FIRE前に「リタイア時点の貯蓄目標額」を決めたことを後悔しています。
当時の心境は「お金は少しでも多い方が良い」というものです。
それゆえ「リタイア時点で〇〇を貯めておこう」と、辞める半年前まで、何度か目標額をより高く高くと、設定し直して追い込みをかけていました。
それが、FIRE後の思わぬ「心理的足かせ」となりました。
今回、そんな「リタイア資産の目標額を持つこと」の弊害について綴りたいと思います。
リタイア資産の目標額は何のため?
リタイア生活を迎えるうえで、やはり未経験な世界ゆえ「慎重にいこう」といった気持ちがありました。
リタイア時の「貯蓄目標額」は、収支シュミレーションで利用した額よりも多いに越したことはない、と思いました。
リタイア前は、コロナ禍でお金を使う機会も少なく、最終的に高めに設定し直した「貯蓄目標額」も超えることができました。
人によっては「FIRE所要額」として生活費の25倍、4%ルール・・・。いろいろな基準で定めると思います。
僕の場合は、アーリーリタイア後から年金等が入るまでは、収支は赤字(資産所得で生活費を補えない)という構造です。
当面は資産を取り崩すことになります。
そうした前提ゆえ、少しでも多めに貯蓄目標額を定めてしまっていたのです。
リタイア資産の貯蓄目標額を定める弊害
目標額を持つことはしっかりお金を貯めるうえで、重要なことだと思います。
ただ、その目標を持つとFIRE後は「思った以上にその金額に縛られる」と思いました。
アーリーリタイア後は、シュミレーション通り、ずっと現預金を取り崩しています。
サラリーマン時代は現預金が増える「増加トレンド」ですが、リタイアで潮目の変化を迎え、リタイア日を境に「減少トレンド」になります。
また、「貯蓄目標額」に向け頑張り、クリアーした分、「せっかく貯蓄目標額に届いたのに」という感情が根付いています。
そんな、「潮目の変化」と「取り崩しで目標額を下回っていく」といったものが、穏やかなる心を乱していました。
この1か月間も、こうしたお金の向き合い方の変化に慣れるためいろいろ実践してきました。
1つの記事がこちらです。
そもそも「お金に囚われる」という課題を持ち始めた記事はこちらです。
経済的自由人やFIRE達成者の多くが「精神的不自由人」だという疑惑と真相
「資産目標額」についてはどうすれば良かったか?
そういった「目標額」に囚われないために、どうしたら良かったか?
そりゃ、人間力ができているなら、当初の目標額を超えた段階で「ご苦労さま」と自分を褒め、一気に気持ちも切り替えるのが賢明でした。
そしてリタイア最後までお金を貯め続けるようなこともせず、逆にリタイア半年前ぐらいから、お金を使い出しても良かったかもしれません。
そうすれば、働いてるうちからお金が減りゆくトレンド変化に先慣れしたり、リタイア前から「心は先にリタイア」をして「慣らし運転」にもなります。
どうせ仕事は、最後はブレーキをかけて引き継ぎばかりでしたしね。
とは言えもう遅いので、僕が今やろうと考えているのは今後の対処策、つまり「今後の資産の目安」を作ることです。
お金をどう使うかのアクション計画
いま新しく試していくのが、次の「段階的にお金を使う目標設定」です。
目標とは言ってますが、お金を使うことが目的とならないよう、あくまでもゆるい「目安」程度の位置付けです。
ステージ1:アーリーリタイアの賞味期限切れまで(いま~65歳)
目標資産額を〇〇とする。
*アーリーリタイアの全盛期となるステージ1は、なるべく有益なものごとに「お金を使う気持ちを引き出す」という意図での目標です。
ステージ2:健康年齢でいられる期間(65~75歳)
75歳時点で目標資産額を〇〇とする。
*これも基本は「お金を使う体力」がある最後の期間に楽しいことにお金を使うことを意図した目標額です。
ステージ3:人生の終焉で省エネモード(75~100歳)
100歳まで収支シュミレーションをしているのですが、何に、幾らほどお金を使う生活をしているかは正直イメージできません。
エンディングの資産残高
なお、最終的な目標額(死ぬ時点での残高)は、いま検討中です。
方向としては、「僕の1年分」を子供に遺産として残したいと思っています。
1年分とは、僕の現役時代のピーク年収に、リタイア時点の資産を僕の現役年数で割ったもの加えた額をもって「僕の1年分の時間が生み出した資産」として残すのです。
お金は多くても人生を狂わすし、かといって少なくては役にも立ちません。
良い塩梅というのが難しいところです。
そこで、良い塩梅を「父の現役時代の1年分」という換算です。
つまり、遺産相続でお金を〇〇万円と残すより、その無機質なお金を「父が自分のために費やした1年」という時間相当に換算し、意味を込めて残すのです。
子供が自分の人生で行き詰まるようなことがあったら、その遺産を使ってフラフラするのも結構です。
「父が僕のために注いだ1年という時間(=愛情)」の資金を生活ややりたい事に使い、前に進む力に変換してもらえれば、それが最善です。
人間は生きてるなかで、いろいろ寄り道は必要ですしね。
僕にとっても、リタイア時点の貯蓄目標額まで全力で貯めてしまった分、その「精一杯の気持ち」が込められた「1年分」は魂がこもっています!
と、無理に目標額を目指してやり過ぎだったという自分の反省や失敗を逆手に、そんな資金を気持ちを込めて残せればといったところです。
終わりに
以上、まだまだ荒削りの状態です。
まずは「リタイア時の貯蓄目標」という「お金に囚われる呪縛」を取り除くため、改めて、次なる3ステージの各目標を定めたのです。
これによって、減りゆく現預金に動じず、ニュートラルな心でお金に囚われずに、そして最終的にどう純資産を価値あるものにするかも考え、試していきたいと思います。
もしだめならば、また新しい方法を考えれば良いだけですからね!
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