リタイア後の日々では「無職」と名乗っていますが、その「無職」と回答することで嫌な経験もあります。
無職という言葉のネガティブなイメージで「怠惰な生活を送っていそうだ」というレベルのものもあります。
ですが今回は「無職」であるがゆえ、金の売買における事務的な問題に直面した経験です。
今日はその経験と「職業(無職)」の定義について考えます。
職業欄を無職としてとがめられた経験
このところ、金の相場が歴史的にも驚くほどの高値をつけているので、手元の現物の金(インゴット)を少量売却しました。
貴金属店で売却する時に、所定の「支払調書」に情報を書きこみます。
そこには住所、氏名、マイナンバーカードの情報等のほか「職業欄」があります。
反射的にボールペンで「無職」を選んでしまいましたが、担当者が怪訝そうな顔をしました。
はっと気が付いて、僕は「自営業」に変更しました。
法的関連での懸念材料
こうした貴金属店では「無職」が警戒されます。
1つは犯罪関連です。
金の買取では、なにかと身元不明だと怪しまれます。
「犯罪による収益の移転防止に関する法律」があり、不当な売買を防止するためかなり過敏になっています。
もう1つは、税務的な問題です。
インゴットなどのいわゆる金地金の取引(譲渡所得に該当します)での申告漏れが多いという問題もあります。
こうした事情で、調書に「無職」と書かれているものは、お店側としても何かと「調査対象」になったりと、面倒な客だという扱いなのかもしれません。
職業の定義-総務省
職業分類や無職についての定義は、日本標準職業分類(平成21年12月統計基準設定)にてガイドラインがあります。
以下が該当箇所の抜粋です。
職業分類において職業とは、個人が行う仕事で、報酬を伴うか又は報酬を目的とするものをいう。
ただし、自分が属する世帯の家業に従事している家族従業者が行う仕事は、報酬を受けているかどうかにかかわらず、一定時間(例えば、一日平均2時間、あるいは通常の就業者の就業時間の3分の1以上の時間等)当該仕事に従事している場合には、その仕事を職業とみなす。(出典:総務省ホームページ)
これに従えば、僕のように、不動産なり株式なりの資産運用で報酬を伴う活動をしているので、一応、「無職」ではなく、自ら報酬を稼ぐ(自営業系)を選択をしました。
ただ、杓子定規に運用すると、「1日平均2時間」に至ってるかは微妙ですが。
それに、ビジネスも自動化なりで仕組みを作って稼ぐ方法もあるなか、いつまでも時間基準であるのも時代錯誤ですね。
また、厚生労働省での定義は「日雇い」も「無職」に該当するようで、いわゆる何らかの形で雇用されたり報酬を得る活動をしているか否かを基準(雇用を探すも含む)としていますね。
終わりに
無職の定義はどうであれ、やはり「無職」という言葉が与える社会的なマイナス面は大きいなと、今回のケースでも感じます。
かといって年齢的には「リタイアしました」とか「年金生活中です」は通じず、一番近いのは「アーリーリタイアした者です」となります。
それはそれで、「何をして日々を過ごしているのか?」とも聞かれてしまうので、面倒な状況では「ちょっと事情があって仕事はしていません」ぐらいに留めています。
きっとセミリタイアなら、従事している仕事をもって職業と言えますし面倒なことはないのでしょうね。
定年前の完全リタイアって、状況次第でその表現を変える必要があって、なんだかサラリーマン時代の日々での言葉遣いや気遣いと似ているなと思います。
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