セミリタイアをする前に何度もリタイア後の経済シュミレーションをしました。
セミリタイア後の総支出=(リタイア後の月額生活費)x(リタイア期間=余命)で求められます。これを超える資産があれば、投資をしなくても、一生安泰です。
ここにある2つの「変数」のうち、余命は、占い師に聞いて設定するわけにもいかず、まあ適当に「100歳までにしておけば大丈夫だろう」としています。
もう一方の生活費は、半ば自分の意思で変えることができますが、だいたいのところを「想像」して設定していました。
想像としては、「リタイアをすれば、①自由時間が多くなる、②趣味が増える、ということで生活費が増える」と思っていたのですが、現実はちょっと違います。
これは、僕に限らず周囲のリタイア者に聞いても「生活費が現役時代よりも少なくなった」と答える人が多いのが実情です。
今回、セミリタイアにおける生活費の増える部分と減る部分を書きたいと思います。
セミリタイアの生活費の主な増減
現役時代とは生活が一変するセミリタイア。
生活費のなかも、増えるものと減るものがありますが、概ね、僕に限らず誰もが想定しているのが次のような増減項目です。
生活費で増える要素
主には、趣味、資格等の投資、交通費、です。
自由時間が増えるので趣味関連の費用が増えます。
僕の場合も旅費。ほか、趣味としては新たにカメラを購入したり、スカッシュやゴルフなどのスポーツ関連や、料理のための小道具を買ったりと、生活変化での新規や買い替えの支出が増えました。
また、いちいち外出するにも現役時代は会社の定期を使っていた(これで最寄りの主要ターミナル駅までは費用が発生しなかった)ものが全て自己負担となります。
結構、電車やバス移動でお金はかかるものです。
さらに最近は電気代などもあがりましたね。多少、現役時代よりも在宅時間が多くなったので、インフレや原油高で単価があがっただけではなく、使用量も増えているとは思います。
これらが増える要素です。
生活費で減る要素
一方、生活で減る要素もあります。
会社関係での飲食に関わる支出(なかば、交際費です)がまるっきりなくなりました。
定期的な歓送会、それと「ちょっと一杯」。こうした社内のおつきあいはそこそこの負担でしたし、これがなくなることで大きな節約となります。
なお、僕の場合、現役時代はランチやコーヒー持参だってので、ここでの外食費や飲食代として減る部分は少ないものですが、周囲の方は、この減少分も割と大きいと言ってます。
ストレス支出があぶりだされた人
ほかには、僕にも多少当てはまるのですが、仕事をしていると「ストレス支出が多い」といいます。
仕事の帰りにコンビニやデパートでスイーツを買った帰ったり、やたらとネットでサプリや小物を買ってしまうなど、本当に必要か?と自問すると、謎だったりするものもあります。
また、マッサージに行ったり高価なものを買ったりといった「ご褒美代としての支出が減った」というのもあります。
それだけ現役時代のストレスが支出に化けていたものなのですね。
ちなみに、僕もそうですが、リタイアによってストレスがなくなると支出が減るだけでなく「体重も減った」という話も良くでてきます。健康的になるのです。
こう考えると、セミリタイアとは、会社での責任が無くなり、生活費と体重が減り、そして自由度が増える、実態はそんないいことずくしですが、なかなか「働けるのに働いていない」と、風当たりが強いこともありますしね。それがストレスになって支出が増えなければ、良いのではないでしょうか!
旅行などの体験を買うコスト減
また、現役時代はどうしても限られた休みや時間のなかで旅行をしたりジムに通ったりせざるを得ません。
多くの人が集中する時期や時間は、どうしてもサービスを提供する側としては需供関係で値段を吊り上げます。
セミリタイアで時間の自由を味方につけると、旅行代としても観光地は平日の安い時期に行けます。
ジムにしてもランチにしても「平日割引」とか「日中割引」とか、「週末価格」よりは値段設定を安くしているものも多いですしね。
割引狙いの生活設計
ほかにも、リタイアによって時間の自由度が高まるので、スーパーでの買い物にしても「特売日」であったり「タイムセール」、「終了前の叩き売り」を使えるようになります。
小売り側がこうした運営を定期的にやっているので、セミリタイア生活者の知恵としては、「いつ買うと安くてお得か」という知恵がつきます。
供給者の都合に合わせてうまく買い物をするようになります。
ただ、割安になっている分、少しグレードの高いものも買ってしまうこともあるので、大きな節約というよりは生活の質の向上(Quality of Life)といったところが上がる実感のが強いですが。
終わりに
こうして生活費の減少の部分をみると、おもしろいことに気が付きました。
「セミリタイアをする人がより増えるとSDGs貢献になる」ということです。
日本を支える多くの「働く人たち」の休暇が分散すれば、飛行機も空席で飛ばすことが減ります。ジムも少人数のために冷暖房をフルに使うことなく適正サイズにできます。スーパーだって廃棄物になる前に買っていく人も増えるので地球環境にも良いですしね。
なんだか生活費というミクロな話題がマクロ的な経済インパクトになってしまいましたが、生活費というのは深くて大事なテーマなのだと思います。
資産推移だけでなく、その内訳として、毎月の生活費の定点観測も今年から始めましたが、それは別途、記事にします。
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