先日、僕のブログ記事を読んだ方からこんな質問を頂きました。
WATARUさんが住宅ローンを払っているという記事を先日みました。借入金があるということで、その支払に対する責任から逃れられない状況では「経済的自由」とは言えないのではないでしょうか?退職金があるならそれで繰上げ返済とかもされなかったのでしょうか?(Hさん)
とても鋭い指摘だと思います。
このご質問から、
①負債があることは経済的な呪縛から解かれている状態(経済的自由)では無いと認識されている点
②退職金で住宅ローンの繰り上げ返済をしない理由、
などを掘り下げようと思います。
経済的自立と経済的自由について
たびたび聞かれる言葉である「経済的自由」。
これはFIREのFinancieal Independence(経済的自立)ともニュアンスが違います。
経済的自立は、4%ルールに代表されるような「自分の資産基盤からの配当金で働かずに生活できることです。「毎月の支出<資産所得(不労所得)」という公式が当てはまるものですね。
一方、僕がいう経済的自由は「お金の不安が無く生きていけること」を意味しています。
働いてお金を稼ぐことも、リスクを取って資産所得を得ることも不要で、いまの資産(ストック)で生活していくに困らないことを意味しています。
ただし、理論上、経済破綻がないとわかっていても資産が減りゆく状態では「本当に大丈夫か??」とお金に不安を感じることもあります。
それゆえ安全な投資もしています。
負債があることが経済的自由を阻害するか?
ということで、ご質問者の「住宅ローンという負債を抱えながら経済的自由という主張に違和感がある」というのはよくわかります。
住宅ローンを抱えるということは、その返済義務があるわけです。
その返済に少しでも「不確定要素」があるなら、メンタル的に経済的自由ではないでしょう?ということです。
不確定要素とは、たとえば「このまま働いていければ返せる」というような、働くことなり、ほかの何かに依存した返済です。「本当に返せるか?」という不安がつきまとうものです。
ですが僕の場合は、そういった不確定要素がないので、負債ではありますが、経済的不安はありません。
リタイア時の退職金や手元資金で住宅ローンを繰上げ返済しない理由
こうした「負債」について、人によってとらえ方は様々です。
世の中には「退職金で住宅ローンを返済して一人前」とか「ローンを返済することで老後を安泰に過ごせる」という考え方があります。
幾ら返済可能だとわかっていても「借りている」というのが嫌だという考え方の人です。
これは価値観なので、どちらが正しいというものではありません。
僕は経済的な合理性を重視します。
これだけ低金利の住宅ローンは、返済するよりも借り入れたまま、手持ち資金を減らさず、資産運用する方が結果的により多くの資産を増やせる」ということで繰上げ返済をしません。
以下にメリットを羅列します。
①繰上返済による金利節約メリットより「同額を2%で運用した場合の利益」が3倍以上あるから
*例えば1000万円を繰上げして得られる50万~110万の金利節約よりも2%の複利で20年間運用することで、その3倍以上(約370万円)を得る方を選びたい。
②住宅ローン現在で毎年20万円の節税につながっている
*ただし、これはもう終了
③住宅ローンの団信が生命保険がわり(生命保険を契約しないですむ)
④手元に現金が多い方が安心(かつ、流動的に投資や生活向上に使える)
ということになります。また、
⑤個人B/S(バランスシート)を作成していますが、借入金が問題となる状態ではない点もあります。
終わりに
お金についての感じ方は、人によって大きく違いますね。
少しでも借入があるのを嫌だと感じる人にとって、お金に囚われない自由を得るためには一括返済するのは意義があると理解できます。
経済合理性だけが全てじゃないですね。
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