店で計るときにはきちんと目視しながら進めましょう。
相場
金の買取相場は各店舗とも独自の買取価格で設定していますがWEBや店頭でその買取価格を公示していることが多いです。
店舗により価格差が出にくいのはK24です。
店舗のホームページから金の買取価格が告知を横並びでみると、複数の店舗で地金K24(金の延べ棒)の買取単価は同じでした。
業者側もきっと比較がたやすい地金では差を出さないよう意識して横並びにしているかと思います。それによって来客の損失をしたくない現れでしょう。
ですがジュエリーの買取価格が同じにはなりません。
ジュエリーの買取価格差はどれぐらいか?
今回、4点の査定額の差が30%ほど開きました。
その差の違いは、
・手数料の違い
・指輪のように金と石がくっついたものをどう重量査定するかの違い
お店によっては金の種類(K18とか)のグラム単価が、そもそも手数料込みとなっている場合もあれば、手数料を外だしとしているところもあります。
手数料を外だしの場合は、その金の査定に対して10%~30%程度のばらつきがありました。
ジュエリーの場合はその加工賃(金を取り外すための工数)があるのでお店の手数料や取引価格に違いが反映されているのでしょう。
業者選定の決め手
さて、以上のように金を含むジュエリー類の査定はばらつきがあり、そもそも査定段階で甘く見るお店、厳しいお店が出てきました。
確実に言えることは、どの店舗も実際にジュエリーを分解して金を取り出し、その重量に対する取引価格と手数料で決まります。
実際に取引に合意し、指輪の石と金を取り外し、金の重さを図るので、分解してから取引をNOということはできません。
もし、悪徳業者だと、外したあとに難癖をつけて想定されていた重さがでない、という理屈にすることもありえます。
と言うことを踏まえ、概算見積の高さではなく、査定での取引価格(グラム単価)と手数料の総合的な価格条件が良くて、純度や重さの「査定をごまかさない」という「信頼性」を軸に選ぶこととしました。
信頼できない業者を消去法で取り除く手順
こうした観点で次の通りの選定(消去)となりました。
⑤ ジュエリー買取専門店:ジュエリーに特化し買取から販売まで店頭でやるお店
→金の取引はできずに消去
④ ブランド品や金の買取業者:なんでも高値で買うという触れ込みで急成長中
→WEBで金価格を告知しているので僕は相場感を知っています。ただ、それを知ってるとはいわずに担当者と面会すると「幾らで買い取って欲しいですか?」とやたらと僕の出方をみます。誠実さにかける対応だったので取引決裂としました。
③ ブランド品や金の買取業者:全国に店舗展開している買取業者
→WEBで告知はしておらず、相場も1日でころころ変わるなど、やや、取引の透明性に欠けたこととから消去しました。
つまり、
① 金の専門店:銀座の中心地にゴージャスな店舗を構える老舗店
② 金の専門店:全国展開をしている金、ダイヤ、時計の買取店
が残りました。
直感的に、安心感が得られたのは①のお店です。また、重量が同じであった場合、その手数料等も含めて①の方が有利でした。それゆえ、①で取引をすることにしました。
売る時の注意
いったん、取引をする簡単な書面にサインすると、業者のほうで金と石などを取り外す作業に取り掛かります。それにかかる所要時間は2時間ほどです。
約束の時間に戻ると最終査定結果が出ています。
それに合意のサインをしたら最終取引の完了です。
さて、金を売る時には本人確認書類が必要です。
その店舗では100万円まではマイナンバーカードは不要で、免許のコピーのみを取りました。
そして現金にて清算です。
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