「もし僕が40歳でFIREをしていたら」と考えると、今とは考え方も生活も大きく違うと想像できます。
今のような完全リタイアではなくセミリタイアをして、自由の求め方も、お金への拘りも、仕事へのかかわりも違います。
今日は、自分の過去(40歳当時)のモチベーションを踏まえ、どのようなFIRE生活を送っていたかを想像することで、価値観がいかに変化するかを露わにしたいと思います。
あくまでも僕自身の過去と現在を比較するものではありますが、ぜひ皆さんも自分事としていろいろ想像してみてください。
40歳時の体力・気力における今との違い
まず、40歳リタイアであったならば、50代リタイアの今よりも体力と気力があります。
例えば、平日の19時に家でゆっくりしていると「飲んでるから来いよ~」なんて声がかかったとします。
今では「面倒だし家でゆっくりしよう」と断るでしょう。
でも40歳の僕ならエネルギーも持て余し「行く行く」と返信し、そして深夜遅くまで飲んでいます。
今でも「昔と変わらない体力や気力はある」とは感じています。
それでも、実際のシチュエーションを当てはめて想像すると行動力は衰えていると実感します。
この「基礎的なエネルギー」の差は、新しいことを挑戦していく意欲にも影響するものです。
40歳時のモチベーションや欲求
40歳の頃は、今よりもかなり「お金を稼ぐこと」やそれによって得られる「承認欲求」が強かったと思います。
なお、40歳当時も今と同じ資産がある前提で考えています。
それゆえ違いは、同じ資産があっても、40歳の僕はより「お金を稼ぐこと」にモチベーションを感じ、あれこれ試すことをするでしょう。
そのモチベーションの源泉は2つあって、
①お金を稼ぐことで社会的成功を得て承認されたい(=社会的な承認欲求)
②お金を稼ぐ「ビジネスっぽい遊び」を追及したい(=ビジネス的探求心)
というものです。
モチベーションや欲求の違いは「価値観の違い」でもある
つまり、40歳の頃は今よりも「社会的欲求」が突出して大きいといえます。
それは、資産の有無とか、体力・気力の差分から来るものではありません。
やはり大きいのは「価値観」です。
40歳当時は「何かおもしろい起業をしたい」と、いろいろ行動していた時です。
そんな行動をする理由は「せっかくの人生、自分らしいアイデアで何か起業し成功させることが大切だ」と価値を感じていたためです。
社会的な方向での価値観が、この10年~20年で大きく変わったことにもなります。
価値観がこうも変わるとは自分でも驚きます。
価値観がいかに10年~20年で変わるのか
そうした価値観の変化を、「自由・お金・社会的欲求」の3点で比べます。
以下に社会的基準から自分基準になったか、その違いがわかります。
①自由に対して
(40歳)波乱万丈なる自由がおもしろそう
(いま)平穏無事なる自由が大事
②お金に対して
(40歳)時間があるならお金を稼ぐ
(いま)お金を増やすより時間を大切に
③社会的成功や承認欲求について
(40歳)社会的成功が第1(自分の限界に挑戦し成功を得て認められたい)
(いま)自分らしさが第1(社会の基準より自分の基準に従いたい)
年齢とともに価値観が変わる理由
こうした価値観が変わる理由は2つあると思います。
時間軸の違い
1つは時間軸の違いです。
「いつまでの時間がある」という感覚を持つ40歳FIREと、人生の終わりがそこに見え隠れする50代リタイアの「人生時間軸でのポジションの違い」です。
人生100年時代とは言いますが、やはり50代リタイア生活では、体力や気力の衰えもあります。
また、友人であったり大切な人の死も身近に起こります。
そんな影響も受けながら、社会的に何か新しいことをするより、もっと自分を大切に緩く生きたいと思う心がぐんぐんと育つのです。
欲求の変遷
もう1つは「社会的欲求は充足されると捨てる」です。
僕はなんだかんだ、サラリーマンを辞めずに50代半ばまで来ました。
40歳以降、50代半ばのサラリーマン生活で、40歳の頃に欲しかった「社会的欲求」を満たせたともいえます。
僕にとって40歳の頃の起業の欲求は、自分のアイデアで何か作り出して社会に変化や驚きを与えることができたら面白いというものでした。
そんな欲求は、サラリーマン生活でもある程度実現できたと思います。
それゆえ「欲求が燃焼し消失した」という気がします。
人生の10年~20年って、結構なものごとが起きるのですよね。。。
そして、それは僕に限らず、誰にでも起こりうる「普通にあること」だと思います。
FIREの成功を定義すると
こうしてみると「生きていくうえで何が大事か」といった価値観は、10年単位で変わると痛感します。
もし皆さんが既にFIRE生活をしていたとしても、その形が永遠に同じであるとは限りません。
あるいは憧れるFIRE生活をイメージしていても、その生活を生涯、やり続けたいモチベーションを維持できるとも限りません。
というのが、僕の経験であり学びでした。
そう考えると「何をもってFIREが成功か」を評価することは難しいのかもしれませんね。
終わりに
こうしたことを考えると、生きる上で大切なのは、
・価値観が変わることに気が付き受け入れること
・そして価値観が変わるごとにそれに応じて自分の生き方を変えていけること
・変えていくうえで、その新しい生き方を選択できること(経済的・時間的・能力的に実行できること)
が大事なのだと思いました。
うーん・・40歳の頃なんて「ついこの間」なのですけどね。
されど時間の重さはあるのですね。
みなさん、10年前、20年前、どうでしたか?
「FIREなんか興味ない。今の仕事を生涯やりたい。」って本当にそうですか?できますか?
ほど良いセミリタイアが最も柔軟性があるように思えます。
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