アーリーリタイアをすると会社員時代に「当然のごとくあったもの」を失います。
安定した給与収入、肩書、世間体、社会的信用、仕事の達成感・・・。
人によっては、生きる目的、自分の居場所（アイデンティティー）、社会とのつながり、人とのつながりもあるでしょう。
リタイアから１年が経過しても、今だにリタイアで失ったものについて「モヤ」っとするものがあります。
今回、リタイアによって「失って困る」、「失って痛い」、「失って残念」という３つを書きます。
リタイアによって失って困るもの
僕のサラリーマン時代は忙しかったとはいえ、大きな仕事の山場を越えれば、年休を取って遊びに出かけたり、のんびり過ごしたりしていました。
つまり「仕事に勤しむ日々」と「遊び呆ける日々」といった「オンとオフ」や「頑張りと息抜き」という「メリハリ」が明確にありました。
ところがリタイア生活ではそうした境目が曖昧です。
例えば、リタイア生活でも仕事に似たことをします。
資格取得の勉強、投資や資産運用の調べもの、遊びや旅行の企画といったことです。
ただ、本当の仕事との違いは「失敗が許されない」という緊張感の有無です。
そうした緊張感のなさが、リタイア生活で「メリハリ」をつけようにもパンチがない状態となります。
その結果、毎日が「そこそこ忙しい」「そこそこ嬉しい」といったダラダラ感が続き、サラリーマン時代のような「やった～明日からは休みだ」といった突き抜ける高揚感は得られません。
なお、そうした物足りなさのせいか、リタイアの日々ではサラリーマンの時には手を出さなかった「新しい刺激」を追いかけるのだと思います。
そんな「脱日常」を言及した関連記事はこちらです。
リタイアによって失って痛いもの
それは、「社会的信用」です。
会社勤めの「肩書や世間体」なんていうものは、それがないからといって痛くもかゆくもありません。
ですが「社会的信用」というものがないと、この資本主義の世の中では生きにくいと感じます。
投資もそうで、いざ「欲しい物件」に投資をしたくてもローンを組むことが難しくなります。
辞める前から分かっていたことですし、「それぐらいのこと？」と思う人もいるかもしれません。
それでも、こうしてリタイア後「ローンを組めない」という自分になると、資産を増やすうえで大事な「レバレッジ」という武器を失くしたと痛感します。
なお、世のなかには「借金は資産家への道のりで足かせでだ」と誤解する人もいます。
これはまるで逆です。（*人によって投資や資産形成の方法論は違うのでこれは自分の考えです。）
会社に数年勤めるだけで、金融機関はその実績を「社会的信用」とみなしてくれて、それを担保に資金を貸与してくれます。
その社会的信用を使ってお金を借り入れし、お金をレバレッジし、総資産を増やすのは、お金を働かせる近道で資産拡大の王道だと思います。
サラリーマンを辞める前にもうあと1物件買えば良かったと、いまさらながら痛感します。
いちど失うと作るのには時間がかかる「会社員という信用属性」は失うと痛いのです。
リタイアによって失って残念なもの
リタイアによって失って残念なものは、会社というコミュニティーで得ていた「周囲からの感謝」です。
仕事はチームや関係者同士が協力し助け合って進めることも多いものです。
自分が掴んだ情報やノウハウなど、人によっては「独り占め」をしますが、僕は出し惜しみをせず差し出すようにしていました。
自分の仕事がありながら、情報やノウハウを人にGIVEしてサポートしたり、求められたら優しく対応していると、自分の成果に直結しない手間や時間を余計に費やすことになり非効率です。
ですが不思議なもので、やっているうちに自然に情報が集まったり、自分が助けられたりするものです。
ソシアルネットワークで「いいね」を何万件を貰うのと同じで、社内外で感謝や信用という貯蓄で増えると、自分の仕事もやり易くなるプラスのスパイラルがありました。
何よりも周囲から「感謝」を得るのは気持ちが良いものです。
リタイアをした今は、こうしたコミュニケーションや相互支援を緊密にする日常はないので、「感謝」を得る機会が減ってしまいました。
それがどこか物足りなく「残念」という感覚になります。
終わりに
人によって、リタイアをして失って「困る、痛い、残念」は違うと思います。
リタイアでは会社員時代よりも「自由」、「時間」、「健康」を多く得られるようになりましたが、その一方で失うものがあるのもリタイアです。
いま、サラリーマン現役の方は、リタイア後に失う「いまだけの貴重な体験」を意識し、感謝しながら過ごすのがベストだと思います。
いま存分に味わえれば、きっとリタイアで失う時がきても「後悔」はなく「困ったよ～」「あー痛い痛い」と笑って過ごせる日が来ます。
笑ゥせぇるすまんの喪黒福造なみに・・ゥアハハハハぁ～と！
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