人生と同じくFIREにも「不幸に陥る危険な罠」が存在します。
いまの僕のFIRE生活は、あえて実験的に「自由に好きに生きる」をブレーキを踏まずに実践しています。
この数か月はとくに興味あるものや関心あるものを片っ端からやっている感じです。
何が見えてくるか?と思いきや、なんとそこにあったものは「人生設計に縛られると不自由になる」という罠です。
そもそも、FIRE後の人生は当初の人生設計からはズレてくるものです。
FIREの目的は「自由に生きる」です。自由に生きているからこそ、当初の人生設計からはずれて当たり前です。
もし寸分のずれもなく「当初の人生設計通り」というなら、何ら新しいことを作り出していない証明となり、そこに自由があるのか?ってことになりますよね。
それゆえ、人生設計に縛られる必要もないのです。
そして、縛られず、当初の人生設計にはない「想定外」がでてくると、そこに人生の醍醐味を感じたりするものです。
「しあわせ」って、届きそうで届かない理想や夢を叶えることばかりじゃなくて、「思いもよらない(=想定外)」とか「思った以上の(=期待値越え)」といった体験からも生まれます。
こうした「自由をもって醍醐味を味わう」というFIREの生き方を120%に発揮するために、「当初の人生設計に固執するのは危険な習慣だ」ということなど、気がついたことを綴ります。
人生の将来設計で予測しない出来事とは
僕がアーリーリタイアをしてから1年ちょっとが過ぎました。
退職後は何かと忙しく、実質的には去年の9月から「思う存分、自由に過ごす」を実践しています。
そこからわずか8か月の経験ですが、思いついた資格を取ったり、学び直しをしたり、個人的な興味ある新プロジェクトに着手しています。
そこには当初の人生設計、リタイア後にやろうと思っていた100のリストにはない新しいことが幾つも出てきています。
例えば、リタイアで欧州から帰国し、新生活では予定通り車を買いました。
日々、車という、電車生活にはない機動力もつけて「地理的自由」を快適に高めています。
ふと「地理的自由をさらに広げて、思いついた時に行ってない場所にいくには?」と考えると、「船舶一級だ」と思い取得しました。
近いうちにレンタルをして乗ってみようと思っています。
陸と海が来れば、自衛隊じゃないですが「空じゃないの?」となり、ヘリコプターやセスナの免許取得は調べました。
さすがにコストも時間もハードルがあるので、まずはドローンが先となっています。
こうしてブレーキをかけず、いろいろなジャンルで興味関心のあることを次々にやると、経済的には想定以上の赤字です。
物欲が強いわけではないので、消費に目覚めたというより体験に目いっぱい投資しようという感じです。
わかってきたことは、「FIREの当初計画に縛られず、興味関心のあることにブレーキをかけずにやると、いろいろ見えてくる」ということです。
そんな関連記事としては、
①サラリーマンを辞めて自分のアイデンティティー探し的なことで片っ端からいろいろとやり出した心情を書いた記事はこちらです。精神的なものです。
アーリーリタイアの瞬間から密かに思っていた「FIRE名刺を作ろう」の進捗について
②リタイアによる新しい刺激の求め方として新たな楽しみを見つける心情を書いた記事です。
アーリーリタイアをして1年後の心境について-リタイア生活が飽きてくる?
日常生活での想定外・意外性のエピソード
日常生活でも同じことが起こっていますよね。
想定外や意外性のあるエピソードは誰でもお持ちのはずです。
例えば
・想像を超えたおもしろい本や映画に出会った
・サプライズバースデーをされた
・旅先で心細い時に知り合いに出会った
・持っている株が理由もわからずストップ高となった
といったことから想定外の喜びや幸せを感じることもありますよね?
