僕はこのブログに「経済的・精神的自由を達成しました」と書いてますが、最近「本当にそうか?」と思う時がありました。
「経済的には自由でも、精神的には不自由なのではないか?」と思えてきたからです。
アーリーリタイアをして1年、この数か月は生活費が資産所得を大きく上回る赤字続きです。
それゆえ資産を取り崩しています。
資産が底をつくことはないと分かっていても、減りゆく現預金に「大丈夫かなあ~?」という不安を感じます。
そう不安を感じた瞬間に「経済的自由でも、精神的自由とはいえないなあ」と思った次第です。
今回は、そんな精神的自由について綴ります。
FIRE達成者も精神的不自由が多い?
ちなみにFIRE達成者も、精神的には不自由な人が多いと思います。
株価の値動きを気にして1日何度もアプリをみたり、配当金が気になるなどで、経済的な先行きに不安があるのなら、やはり「精神的に不自由だ」と見えてしまいます。
経済的自由人もFIRE達成者も、そうした「お金に囚われている」限り、精神的には自由とはいえないように思えます。
経済的自由とFIREの定義について
混乱がないように経済的自由とFIREの違いについて思うところを書きます。
正式な定義はみたことがありませんが、僕が思う「経済的自由」とは、「生涯、お金に不自由せずに暮らせるだけの資産がある」というものです。
つまりは資産残高(ストック)を言及しているものです。
一方「FIRE」とは、投資からの配当金等の資産所得が生活費を上回る状態のことです。
こちらは収支(フロー)を言及していて「毎月の生活費<資産所得」というものです。
資産残高(ストック)で見ようが、収支(キャッシュフロー)で見ようが、対象なりメソッドがどうであれ、なんらかの「先行きの経済不安」を感じるならば「精神的には自由とは言えない」ということです。
精神的自由とは
精神的自由とは、「資産が底をついてしまうかも」とか「市況が悪化して無配当になって収入が減るかも」という不安を考えない、一切の経済不安から精神が解放されている状態です。
それは「お金を意識しない」という領域です。
世のなかには「経済的自由と精神的自由はセットだ」という発言をする人がいますが、そんな単純なことではないと思っています。
経済的自由であっても経済的な不安を感じることも良くあることで、経済と精神の自由を両立させるのは簡単なことではありません。
ポイントは、いかにお金を意識しないよう、お金の呪縛から解放されるかです。
お金に囚われないために何ができるか
では、現実に「お金に囚われない」となるにはどうしたら良いでしょうか?
僕が、こうした課題に悩むなかで、試行錯誤で取り組んできたのは以下の4つです。まだ完成形ではありません。
①十分に余裕のある資産形成をしておく
②自分なりの経済展望やリスクの取り方を持ち、それに応じた資産配分(アセットアロケーション)にする。つまり資産運用戦略をもつことです。
→当初(2023年3月)はこう考えていました。
【アーリーリタイア1年後の資産状況】エリア/通貨別の分散投資を進める嬉しく悲しい理由
→最近、こうなってきました。
2023年4月の資産配分(アセットアロケーション)の現状:セミリタイアから1年経過で資産配分を理想にする投資完了
③資産を把握管理する方法を進化させる
僕の総資産管理方法~ようやく収支/総資産把握→資産配分&個人バランスシートへ
④生活防衛資金(必要な現預金)を算出して保持する。
【総資産の問題児】”現預金の最適額”をアーリーリタイア用に算出して見えてきた世界
④経済情勢の大きな変化や、資産運用で「下限」となるような金額に落ちた時だけ通知がくるような設定にして「放置しても大丈夫」というコントロール下に経済基盤を置く
→進行中。
といった4点を、この1~2か月で進めました。
究極の目的は、資産配分(アセットアロケーション)を最適化し、現預金の必要額だけしっかり確保し、あとは安心して資産を放置するという、「お金を忘れる」と「趣味や自分のやりたいことに集中する」ためです。
人によっては「いざとなれば生活費を削ればよい」とか「何かあっても稼げるスキルがある」など、お金の安心の拠り所も人それぞれあるので、僕の方法はあくまでもそうした「やり方の1つ」という位置づけです。
終わりに
「お金に囚われない」というのは、仙人になるようなことです。
簡単ではありませんし、自分なりの方法を見つけなければいけません。
「お金に囚われないようにするぞ」と考えることは、お金と向き合うことになり、自分が精神的に安心していられる方法を見いだすきっかけになります。
お金って、その人の心の状態を表すものでもありますよね。
そしてお金に向き合うと、自分を知ることができ、そこに自分なりの不安解消の方法を見出す(=さらに自分のことを理解できる)となってきます。
つまりは「自分を熟知した経済的自由者、FIRE達成者だけが、精神的自由の領域に辿り着ける」というのがことの真相ですね!
精神的自由の道のりは長いが、自分の足は短いという、これも新たな疑惑?