僕は離婚を経験しています。
その財産分与では「法律は女性にとって不利にはできていない」と痛感しました。
元妻は専業主婦だったので、家庭の資産は主に僕の収入や資産運用で作ったものです。
だからといって離婚では「僕が働いて稼いだお金だから自分のものだ」とはなりません。
法律に則り、一定割合で財産分与をします。
今回、離婚が頭をよぎっている人、結婚はギャンブルみたいなものだと思っている人に、僕の経験が参考になればと思います。
なお、弁護士や調停を通さずに当事者間で合意したので、法的な正当性についてはご自身で専門家に問い合わせをしてください。
誰の口座、どう管理するのパターンは?
共働夫婦の場合は、いろいろな生活費の負担や家計の管理方法があります。
支出の項目毎にどちらが負担するかを決めたり、毎月定額を共有名義の口座に入れてそこから生活費を公平に負担する等々。。
ですが僕のように、夫婦のどちらか一方が主に稼ぐ場合、そのパターンは単純です。
例えば、夫が働き、妻が専業であれば、
①夫の稼ぎ=夫の口座、資産運用=夫、妻は生活費を貰う
②夫の稼ぎ=共同口座、資産運用=妻、夫は小遣いを貰う
③夫の稼ぎ=共同口座、資産運用=夫、夫は小遣いを貰う
ちなみに僕は、パターンは③でした。
稼ぎは共同口座にいれ、日々の生活のやりくりは妻がします。僕はささやかなお小遣いをもらっていました。その口座の残金を資産運用するのは僕で、資産を増やすようにしていました。
結婚後、疑問もなく③となっていたので、どうしてこうなったかよく経緯は覚えていません。
ですが、これが後々の夫婦関係を解消するときに影響を与えることなります。
婚姻中に稼いだ資産はどちらの帰属?
大前提として、稼いだ資産が誰のものか、法的な面できちんと理解しておくことが大事です。
例えば、婚姻中の大きな買い物として不動産や車などを買ったとします。
そのとき、夫の名義で買ったとしても、離婚となればその名義には関係なく、共有財産として財産分与の対象となります。
つまりは、共同口座で管理するパターン②や③は、夫婦の共同口座を使っているので、資産が透明です。「財産分与の金額をごまかしている」といった争いはなくなります。
ただ、「分与比率を合意する」かはまた別の話です。
法律的な規定は?
僕の場合は民法や判例に基づいて、調停や弁護士を使わずに夫婦の協議だけで合意しました。
婚姻期間中の財産分与は、当該財産の形成に対する貢献度の割合により決めることとが基本ルールとなっています。
それに関連する条項は
『民法 第762条』で定められていること
第762条【夫婦間における財産の帰属】
特有財産:夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は、夫婦の一方が単独で有する財産とする
共有財産:夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定する
これでは、先の例の不動産や車が夫名義の場合には、夫の財産になってしまいます。ですが、『民法 第768条』の財産分与請求権
第768条【財産分与】
① 協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。
② 前項の規定による財産の分与について、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができる。ただし、離婚の時から2年を経過したときは、この限りでない。
③ 前項の場合には、家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定める。
この条項が分与請求をして貢献度に応じて分割を協議するものです。
分与比率はどう決めるのか?
ではその「貢献度」って何でしょうか?
稼いだ夫が偉くて貢献?お金を稼ぐことに直接貢献をしていない主婦は貢献がない?
それは誤解です。
裁判実務では、夫が共有財産の貢献度が特段に大きいという事情がない限り、分与割合は50:50とされています。お互い半々が前提です。
よって妻がきちんと家事や育児をして夫を助けていればそれも資産形成に貢献をしていることになりますし、もし「夫が気に食わない」と家事を放棄すると、それは貢献が少ないとなってしまいます。
そのあたりの貢献の認識は、各家庭で状況が異なってはくるので、そこが協議のポイントです。
僕の場合は、お互いが相手を尊重し貢献度を公正に評価できたから、合意は比較的スムースでした。調停も弁護士もいりません。そういった関係や態度が重要だということは本当に強く感じました。
でも、離婚という状況で、そうしたポジティブな心境になるのは、本当、大変なことです。
財産分与でもお互いを尊重しあう良策は?
離婚となると「自分だけは損をしたくない」と利害に目が行ったり、「自分はこんな大変だったのに」と思ってしまうのが人間です。そうなると離婚は大変です。
そこで、なるべく資産形成のプラスとなった相手の良い面を思い出しすようにしました。
元妻が倹約家で頑張ってくれていたこと、僕の都合での転勤にもついてきてくれたこと、妻の支えがあったから仕事に集中できたこと等々、やっぱり自分1人だけの力で資産を作ったわけではないと、そこは本当に思いました。
自分がそういったプラスを見るスタンスで対応すれば、わりと相手も冷静に考えるようになるものです。これが円満な合意につながったと思います。
許せない気持ちがどこからくるか
また、許せなくなった気持ちの根源まで冷静に遡ってみるのも良いことです。
離婚せずとも仲の悪くなった夫婦をみていると、ある共通点があります。
だれもが結婚時は「幸せになるぞ!!」と打算もなく愛し合ったのに、結果的に「裏切られた」とか「損をした」、「助けてくれなかった」という展開になっています。
それは、自分が想像していたような生活ができなかった、結婚前はカッコよかったのに、可愛かったのに、優しかったのに・・歳を重ねるごとに変わった、相手の家族の想定しない問題に巻き込まれた、考え方の違いや価値観の違いを認められなかった・・等々です。
どれも、「想定していないかったこと」ゆえ許せない気持ちが生まれます。
失敗しない結婚のために
結局、結婚というのはそういった想定していない「不確実なもの」がついてまわります。
これから結婚する人には、なるべく様々な不確実性を想定して結婚に臨めば不幸は避けれるとお伝えしたいです。
たとえば、「この人がxxxとなっても愛せるか?」と自問自答したり、幅広く自分たちの関係で起こりえることを想定し考慮することです。それって、つまりは愛情があるかを試しているような自問自答ってことですね。
そうすれば、期待値の高い結婚のスタートから「結婚は墓場だ」と下落していくとも少なくなります。
もちろん結婚生活では想定外の不可抗力となるものごとも起こります。
ですがそれは独身でも一緒です。形が違っても、想定外のない完璧な人生なんて歩むことはそもそもできません。
どうせ不確実な人生なら、「独身でいるよりもお互いに寄り添って協力しあって人生を乗り越えよう」というほうが、本来は、メリットが多いはずです。と、個人的には思っています。
終わりに
なので、幸せな結婚>幸せな独身>不幸な独身>不幸な結婚、とだと感じています。
人により、この順番や優先する箇所、良しとする場所は違うかもしれません。
独身主義者が「結婚相手のことで想定しないことが起こるような他人に振り回される人生は耐えられない。自分ひとりの幸せを大事にしたい」というのも1つの道です。
ただ僕は、幸せな結婚を目指して結果的に最後まで添い遂げられないようなことになっても、それで失敗とは思いません。離婚を恐れて結婚しないよりは挑戦したほうが良いとは思っています(挑戦っていうのも変ですが・・)。
何が幸せかは、その当事者が決めれば良いですし、過剰に完璧な人生を目指す必要もないと思っています。
という状況では、夫婦とも資産形成のスキルや知識を持ち、共働きをするのは良いリスクヘッジだと思います。最終的には、お金が不幸を避けることの助けになります。
いや~でも人生は難しいです。僕が結婚に失敗した理由(そうはいっても人生思い通りにいかないこと)はこちらの記事に書いています。
0 件のコメント:
コメントを投稿