俗なエピソードですが、先日、レストランでの注文が間違えられ、それを指摘した結果、オーダーした品を含め2品を1品の料金で食べられた時に「わあ、ラッキー」と思いました。
そんなレベルで幸せな気分となるメデタイ自分なので、人生レベルで「予測や期待を超える人生と思えた」というのは際限のない「醍醐味」や「喜び」を感じてしまいます。
幸せの発生源
こうしてみると、人生で幸せを感じるシーンというのは、本質的には2つの種類の体験のいずれかだと思います。それは、
①夢や理想として描いた人生が実現する体験(人生設計の範囲内)、
というものと、
②夢や理想としては描いてはいなかった想定外や期待以上のことが起きた体験(人生設計の範囲外)
といったものです。
特に後者(②)が大事で、そこにこそ「人生って面白い!」という「想像や想定もしていない喜び」を感じますし、それが人生の醍醐味だと思います。
もちろん、いろいろマイナスの想定外もありますが、そのプラスとマイナスが共存するからこそ醍醐味が高まるともいえます。
だって、調理で隠し味に「塩と砂糖」を同時に入れることで味を引き立てたりしますからね。
FIREの醍醐味を引き出すためのテクニックとは
FIREをしてブレーキなしに生きる日々から、大事なことは「いかに人生設計に縛られない自分を作るか」だと思ってきました。
人生計画にも縛られない「真の自由人」たる自分になるには、やっぱり次の3つを実践することが必要だと思います。
FIRE生活での当初の人生設計を、
①はみ出しても良いと心底思える「精神力」
②はみ出しても支えられる「経済力」
③はみ出して突き進める「行動力」
それぞれをみていきます。
FIRE生活の人生設計に縛られない自由なマインド(精神力)
まず「人生設計を頑なに守る」という姿勢は、一見、計画通りの人生を実現するようで良さそうに見えますが、実は「自由なるFIRE人生を実現できなくする」と気が付くことです。
それは「幸せの醍醐味を潰している」ということだからです。
人生はどこか「運命」やら「偶然性・必然性」に任せて遊び心という余裕がなければ、醍醐味のあるFIREはできないのかもしれません。
そのためには「計画順守だ」なんてサラリーマン時代の正義の門番である「サラリーマン脳」は取り除き、ゆるく、楽しく、人生航海に出る感じでもいいのかもしれませんね。
そんな「人生設計をはみ出せる精神力」を持つことです。
FIRE生活における経済力
FIRE達成を目指す時に、まず誰もが実施するのが「FIREの所要額」を算定することです。
算定の前提として、FIRE前に作った当初の「人生設計」があるはずです。
人生設計とは、FIREを達成してからどこで、どのように暮らすか、あれもやりたい、これもしたい、といった願望込みで作られたものです。
それを前提に「生活費」といった支出や、「資産所得や年金」などの収入を踏まえ、生きる年月を乗じれば、FIRE必要額が出るということです。
こんな当たり前の手順で当たり前に作った「FIREの所要額」を、そのままの所要額でOKとしていたら危険です。
そもそも「自由なるFIRE」を目指しているのであれば、そこに「自由がゆえ広がる可能性」という係数をかけて準備することが必要です。
もちろん「一切広がらない」「醍醐味なんていらない」という生き方の1つです。
「お金が有り余るほどあっても自由が広がる必要が無い」と言うなら、それがその人の真実なのでしょう。
でも「お金があればやるけど、お金がないから制約をかける」というのは、経済事情で自由を阻害することになるので、自分が求める「自由のコスト」を受け止めて係数を掛けたほうが健全だと思います。
FIRE生活における行動力
FIRE生活で、実際にどれだけ行動できるかは、先天的な「行動力」というか「バイタリティ」といったものに制約を受けるかもしれません。
それは人の生まれ持った特性なので、いちいち人と比べてその過多を気にしてもしょうがありません。
あるがままの自分のレベルを受け入れて、それを超える行動力を、なにものも阻害されないように生きるだけです。
阻害するのは、例えば、「肉体的な健康」や「精神的な健康」を損なう時に生じる行動力の喪失です。
「行動力がない」とか天性の特性は気にせず、なによりも体と心の健康から生まれてくる行動力を受け止めて楽しめばよいと思います。
ちなみに、行動なんて動き出すまではウダウダしてしまいますが、ひとたび動けばわりとサクサク動けることがありますよね。
なにごとも「すぐに動く」といった習慣を試せば変わることもあるかと思います。
まとめ-FIRE後の醍醐味ある自由を得るための方法
FIRE後は、1つ新しいことをやると、そこからまた新しくやりたい世界が見えてきます。
FIREの本質は「自由に生きること」なので、当初に立てた人生設計を「計画が狂うから」と縛っていては、そもそも自由なんてやってくるわけがありません。
計画に誤差が生じることこそ歓迎して然るべきです。
そのために、精神的、経済的、行動的な側面で「当初の人生設計に固執する」といったことがないよう、FIREに向け自己アップデートすることも大事です。
目的はあくまでも当初の人生設計から「想定外や期待値越え」という広がりを得ることです。
人生設計そのものを軽視しても良いというものではありません。
妥当性のある計画と所要額を作ったうえで「本当の自由のための係数」をかけてバッファーのある所要額を求めれば良いのです。
終わりに
なんだか「しあわせ」なんておおそれたことを言語化しちゃいましたが、まだまだ「自由」を追求していくと見つかることがあると思います。
自由が生みだす究極の幸せは「自分の想像を超えた先に自分がたどり着けること」だと思っています。
それは「人生はドットをつなげて幸せになる」いうことと同じで、スティーブジョブズの言っていたConnecting the dotsです。
想像しえない世界をどんどん突き進んでいくと、振り返ってはじめて1つまた1つと点がつながって進んできたことがわかるというものですね。
彼はその先に「And that will make all the difference.」、つまり「自分らしさ」という地点にたどり着く、それを信じようといったメッセージでした。
僕はまだ五合目ながら、そんな感じなのかもとは、思ってきました。ランキングも参加して頑張りますので、参考になったり面白かったり応援して頂けるなら、こちらもポチっとしていただけると励みになります。
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