今日(5月19日)は、東京株式市場の日経平均株価が終値で32年9か月ぶりの高値となりました。
市場の上昇トレンドが続くと「投資で生計を立てられる」という人も増えてきて、「FIREブーム再燃」となるかもしれませんね。
なにしろ、ちょっと前には株価低迷で「FIRE卒業」という言葉がSNSで話題を集めました。FIREを辞めてサラリーマンに出戻った人たちです。
同じように、今後は「FIRE卒業した人が再度FIREをする」という「FIRE出戻り」も出てくる気もします。
さて、こうした「自在にFIREを卒業したり出戻ったりができる」という自由なライフスタイルを頭に浮かべたわけですが、ふと、昔、そうした人たちに数多く出会ったことを思い出しました。
今日は、そんな人たち(今のFIRE的な言い方を当てはめれば「上級FIRE民」)みたいな生き方と、それが日本でも進展しそうだということを綴ります。
僕が15年前に出会った上級FIRE民たち
FIREという言葉が出るずっと前のことです。
当時から「働いたり、リタイアしたり、また働いたり」という生活をいとも簡単に実行できてしまう「上級FIRE民」のライフスタイルをする人がいました。
これはアメリカで働いていた時の事です。
実際に僕が出会った人たちは、FIREをして、
「夫婦で世界一周に出る」
「ヨットで大西洋岸をフロリダから北上しボストンまで数か月かけて旅行する」
「家を売ったお金でキャンピングカーを買い国立公園を全制覇する」
といったFIRE生活を数か月から数年単位でしていました。
FIRE生活を楽しんだ後は「仕事に戻ったよ~」なんていう連絡がFACEBOOKであがっていたりもしました。
アメリカの労働環境はFIREを容易にさせる
こうした「自在に仕事をしたりFIREできた人たち」は共通点があります。
共働きで、夫婦の合算でかなりパワフルな資産を持ち、投資や資産運用でも儲けていた人です。アメリカは老後の年金を自分で構築する制度なので多くの人が投資をしています。
ただ、資産があるだけではこうした上級FIRE民の生き方はできません。成立に必要なものとして「流動性ある労働環境」という条件が出てきます。
つまりは転職がし易いことです。
現地では1つの会社にいる年数(中央値)が4年そこそこだったり、一生のうちで転職する平均数が10回程度といった統計データもあります。
会社というより「ポスト(JobDescription)」に応募し働くイメージゆえ、職位を上げたり異なる仕事にチャレンジする時は、転職でステップアップするのが当たり前です。
こうした転職事情ゆえ、仕事を辞めても慌てて次の仕事を探さずに、貯蓄や資産運用の配当金などをもってFIRE生活をする人も結構いました。
上級FIRE民のような気ままな生き方の転職リスクは?
こうした経験をしている人は、レジュメをみると「無勤務期間」があったりします。
面談においても、そうした合間に何をしているのかを尋ねると、面白い回答が多々ありました。
良くあるのは「起業で失敗しちゃった」(=一時的にセミリタイアしたようなものです)とか、それに続いて上記のような「~を放浪していた」(=完全FIREし、また出戻るパターン)というものです。
「志願徴兵でアフガニスタンに行っていた」といったハードな経験者もいましたが、これも国のためのボランティア(給与は得ますが)を一時的にFIREをして実践していたわけです。
ということで、採用面談では、元気で行動力のある人であるならば、たとえ上級FIRE民のような無勤務期間があっても、マイナス印象はありません。
それどころか「面白い個性のあるやつだ」とプラスのイメージです。
日本の将来もアメリカのような流動性に近くなる
日本においてもアメリカのような労働環境がすぐに到来すると思います。
その明確な兆候が見られます。
この数年はテレビで良く見かけるCMに「〇〇リーチ」という転職関連サイトも出てきました。
転職ビジネスが成長してきているということは、それだけ転職者も多く定着しているのです。
企業においても終身雇用から「ジョブ型人事制度」へシフトしています。
ジョブ型とは、企業が人材を採用する際に職務内容を定義した「JobDescription」を作り、その内容をもって雇用契約を結ぶのです。
労働時間ではなく職務や役割で評価する制度というものです。
例えば、日立製作所、富士通、資生堂、カゴメ、KDDIなどもやっていますね。
しかも、コロナ禍以降、日本国内の雇用環境も「人手不足」ですし、リモート勤務など仕事場所も柔軟性が出ています。
スキルや専門性があれば、労働時間に縛られず、より柔軟に働けるような労働環境が整備進展しています。
FIRE民が爆増して欲しいなかで日本のマイナス面は?
一方で、日本で上級FIRE民が生まれにくい要素もあります。
そもそも投資に対して積極的に取り組んでいる人の比率が少ないですし、遊びながら稼ぐという手法もまだまだ浸透していません。
また、ジョブ型人事制度ができても、レジュメに空白期間があったり頻繁に転職していると、日本ではマイナスイメージが先行します。
「怠慢なのでは」とか「対人関係で問題があるのでは」といった憶測で、たとえ面談の印象が良くても、保守的な判断で採用を躊躇しがちです。
制度が進んでも、採用する企業の保守的なカルチャーが変わらなければ、実現がされませんしね。
終わりに
「働いたり、リタイアしたり、また働いたり」といった自由自在なFIREができるのが理想だと思います。
サラリーマンとFIRE生活では、その立ち位置も大きく違います。
そして、実際にその中にいるのと、表から見た感じはギャップがあるものです。
両方の生活を行き来することで、案外、「隣の芝生が青く見えていたのは幻だったのか」と気がつくものです。
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