FIRE後の心境変化で想定外だったものの1つに「資産増に興味を失くす」があります。
興味を無くした理由は2つあって、
①時間が何より大事だという価値観に変化した
②資産管理での透明性、資産運用での安全性をつき詰めた
によるものです。
今日はこの2つについて書いてみます。
リタイア後の時間の使い方
アーリーリタイア後の最初の半年は、投資をすることも楽しみでした。それゆえ、株式投資や不動産投資など、多くの時間を割きました。
時間も豊富ゆえ、足を使って物件を一気にみたり、セミナーに参加して情報収集したりと、自由時間の半分以上を使っていました。
来る日も来る日も、そんな時間の使い方をしていたら、ふと疑問がわきました。
「僕がリタイアしたのは、こんな投資家のような生活のためか?」と。
長年のサラリーマン生活での洗脳か「忙しくいることが良い」「とことんやるのが良い」といった価値観に縛られたままのリタイア生活でした。
アーリーリタイアの原点を考えなおした
アーリーリタイアから10か月も経過してから、改めて原点を考えなおしました。「自分のアーリーリタイアの目的は何か?」
すると原点は、
・「今しかできない大切なことをやる」であり、
・「自由で楽しい完全リタイア生活を、心穏やかに過ごすこと」
というブログで掲げたことです。
「今しかできない大切なこと」とは
リタイア前から「リタイア後にやること」をリストアップしていました。「今しかできない」ということが何かを考えると、定年の65歳からでは「やらない」「できない」ことです。
それは「体力を要するスポーツや旅行など」、「若いうちに身に着けたいスキルや資格」、「いつまで元気でいられるかわからない親への孝行」といった、期限付きのものです。
そんな活動を蔑ろにして、お金を増やす投資活動に時間を費やす日々を反省しました。
そして「やりたいことを目いっぱいやってみよう」と、数か月間は時間やお金の制約をなくしてみました。
そんな「目いっぱいの遊び期間」でどう感じるか、それをやった結果がこの記事です。
お金を使うって時間も体力も必要だと実感しました。
アーリーリタイア後の生活費(2023年1~3月の平均)が驚きの金額に。。それでも支出大歓迎である理由
時間がなによりも大事
こうした経験から「思ったほどお金は使えない」「お金より時間だ」と実感するようになりました。
お金といえば、FIREを目指したり達成した人の誰もが「FIRE所要額」や「生涯に必要な資産」を算定します。
算出していながらも「もっとお金がないと不安だ」や「お金はあっても困らない」と、お金を稼ぎ続けることをやめない人もいます。
もちろん生活にはお金が必要ですし、お金の不安があっては平穏な時間を過ごせません。
かと言って、不安に駆られて増やしても、結局、貯蓄を多く残して死んでしまえば、その稼ぐ時間も努力も全て「無駄」です。
そう考えると、自分の人生、「自分に足りるお金があればそれで良し」、「他人が欲しがるものまで欲しても欲は果てしない」と思うようになりました。
(不明瞭なお金の不安や欲)vs(明確なやりたい事)を天秤にかけて、時間をどちらに投資するかを考えても、やはり後者です。
きっと、人生の時間を豊富に持つ若い人や、投資こそ楽しい、という人にはピンと来ないかもそれませんが、これが今の僕の置かれた状況で、それを受け入れないといけないだけです。
「完全リタイア生活を心穏やかに過ごす」とは
こうした経緯で「今を大事にする」という時間へのこだわりが生まれました。
ただ1つだけ問題がありました。
それは「大事に過ごそう」と意気込むと、かえって「やるべき目標」に縛られて窮屈になるということです。
リタイアの原点は「自由」であり「縛られない」です。
サラリーマン時代の正しいとする「目標を持つこと」は、かえって自分を「不自由にする」という感覚を持つようになりました。
これも長いサラリーマン生活の負の遺産です。
それがこちらの記事です。
アーリーリタイアから1年。「意外なもの」がプレッシャーになり驚いた・・。
こうして、目標に縛られず、心穏やかに過ごすことを大事にしたいと感じるようになりました。
お金の不安を根絶する行動
そして、心穏やかに過ごすためにさらに必要となるのが「減りゆく資産に対する耐性」です。
もし「お金が減るのは嫌だ」と思い、お金を増やす行動を取りだすと、以前のような「投資家」的な自分に戻ってしまいます。
そこでやったことが、
・資産管理で不透明さを無くすこと
・リスクの低い資産構成に移行し、資産防衛力を強化し、不確実さを無くす
です。
月次の資産管理も試行錯誤し、管理方法がほぼ完成形になり、透明性が確保できたのがつい先日のことです。
【金融資産分析】リタイア13ヵ月目の集計結果と反省(2023年5月末時点)
資産運用も、70%以上の比率で「元本保証」のある資産構成(ただし外貨ベースでの元本保証も含む)にしました。
これにより「リーマン級の経済破綻が起きたら資産がどうなるかわからない」という「不確性」を限りなく減らし、安全性の高い(でも利回りを犠牲に)防衛的な資産運用にしました。
こうして、資産の不透明さや安全性欠如がもたらすお金の不安を根絶しました。
その記事はこちらです。
【金融資産と利回り分析】資産配分と運用利回り実績をマッピングしたら利回りが僅か1.5%だった・・
まとめ
まとめると、資産を増やすことの興味が失せたのは、必然的な理由が2つあって、
①資産増より時間(生き方)を重視する価値感へと変化した
投資家的な生き方よりも、「自由で楽しいアーリーリタイア生活」を追及し、お金にも目標にも縛られない「自由さ」を追求する時間を選択した、
②資産管理での透明性、資産運用での安全性を実践した
資産管理や運用も工夫し透明性と安全性を高め、お金の不安を無くし、現預金を取り崩す耐性も高め、お金に一切囚われない状態を作った、
ということです。
終わりに
今日は、リタイア後の価値観の変化と、それに応じたお金の向き合いかたの変化を綴りました。
結局、行きついたのは「足るを知る(たるをしる)」ということかもしれません。
僕がリタイア生活を「自分らしく心穏やかに」とあがくほど、大きな存在は「自分の有限な時間」です。
「お金を増やすための投資時間」を「断捨離」したのです。
そのかわり、今後は、心の豊かさをどう運用して増やすかを追及したいと思います。
ということで、まだしばらく経済的自由人をつきつめる、居心地よい生き方を探究し、発見を記録しながら発信共有したいと思います。
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