1つは投資リスクを取らずに「資産が右肩下がりで減ることを良し」とする現預金中心に生活していくやり方。
もう1つは投資リスクを取って「資産を減らさない(=利息や配当金だけで生活していく)」という投資運用で生活していくやり方です。
この両者のメリットやデメリット(不安など)、その解消方法としてお金との付き合い方ついて、考えを綴ります。
資産が減ることを良しとするセミリタイア
資産が減ることを良しとすれば、メリットとしては「元金を失う・減る」といった投資リスクを取らず、現預金によって、着実にお金を使い続けるセミリタイアライフを送れます。
投資に失敗して資産元本を減らしてしまったり、その結果セミリタイア計画が狂うといったことはありません。
もちろん、しっかり収支シュミレーションができている前提です。
一方でデメリットとしては「右肩下がりで減りゆく資産に不安がつきまとう」となります。
子供のいない夫婦や独身者など、法定相続人がおらず、長生きリスクもしっかり考慮してあれば、この方法は適していると言えます。
なにしろ、本人が資産を余らせて他界しても、相続人がいないと資産は国に持っていかれるだけですからね。使わないと意味がありません。
資産が減らさないセミリタイア
一方で「資産が右肩下がりで減るのは嫌だ」となると、リタイア資産を投資にまわし、その利息や配当金等の資産所得で生活する「資産所得>生活費」といった方法になります。
いわゆる「(コップの水を飲まずに)コップからこぼれる水で生きる」とか「(鶏に手を付けず)卵だけで生活する」と比喩される方法です。
メリットは「配当収入等の入金だけで生活できる」となります。
ですが一方で、「投資リスク」というデメリットがあります。
不景気ともなれば、保有する株や投資信託の配当が減配となったり、不動産は空室リスクで収入減となるなど、必ずしも「資産所得>生活費」が続くとは限らない可能性もあります。
あるいは「資産所得>生活費」であっても、その時々で資産評価額が増えたり減ったりするので、特に大きく「目減りした」ときには不安やプレッシャーになります。
「資産が減る不安」か「資産評価が上下する不安」の違い
こうして両者のメリット・デメリットをみてみると、結局は「不安がない完璧な方法」というものはありません。
ある程度、余剰となる金融資産をしっかりと持つか、あるいは「不安はつきまとうもの」として、「資産が減りゆく不安」か「資産評価額が上下する不安」か、どちらの不安がより容認できるかといったことになります。
つまり両者は「不安の種類」が違うだけで、どちらの不安に対して、その耐性やライフプランでリスクヘッジしやすいか、といった違いでしかありません。
特に、評価額でお金が減ることは、人によってその感じ方の現実味が違います。
資産評価額が減ることを「リアル」に感じて恐怖となったり、「なんとなく数字上のことで現実味がない」とやや無頓着でいられた、人によってその不安や恐怖の感じ方は違います。また、リスク(減ること)がもたらす生活への影響度や深刻さにも関連してきます。
投資向きの人は、たとえリアルに感じても「不適切な判断をしない理性を持っている」という人に限られますが・・。
右肩下がりで資産が減らない方法は?
結局、2つのアプローチのどちらをとっても、何らかの耐性が必要です。
その耐性の1つは、「労働で稼ぐ」という方法です。完全リタイアではなくて、緩く働くような「セミリタイア」でも耐性になりえます。
趣味の一環を仕事にすれば、働く時間や場所、働き方などに「自由」があったり、精神的プレッシャーも感じることもなく、そうした事業収入(副業)を得て、右肩下がりで資産が減るのを補ったり、資産評価額が減るのを補ったりという助けになります。
両者を極端に比較して、不安の違いを浮き彫りにしましたが、結局は不安をどうするかという問題は「お金との付き合い方をどうするか」といった問題に他なりません。
「お金との付き合い方」の哲学次第
お金の付き合い方とは、言い換えると
・「投資運用のリスクを取る(=資産を取り崩すのを前提とする)」のがよりスタイルに合うのか、
・「投資運用リスクをとる(=配当金等の資産所得で生活するが資産評価額が増えたり減ったりといった変動を良しとする)」のがよりスタイルに合うのか、
といった、どちらが本来、自分の生活や志向に合う方法かを選択することです。
現実には、その間をとって、「資産が右肩下がりで減りゆく」にしろ「資産が景気次第で増減する」にしろ、お金の動きに対して「不安を抱かない方法」を持つことが必要で、前述の事業収入(副業)もその1つであったりします。
僕の投資哲学(お金とのつきあい方)
僕の場合は「アーリーリタイアから数年は資産が減りゆくのをあえて良しとする」ということをお金との付き合い方として定めています。
今は、旅行、新しい趣味、親孝行、人的に広がりを作ることなど、やりたいことを早めにやることで経験値や体験、自分を取り巻く環境を最善に持っていく「自己投資」を優先しています。
なので、「資産が右肩下がりで減る不安」は付きまといますし、だからといって労働を積極的にするつもりもありません。
それよりも「その減少を上回る(支出に見合った)経験や体験、スキルにつながっているか?」と自問自答して、「お金の支出が自分の価値あるモノ(体験含む)に変化したか?」と考え、良しと捉えるようにしています。
支出するお金以上の価値(お金で買えないもの)を得られれば、それで良い」ということです。
2か月ほど前に「お金が減りゆくことに慣れていない」と書きました。
その後、新しい趣味や勉強に着手したりしているのですが、こうした新しい自己投資をすればするほど、この考え方に収れんされる気もします。そんな変化が2か月の間に起こっているなと思っています。
お金が減りゆくリタイア人生に慣れるものか?-お金を増やすステージから使うステージへの意識転換について
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