アーリーリタイアの怖い点は経済的に行き詰まることです。
生活が行き詰まらないよう、リタイア前には何度も「リタイア後の収支シュミレーション」をしました。
そのシュミレーションで使うのは「ざくっとした数値」です。
リタイアで生活が変わるので「リタイア後の支出(生活費)」は特に想定するのが難しかったものです。
今回、その直近の生活費(2023年1、2月の月平均)の数値が出たのでそれを考察しました。
リタイア後の生活費の実態
今は資産所得だけでは収支は大幅に赤字で、年金等が開始されるまでは貯蓄を切り崩していきます。
そして収支シュミレーションの前提としていた生活費と比べても、結論は「5万/月のオーバー」です。
毎月5万円の更なるマイナスということは年間で60万円の差額がでます。
「なんだたった5万か」と思いましたが、よくよく考えるとその前提は「かなり遊んでしまった場合の生活費」として最大値を見込んでいたので、まさか「収まらない」とは思いもしませんでした。
リタイア後の生活費が想定以上の原因
生活費の科目では、食費・交通費・医療費はシュミレーション数値よりも実態が少なかったのですが、なにより多いのは「娯楽費」です。
娯楽費とは、趣味の関係での支出です。
旅行やスポーツ、友人との飲み代など、つまり「人生を楽しむための費用」なので「生活をするだけの費用」と分けて管理しています。
楽しむことをやめれば、下がる部分ではあります。
例えば今回、去年の下半期ほど旅行には行ってないので旅費は少な目です。ところが、ミラーレスの一眼レフを購入したり、カメラ教室に申し込んだりした費用は出ました。
3月以降も、船舶の免許、教室、その他、趣味のお勉強代があって何かと支出が増える一方です。
去年の下半期なみに旅行をすると月10万円はシュミレーション値よりオーバーになりそうです。
リタイア後の生活費は予算オーバーでも良い理由
それだけオーバーするのは、リタイア後の生活費をスタートダッシュで使っているからです。
現役時代は「今使わずにリタイアして使う」と仕事や節約を優先し、支出は後に後にと申し送っていました。
リタイアした今は逆に「なるべく早く早く、動けるうちにお金を使おう」と考えています。
その理由は「投資効率」です。
いま興味のある資格や免許やスキルなどを取得したら、いまから20年なり使い続けることができます。取得費を20で割ったのが年間あたりのコストとなります。
もしだらだらとリタイア生活をして10年後にそれをとると、取得費を10で割ることになるので、年間あたりのコストが大きくなります。
そうした「趣味などへの投資」を人生全体で効率よく回収しようと思えば、リタイアしてからスタートダッシュで取得することが年間コスト換算で割安にできる最善の方法です。
リタイアをして気が緩み支出が多くなったというよりも、あえて戦略的に前倒しで使っているという感じです。
資産残高インパクト
ただ、1つ1つ趣味を増やしながらゆっくり使うのとは違って、前倒しで使う分、資産が最も少なくなる地点(僕の場合は65歳です)では資産残高が当初のシュミレーションよりも目減りしていることになります。
自分に試されるのは、
・「お金がより早く減りゆくことに精神的に不愉快に思わないか?」
・「資産を食いつぶすピークでの資産残高に安心感を得られるか?」
ということになります。
終わりに
リタイアすると、前述の通り「なるべく早く使う(=投資効率を高める)」を意識する考え方に変わるだけでなく、他にもメンタル面で変わったと思います。
現役時代はアーリーリタイアが1つのゴールだったので、その先のリタイア後の人生をどうリアルに生きていくかといった実感がなく、均等に支出配分をしていたのだと思います。
実際にリタイアしてお金の支出や時間の使い方に慣れてくると、「体験を増やすこと」にどんどんメンタルもシフトしています。
歳をとる毎に感動も少なくなったり、その体験を活かせる場面も少なくなるだろいうというのがあるのだなと感じています。
リタイア生活での支出の実感も湧いてくる(とくに食費であったり、税金であったり、そういった生活に必要なコストがみえてくる)ので、リタイア後の生活がより「リアルになった」のに伴って、不確実性や不安が取れて、お金を使う勇気もわいてくるのかもしれません。
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