アーリーリタイア前に、自作の「FIREシュミレーションフォーマット」を使い、リタイア後の収支シュミレーションをしていました。
アーリーリタイア後の現在、「収支実績」を把握できているので、早速、同じフォーマットを使って再計算しました。
再計算の目的は、リタイア後の実績値は想定値(リタイア前)よりも「大きく赤字」ゆえ、金融資産の取り崩しカーブがどうなるかを可視化することです。
今回、このシュミレーション方法や、収支分析をした課題を備忘録としてまとめます。
このアプローチが参考になれば幸いです。
FIREシュミレーション結果(グラフ)
65歳までは赤字収支によって「資産の取り崩し」を行うことになります。
資産残高が最も減るのは65歳時点で、リタイア時点の資産残高から20%減となります。
65歳からは5つの収入源(資産運用益、不動産収入、個人年金、企業年金、公的年金)となるので収支はプラスです。
78歳で住宅ローンも完済するので、さらに収支がプラスとなっていきます。・
金融資産のアセットアロケーションから見るリスク分析
以前、記事(以下にリンク)で報告しました通り、所有する金融資産の資産配分(アセットアロケーション)の分析をしました。
その結果も踏まえると、安心材料とリスクがあります。
安心材料
現時点、金融資産のうち円建の現預金比率が27%あるので、資産取り崩しに必要な額(20%分の減少)は現預金として既に持っています。
つまり、資産運用中のものに手を付けずに、ずっとやりくりできそうです。
資産評価額の下落
とはいえ、幾つかの前提が崩れると大変です。
現在の金融資産のうち、運用中資産(円建の現預金27%を除く残り73%相当)はその時価評価額が落ちる可能性があります。
その要因としては①為替リスク(外貨構成比は全体の50%)、②倒産リスク(株、社債、保険など43%)、③海外不動産運用の焦げ付きリスク(16%)などです。
こうしたリスクが現実化する可能性も低く、またライフスタイルでリスクヘッジする方法も取り入れてます。
なにしろ、いまの資産運用戦略はリタイアと共に「アグレッシブな投資魂」を全部取っ払い、「超保守的」な「資産防衛戦略」へと変えました。
金融資産の78%が元本保証や一定の保護があり、ものすごく「こじんまり」とした投資です。
資産運用利回りも年率1.5%としょぼいもので、投資しているとは言えないほどです。
相場下落や経済破綻などの影響を心配したくないので、少ない運用利回りはしょうがありません。
それでも倒産リスクなどを浴びて資産を減らしたら、やはり憂鬱になるかとは思います。
【金融資産と利回り分析】資産配分と運用利回り実績をマッピングしたら利回りが僅か1.5%だった・・
収支のズレ
支出は現時点の大幅な赤字前提でやっています。
年齢が上がれば、例えば旅行だの習い事だのといったものも減るので生活費も落ちるでしょうけど、そこは係数をかけずにそのままにしています。
なので支出については節約する余地が多くあります。
アーリーリタイア後の生活費(2023年1~3月の平均)が驚きの金額に。。それでも支出大歓迎である理由
一方で収入は自分自身でコントロールすることはできません。
例えばインフレとなると、受給される個人年金の実質貨幣価値が落ちますし、公的年金もインフレ率に追従上昇できないと目減りすることになります。
国内不動産収入は株ほどリスクはなく安泰ですが、それでも事故物件になったりすれば実質利回りが落ちます。
勤めていた会社が倒産したら企業年金は出ません。
まあ、そんな心配をしていても切りはないので、この程度で。
FIREシュミレーション(アップデート)で思うこと
こうして、アーリーリタイア前(1年半ほど前)に実施したFIREシュミレーションを見直すなか、当時の試算と現実の「金融資産残高」を比較しましたが、想定より多くの金額が残っています。
つまり、リタイア後はなんだかんだ円安や株高で時価評価額が高くなり、想定していた資産残高へと減らないどころか、ほとんど横ばいか微増です。
他のリタイアした方も同じく「リタイアしても案外、資産は減らないものだ」という通説に沿っています。
だからといって、今から5〜10年後まで「やっぱり金融資産って思ったほど減らないね」「20%落ち込むと思ったが全然減らないよ」なんて言っていられるとも思えません。
備忘録として今の金融不安を書いておきます。
例えば、米国方面でのリセッションや、資産税や譲渡税、消費税などの上昇圧迫、紛争の関係でハイパーインフレが起こって預金封鎖になるとか、考え出すときりがありませんね。
ここまではシュミレーションに反映できないので、経済情勢次第で時価評価額が減ったりしたら、シュミレーションのアップデートをやっていこうと思います。
当面、この計画にそって資産残高が推移するかどうかを追っていきます。
終わりに
今回、アーリーリタイアについて思うことがあります。
やはりいま求めているのは、
「心穏やかなアーリーリタイア生活を送る」
というのが究極の目的というか、リタイア生活の根底に備えておきたいインフラです。
防衛的な資産配分への構成変更も、儲けより安心が目的ですし、このシュミレーションによる可視化も安心のためのものでしかありません。
お金で行き詰まらないとなれば、もう「お金に囚われずに生きる」を実践して、心穏やかに、自分の楽しい時間、人が喜ぶ時間に使うのが幸せだと思います。
もちろん幸せの基準は人それぞれですが、実体験として、心穏やかな状態ならば、散歩するだけでも会社員時代に見つけられない発見をして喜べたり、困っている人をすぐに助けたいと思うものです。
お金もシュミレーションも、そんな「心の平穏」の手段でしかありませんが、突き詰めて考え向き合うことで、サラリーマン生活でまとった「利益だ」「競争だ」といった「しがらみだらけのスーツ(マインド)」を脱ぎ捨てている気もします。
あ、でもスーツを脱ぎ捨てても・・「安心してください、履いてますよ!I'm wearing!」。
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