先月「星野リゾート・リート投資法人(3287)」から分配金が振り込まれました。
2022年10月期分配金は7,681円で確定です。2口分税引後12,242円です。
分配金は上昇基調(2021.10=6344円、2022.4=7195円)で推移していますが、その利回りは2.25%とREIT銘柄のなかではやや低めです。
コロナ禍で大きく減配したので、以前の水準へ戻しつつあります。
今回、そんな星野リゾート・リート投資法人について書きます。
FIRE生活の原資としての投資先としては疑問?
FIRE生活からすると、J-REITは安定した分配金があり配当狙いのニーズにはマッチしているといえます。
ですが一方で、魅力に欠けると感じている人も多いかと思います。
例えば、
・REITの分配金は配当控除が適用されない
・公募増資で投資口価格が下落してしまう
・不動産投資のようにレバレッジできない
等々です。
今回、そんなデメリットを上回る異色な魅力を持つ星野リゾートへの思いについて記したいと思います。
星野リゾート・リート投資法人の成長過程
星野リゾート・リート投資法人は、ホテル特化型のJリートです。
“ホテル業界の革命児” と言われる星野佳路氏(ほしの・よしはる)が率いる、株式会社星野リゾートがスポンサーとなっています。
星野リゾートグループの中核である「星のや」「星野リゾート 界」「星野リゾート リゾナーレ」ほか、ANAウラウンプラザホテル広島、ハイアットリージェンシー大阪等を筆頭に、多くの都市観光型ホテルに投資しています。
2013年上場以来、公募増資は過去に9回行われ、2022年12月16日時点で、資産規模は1,911億円、67物件に拡大しています。
とはいえ、個人的には、こうした不安を上回るだけの「星野リゾートの魅力」があり、星野フアンとしては投資を通じて応援をしています。
星野リゾートの魅力
星野リゾートの歴史は古く、1914年、林業を行なっていた星野国次さんが軽井沢で「星野温泉」を開業してから今に至る、いわゆる同族企業です。
同族らしからぬ変革力
同族会社というと、閉鎖的な経営スタイル、同族での内紛、後継者の能力問題など、成長を阻む要因が多いというマイナスイメージを持つ人も多いかと思います。
ところが、コーネル大学でホテル経営を学んだ星野佳路氏は、一族の役員による「公私混同」に嫌気がさし、当時の社長だった父親を取締役会で追い出す格好で社長に就きました。
バブル崩壊で観光業界が傾き始めた1991年のことです。
同族の強味を活かしている
サラリーマンとして長く生活をしてきたWATARUにとっては「数年で社長が交代するたびに方針転換される」を経験すると、中長期的な戦略が継続されずに失速する場面を幾度となく見てきて、残念に思いました。
そんな一般の大手企業と比較し、同法人は、同族会社の、ましてはカリスマ的な星野佳路氏が持つ卓越したビジョンで「長期的視点で安定的に成長を描き、進み続けることができる会社」と痛感しています。
ビジョンにも共感できる
もちろん、持っているビジョンが的外れでは成長できません。
星野氏のビジョンで響いた点は、日本の観光産業が成長ステージに戻りつつあるなかで、「2019年のコロナ前のモデルに回帰しようとする事業者も多いなか、新たな方向、新たな需要へと突き進む」という着眼点です。
コロナ禍ではインバウンド需要よりも国内市場向けの施策を重視してきました。
「マイクロツーリズム」といって、自宅から1〜2時間圏内で足を運べる近隣への旅行が浸透するなか、これまで「高級」や「上質」だけでなく、「都市観光」をコンセプトに「OMO(おも)」やミレニアル・Z世代向けの「BEB(ベブ)」といった新ブランドを各層に展開していました。
日本の都市観光の良さを体験できることの応援
特にOMO(おも)は、宿を売るのではなく、街をリゾートととらえて“旅を売る”というものです。
例えば、都市部のホテルはビジネスホテルに価格では負けてしまいますが、観光目的でビジネスホテルを利用しても「宿泊は十分だが観光のテンションが下がる」という不満が出てしまいます。
同社はこうしたニーズを捉えて、街の持つ観光の魅力とホテル滞在を一体的に捉えてマーケティングしていってます。
僕自身も「有名観光地に立ち寄って名所をみて終わり」という観光から「その土地の良さを、自然、文化遺産、食などで体験する」といった形に変わってきているので、まさにドンピシャな気がして共感していました。
インバウンドで来る外国人も、最近はこうしたニッチな観光地に行くようになってます。
住み慣れた日本人だけでなくインバウンドにもニーズがあると思っています。
観光地とタイアップし観光業の成長を率先できるのは、日本の有名観光地にホテル事業などでピンポイントで参入する外資資本にはできない、日本資本、日本企業ならではの強みとなります。
だんだんと観光地の土地開発が外資によって買収実行されるなかで、同社を通じて応援したいという気持ちがあります。
終わりに
リタイアしてからは、投資は、こうした共感できる会社の成長を応援するというスタイルになってきているなと思います。
今回はJ-REITの銘柄でしたが、また機会があれば別の銘柄についても取り上げようと思います。
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