アーリーリタイアをすると厚生年金から国民年金に切り替わります。
それにより年金納付額は減りますが、連動して、年金受給額も減ります。
今回、2022年に57歳で完全リタイアしたサラリーマンの僕が、いったい何歳で年金受取額が年金支払額を上回るのか、その損益分岐点を計算してみました。
次の2つのパターンでのシュミレーションです。
パターン1:自分の損益分岐点パターン2:国民年金の損益分岐点(40年間を国民年金に入っていたらという前提)
(前提)
自分のケースでの損益分岐点は、年金定期便と日本年金機構のポータルサイト(「ねんきんネット」)の年金見込額試算を使い、実際の納付済総額と納付予定額、ならびに年金受給見込額をもとに損益分岐点を計算しました。
国民年金は現時点の制度をもとに試算しています。
公的年金の損益分岐点
パターン1:自分の公的年金受給の損益分岐点
回収月:107か月目 *74歳の誕生日を迎えることができればトントンです
パターン2:国民年金の損益分岐点
回収月:123か月目 *75歳の誕生日+3か月経過でトントン
厚生年金を長年払ってくると、負担額の半分は会社持ちという制度上の構造のためか、少し回収が早くなっています。
上記の結果から、まず、自分が75歳まで生きるかどうか?まずはここですね。
そしてこの2つの枠組みで1年差があるのを大きいとみるのか小さいとみるかは微妙です。
なお、サラリーマンの厚生年金は特に制度が改悪される部分でもあり、実際にはこの差は縮むのではないかと想定しています。
国民年金の受給シュミレーション詳細
今回、国民年金部分の試算は以下となります。
なお、国民年金は全ての国民が同じ条件で、現時点の納付額(月額)は16,590円、20~60歳までの40年間の総納付額は、
つまり国民年金は40年間で800万円近く払うことになります。
一方、65歳から受け取る場合の受取年金額(2022年度の国民年金支給額)は77万7800円です。何年受け取ると保険料総額の元が取れるのかを計算しました。
7,963,200円÷777,800円≒10.24年(123か月)
国民年金は貰えなくなるのか?
ここも、世間ではいろいろな見解があります。
事実だけを追っていけば、10年前の2012年度の満額支給額は78万6500円でした。つまり、この10年間で年額8700円が減少しています。
平均寿命まで生存した場合の国民年金受取額
よって、この年齢まで受給すると、
受取総額:男性、約1281万円、 女性、約1756万円
支払総額に対する受取額の比率: 男性、161%、 女性、221%
年金制度について
年金問題はとてもセンシティブです。
これは、現役世代が年金受給者(高齢者)を支える制度です。
それゆえ世代横断で相互扶助することの不平(若い世代が損をする)、年金制度破綻への不安(払ってももらえない)、年金では老後を暮らせないといった政治不満(ただ、最低限の生活を維持するための生活保護と年金は違いますが・・)など、人によって期待値も問題認識も違います。
30年の景気低迷、度重なる増税、年金納付開始の延長、人口減、高齢者の雇用問題、対世代、対制度、対経済情勢、対政府など、年金は社会の断絶の象徴たる案件です。
記事の狙い
今回の記事は、感情面での苦言や不満はいったん横に置き、「投資商品として割り切った考え方のうえでのパフォーマンスがどうか」を淡々とみました。
個人的には、国や政治に大きな期待をしていないので、1つの投資商品としてみれば「長生きすればするほどリターンが大きくなる」のが魅力です。
そんな終身保険は既に世の中には存在しません。(以前はありました)。
じゃあ、破綻リスクをどう捉えるか?と問われれば、それは他の投資をしていても同じだと思っています。
他の投資よりも、政策的な年金制度は、運用当事者に声が通りやすい(ましては年金破綻となったら政府の信用もなくなる)とは思っています。
国民年金を未払いの人もいるかもしれませんが(一応、義務ですが)、他の投資をする余力があるのなら、この制度を冷静に考えるのも良いと思います。
その上の結論であれば、どちらを取っても、良いのではと・・。
さて、皆さんはどう捉えるでしょうか?
0 件のコメント:
コメントを投稿