「世界幸福度レポート」で5年連続で1位となってるのがフィンランドです。ちなみに日本は54位と先進国中ではずっと低迷中です。
先日、フィンランド出身で日本在住の女性と話す機会がありました。
そこで「なぜ、極寒の北欧にあり、冬場の日照時間はわずか6時間という暗くて小さな国なるフィンランドは幸福度が高いの?」というあたりを聞いてみました。
フィンランドの幸福論は、FIRE生活をしている身分で感じる幸福論と共通点が多いと思います。
今回、そんなフィンランドの幸福論とFIRE生活で並べてみました。
そもそも幸福度ランキングとは
幸福度調査レポートは、国際連合の持続可能開発ソリューションネットワークが発行する幸福度のスコアリングです。
そこでは細かく判定基準が定められていますが、簡単にいえば、ウエルビーイング(Well-Being)つまり「幸福で肉体的、精神的、社会的すべてにおいて満たされた状態」を基準にしています。
心身の健康を保てるような、日常生活の安全性や快適性、人や社会との繋がり、社会での自由、平等、公平さなど、そういった幸福の基盤が整っているかがポイントです。
日本が低い理由は
ちなみに日本がとても低い理由は、「人生評価/主観満足度」、「社会的自由」、「寛容さ(他者への寛大さ)」が他国に比べて低い数字となっているためです。
これは国民性もあるかもしれません。
レビューサイトの評価などをみれば「あるある」な話ですが、日本人の書き込みは平均的に低いスコア(厳しめの評価)ですが、同じホテルやサービスでも、他国の人は平均値が高かったりするものです。
「良い」という基準に対して厳しい日本は、たとえそれが国民性であったとしても、現状に対する不満も高く、自己肯定感が少なく、他者に対して寛容ではないということに変わりはありません。
さて、フィンランド人と話すなかで強く感じた点が次のことです。
シンプルライフと平穏な心
人にもよるかもしれませんが、彼女が推す「フィンランドの良さ」であり「幸せなる時間」はとてもシンプルなものでした。
おうちライフ
緯度の高いフィンランドの冬場は太陽がほぼ沈んだ状態です。真っ暗な毎日が続くなかで、お家のなかでの楽しみを増やすように工夫しています。
家族で暖炉を囲んで話したりテレビを見たり、そういった時間を楽しむ工夫を沢山しています。
たしかに北欧のメーカーが家具であったり雑貨に強いのも、こうした環境からくる知恵の積み重ねなのかもしれません。
また、日本でもブームであるサウナはフィンランド語です。
極寒の地にありながら雪のなかでサウナを楽しんては冷たい水につかる、なんてこともしているようです。
「サウナからあがって水着のまま屋外でぼーっとしていると、心からホッとする暖かさがわきあがる」と、そんな感覚を味わう醍醐味があって、寒さも悪くないと言います。
自然や食文化
また、日本と同じく四季のあるフィンランドは、季節それぞれの良さがあると言っています。
特定の時期にはポテトであったりベリー類などを採っては、オーブンを使ってパン生地を使ったスイーツを作るなど、自然からの恵みを活かした生活をしています。
彼女がそういった自然派なタイプだということもあるかもしれませんが、長くて暗い冬を過ごすがゆえに太陽が昇る季節に感謝したり、食材を使って生活の潤いを与えたりと、厳しい自然があるゆえの心の豊さが維持されている気もします。
シンプルライフの良さですね。
教育や社会生活での平等さ
もちろん、社会生活も大切です。
フィンランドでは教育費が無償であったり、男女の差別もなく社会で活躍もでき、ワークライフバランスもとても重視されています。
こうした機会が均等にあり、活躍の場を削がれない自由さ、時間を有意義に過ごす制度など、これらを比べると日本は後進国だなと痛感します。
高い社会保障を実現するには、フィンランドは日本より税金や社会保険などの費用が収入に対し1.5倍を占めると言われていますが、それを政府が有効に使っていると、政治にも肯定的です。
結局は”自由度”
つまり、生まれながらに教育の機会も均等にあり、そして社会での活躍も差別なく平等である。
厳しい気候のなかで、おうちライフなり自然や食文化などを楽しむだけの余裕もあり、感謝も生まれる。
こうした自由さが根底に、フィンランドの幸福論があるのだと感じました。
これは、FIREとも共通しています。
リタイアをすれば、それまでの会社での肩書を持たず素の自分でいるだけです。そうした生活を田舎で送ると、シンプルで、お互いを助け合う文化のなかで、「自由」「寛容」「感謝」といったことを重視したフィンランドの生活様式と近くなります。
という意味では、日本の田舎に在住してリタイア生活を送る人たちの幸福度がフィンランドなみに高いのかも気になるところです。
終わりに
同調社会も一向に緩まず、最近は芸能人や政治家も言葉を選んで発言をするような姿をみると、そんなリンチ社会の日本も、いずれ一気に逆方向に向かうのかもしれません。
キャンプのブームもその1つで、都会生活や面倒な社会から飛び出し、自然のなかのキャンプでシンプルライフを送って幸福を感じる、という理由で人気ですし。
いろいろなFIREの形が世の中に広まることも、日本の将来を良くするのかもしれませんね。
WATARUとしては、まだまだ東京アーリーリタイア生活を極めたい気持ちは捨てられないのですが。
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