個人バランスシートを定期的に作っています。
純資産が増えているかを見るためです。
純資産とは「よりお金持ちになっているか」を知るための指標です。
お金持ちというとドギツイですが、つまりは純資産こそが「心の平穏」であり、家族への資産継承となる「遺産相続額」です。
遺産相続では節税対策が大事です。
相続税を払うことになっても、きちんと次世代に役だつ財源となりさえすれば、それも広い意味での世代継承です。
そんな純資産をしっかり見ることが大事です。
なお世間では、お金持ちになるには「年収を上げる」とか「より節約する」が大事だと思いがちですが、そうしたものは通過点の指標で、最終的には純資産です。
今回、そんな「純資産」について書きたいと思います。
純資産とは
純資産とは金銭的な価値のあるもの(資産)の総額から、住宅ローンなどの負債や借金などを差し引いたものです。
資産とは、銀行口座に持っている現預金、投資中の株式や債券などの有価証券、それに不動産や車など資産価値のあるものです。
負債とは、支払い義務のある金銭すべてで、住宅ローン、学資ローン、クレジットカードの請求額(未払いのもの)なども含まれます。
つまりは、自分の持っているあらゆるお金(金目のものを含む)から負債を引いたもので、計算式でいば、
(総資産)ー(負債)=純資産
と単純です。
僕の個人バランスシート
毎月の資産モニタリングで僕は作成しているバランスシート(2023年4月末時点)がこちらです。
資産は公開していないので比率(金融資産を100とする)で再計算しています。
実際に純資産をモニタリングするには、こうしたテンプレートを使うだけですし、難しくはありません。
純資産を増やす方法は?
純資産を増やすには流動資産と固定資産の2つのジャンル(左側の上段と下段)があります。
流動資産を増やすには、株や投資信託などの有価証券などを買い入れて投資をし増やしていくという方法です。
固定資産を増やすには、一般的な方法は、資産性の高い(評価額が不動産借入額よりも大きい)不動産などを持つことです。
そうした固定資産も上手に活用して総資産を増やし、そして純資産を増やしていくことができます。
サラリーマンであれば、その社会的信用で金融資産を減らさずして(頭金を多くいれず)マンションを取得すれば「総資産」が増えます。そこから無理なく住宅ローンを支払っていけば純資産も増えていきます。
このアプローチは、人によって好き好きがありますし、また取得する物件や場所など、単純ではありません。
ですが流動資産の投資も固定資産の投資も、いずれもリスクはリスクです。どうリスクを上手に取っていくか次第ということです。
不動産(固定資産)から純資産を増やすアプローチ
大前提として、住宅を「住むためのもの」と捉えず、住宅としての利便性と資産性のバランスを考えるのが大事です。
それゆえ僕の考えは、どうせ家賃を払うなら資産性の高い物件を買って住もうということです。
通勤に便利で、居住にも良く、資産価値が落ちなければ、純資産としてプラスになるという考えです。
もちろんマンションを買えば、ローンという負債を負います。
マンションのローン返済額、修繕費、税、保険等々をコミコミで、家賃を払って住むのとトントンであれば、資産性の高いマンションを購入するほうが家賃として消費するよりプラスだと思っています。
マンションといっても、建物は経年劣化(減価償却されていく)し、一方でマンションの土地価格は、特に都心部はいまでも上昇傾向です。
なので、中古物件であれば土地価格の比率が高いおいしい物件が良いと思っています。
建物の経年劣化で建物評価額が落ちていて、物件費用に占める土地部分の評価額が高いと、一般には、資産目減りの幅も少なく、リスクも低めと捉えています*。
*その分ローンが借りられなかったり修繕のリスクなどいろいろありますが。
資産性はその「地価」次第ですし、家族構成の変化で広さを持て余すなどへの対処も必要です。
「持家か賃貸か」という論点
なお、よく持家か賃貸かといった議論があります。
今回のそこがメインの論点ではないので深くは掘り下げませんが、この10~20年で感じるのは、「いまの低金利でインフレ傾向であるならば、マンションといった資産性のあるモノを持つことを選択肢として考える意義は高くなった」という点です。
頭ごなしに結論を出さず、両方の選択肢をしっかり考えることが大事です。
そのために、「純資産を増やす」という作戦のなかで流動資産(金融投資)と固定資産(不動産投資)のバランスも考えるのが良いと思います。
バランスシートをつけよう
年齢層の若い方は、きっとバランスシートの構成は単純となり「意味があるのか?」と思うかもしれません。
現時点ではそうですが、アーリーリタイアやFIREを目指す人の誰もができることは、「将来のバランスシート」を作ることです。
現時点のバランスシートを作り、いまの月次の収支から金融資産がどう増えていくかをシュミレーションすれば、将来のバランスシートを作れます。
そのバランスシートが理想形となっているか、なっていなければ、どのギャップをどう埋めるのか、をもとに投資戦略を幅広く考えることです。
終わりに
僕にとってバランスシートの役割は、資産形成の最終出口戦略のためです。
個々の投資でも出口戦略を立ててアプローチしますが、最終的に、自分が死んでしまったときに、自分が相続する財産が、その「純資産」となります。
現預金を沢山残して死んでしまった方の家族が遺産相続をしたとたん、実は負債があることが発覚し「相続権を放棄する」というケースもあります。
目先の相続現預金を受け取ってしまうと、あとから負債が判明しても相続放棄できません。
残された人が相続するのかしないのか、相続税がどの程度となるのか、それをわかりやすく判断するためにも、資産から負債が引かれた「純資産」が幾らあるか、しっかり把握しておくことも大事です。
そうした人生の出口戦略として「純資産」の数字コントロールは不可欠です。
今すぐでなくてもいずれ誰もが直面する課題です。