「FIREして大丈夫か?」という不安は誰にもつきものです。
こうした不安に適切に向き合うことが幸せなFIREにつながります。
そこで「FIREして大丈夫か」という漠然とした不安を「FIREで失敗したらどうなるか」という具体的な課題に置き換えて対処した僕の方法を綴ります。
不安を要素分解する
ではまず「FIREで失敗したらどうなるか」という課題を要素分解してみます。
すると「結果」と「プロセス」の2つに分かれます。
具体的には、
・FIREで失敗した結果が「悲惨で怖い」=結果がもたらすインパクト、
・失敗と成功を決定付ける要因や道筋がわからない=プロセスの不透明さ、
といったものです。
なおこれはFIREの判断に限りません。
「この仕事をやり切れるだろうか?」「この投資はうまくいくだろうか?」なども一緒です。
根本にあるのは「結果がもたらすインパクト」として会社での評価や投資での損失を気にしたり、「やり切る、うまくいくか」といった道筋や成功の方程式が不透明であり不安を感じているのです。
FIREの不安を具体化する
具体的にFIREをした結末がもたらす状態を明確にしてみます。
具体例として、
・経済的に行き詰まる
・家庭環境が崩壊する
・会社へ迷惑がかかる
・社会的に孤立する
などです。
これら、家庭や職場などの生活環境や人間関係、社会性などの面で、これまでの「安定性」や「安全性」が崩れ、受け入れがたい状態(結果)となることへの警戒心から不安が生まれます。
こう考えると不安は「安定性を脅かすことへの自己防衛アラーム」という防衛機能だと言えます。
僕は不安とは向き合って、かえって有効活用をしていくよう心がけています。
不安を無くすために必要な想像力
こうした結末から受けるダメージを解消するには「想像力」を働かせることが必要です。
想像力とは、「最悪の結果」と「妥当な結果」を想像することです。
最悪の結果とは
アーリーリタイアをして最悪の結果とは、僕の場合は「経済的な破綻」と「社会的な孤立」でした。
独身なので「家庭環境の崩壊」といったことはありません。
で、最悪の結果として経済破綻したらどうなるか?
路頭に迷ったりホームレスになることはありません。国で定められた生活保護という安全性のバリアがあるので、これを下回ることはありません。
また、自己破産をしても年金は差し押さえされません。
こんな記事も書いてます。
妥当な結果とは
妥当な結果とは、概ね、「生活費」や「収入」など想定される通りの結末で、シュミレーションをすればわかります。
もちろん、通常の生活ではかからない「イベント費用」や、重病時の「医療費」など、世間の事例はあるので、ファイナンシャルプラニング的な知識で洗い出したりできます。
そうする過程で「結末」だけでなく「プロセス」として何が大事であるかもわかってきます。
以上の「結末を想像する」を駆り立てるのが、根本は不安という「防衛本能」で、その結果、積極的に情報収集したり知識獲得を促すことでリスクヘッジになります。
不安を煽る「無意味な思考」は切り分ける
ところが、人によっては「変なマインド」というバグが突然でてきます。
それは「人生なにがあるかわからない」というセリフです。
人によっては「世界的な恐慌となったらどうするか」、「インフレで貨幣価値が落ちたら」、「大地震で壊滅したら」、「資産を盗まれたら」など、きりがありません。
こうした「コントロールできないこと」は、もちろん起こる時は起こるでしょう。
ですが大事なのは、こうした「非常事態」や「例外事項」の発生確率です。
それは「通常事態」や「標準事項」とは根本的に違います。
単に「もし起きたら壊滅的な結果だ」という「結果の重大さ」に目が行きすぎて、その片側にある「発生確率」を軽視するのです。
そのアンバランスな捉え方で「やっぱり不安だからFIREはもう少し見送ろう」となるのは損なことです。
「緊急事態」への対処方法
こうした「緊急事態」を軽視せよと言ってるのではありません。
その発生確率を考えて、妥当な対処策を取ろうということです。
仮に、重大さでいけば「震災で全て失う」というのは、例えば100の重大さがあるとします。
それが生きているうちに遭遇する確率が0.01%(全人口に占める被災者の割合を1億人に1万人)とします。
影響度は100で確率0.01%なら100x0.0001で、結果は「0.01」となります。
一方、投資で失敗し資産の3割を失う(影響度は30)とします。でもその発生確率が1%なら、30x1%は「0.3」です。
インパクトが0.01と0.3では30倍の差があるので、同列に扱うのは行き過ぎです。
もちろん「もし起きたらおしまいだ」という気持ちはわからないでもありません。
そこで対処方法は「コントロールできることをやる」となります。
コントロールできることをやる
さきほどの「被災して全財産を失う」ということが起きないよう、資産は分散したり、地震保険なりに入ったり、あるいはそうした居住地に住宅を買うならば災害調査を調べることはできます。
やみくもに「不安だ」というのではなく、少しでも不安の原因となっている要素でコントロールできることを対処するのです。
僕の場合も、アーリーリタイアをしてから投資運用中の資産評価額が上下したり、資産を取り崩すことになんとなく不安がありました。
ということで、「経済恐慌が起きないで」とびびりながら願うより、起きても影響が少ないように資産配分を安全性の高い元本保証を増やすなど組み替えました。
投資運用での収益は減りますが、その分、何があっても安全という「安心感」を得られます。
とにかく「自分が取りうる方法でコントロールする」ということをやるしかありません。
やることをやったら、あれこれと将来のことを憂いてもしょうがありませんしいちいち反応して「ムダな時間とエネルギー」を使うにを避けるのです。
終わりに
不安というのは日常生活にはつきものです。
今回、僕が言いたいのは、そうした不安を上手に使うことで、自分の安全性、置かれた状態の安定性、あるいは状況変化の透明性を切り込むきっかけにできるということです。
以前、老後2000万円問題がありましたね。
それに対し世間では「政府は不安を煽る」という意見もありました。
「煽らないでくれ」「そっとしておいてくれ」という意見もわかりますが、どうせ放置していてもいずれ問題にぶつかるなら、早い段階でそうした不安に気が付いたことをラッキーと捉え、自分なりにその状況を使って安全性、安定性、透明性の課題に切り込めば良いのだと思います。
不安はまだプラスに変えようがあるので考えようでは悪いものじゃありません。
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