世間では目標を持つことが大切だと言います。目標として描けばモチベーションを生み、道筋を外れることなく最短で達成できるという理由です。
ですが僕はリタイア生活を送るうちに、この考えかを疑問を感じました。
そして「目標を持たない生き方こそリタイア生活には必要だ」と思うに至りました。
なお夢として「〇〇に移住する」などは持つべきですが、そこに数字を入れて「2年後に〇〇を貯め、4年後に実行する」といった目標(夢に到達する道しるべ)を定めることは必要ないという意味です。
その理由は3つあって、
①自由と広がりを阻害しないため(可能性)、
②今を大切に生きるため(即時性)
③新しい夢や願望を生み出せるため(柔軟性)
です。
それでは個々に見ていきます。
自由と広がりを阻害しない(可能性)
リタイア後の人生は遊び呆けた学生の頃よりも有利で、時間的自由だけでなく人生経験もあります。
なので自由と経験を活かせば想像を超える広がりをもたらす可能性があるわけです。
そうした可能性を奪うことになるのがリタイア生活をサラリーマンの頃のように細かい目標をもってそこに意識を向けてしまうことです。
目標に到達することばかりに意識が注がれ、目標達成に囚われ、夢がもっと広がったりすることを阻害する可能性があると思うのです。
目標を持つことが大事だというのは、これまでの会社世界での常識でありサラリーマン脳が生み出した幻想だと思います。
会社では異なる考え方や能力をもった人が集まるので、求心力をもって進んでいくためにも具体的な目標という道筋を立て、管理するアプローチが効率的であっただけです。
そうした考え方を引きずってリタイア当初は「目標を持つべき」とのサラリーマン的な固定観念がありましたが、今はそれを取り払って効率性より可能性を重視しています。
今を大切に生きるため(即時性)
2つ目は、いまを大切に生きるです。
現役時代は今というよりも将来のために貯蓄をしたり、投資をしたり、スキルを身に付けたりといった「将来のために今を生きる」ということを当然とするサラリーマン脳で支配されていました。
リタイア後もその考え方を引きずり「リタイア後の学び直し」として2年間大学院行こうかとか、困難な資格を取ることにチャレンジしてみるか、といったビジネス寄りで考えてしまったこともありました。
これらは「自己投資」で、今の時間を犠牲にして将来のリターンを得るというビジネス寄りの思考です。
リタイア後は2度とサラリーマンに戻らないという確信も強くなるにつれ「将来のため」より「今の興味に従って」という軸で物事をするほうが断然に心地よくなりました。
リタイア生活ですぐに役立つ料理教室や写真教室(旅行先で役立つ)などで、実際に今の生活をより良くするスキルは即時活用できます。
やはり、サラリーマン的な発想で将来性を求めるよりリタイアの発想は即時性が大事だと思うようになり、考え方の時間軸を変えていくと、やがて「今を大切に生きる」というのがしっくりくるようになってきた気がします。
新しい夢や願望を育てるため(柔軟性)
3つ目が「新しい夢や願望」という未知なるものに出会う柔軟性です。
確固たる目標を持って達成度合いや時間軸まで入れてしまうと最短で効率に達成するかもしれませんが、その犠牲として目標やその上位の夢について固定化されます。
でも案外、夢だって人生の経験や能力の限界で形を変えるのは若年期も老齢期も一緒です。
例えば若い頃の夢が「プロ野球選手になる」だった人が年齢を重ねるうちに「若い世代を育てるスポーツコーチになる」など夢を進化させることもあります。
なので今は夢というかやりたいこととして「〇〇にプチ移住する」というのももしかしたら「東京と〇〇で2拠点生活をする」というように変化することもあります。
FIREをして時間的自由と人生経験を持った今は、今を大切に生きる延長戦で夢の形がどう変わろうが、おそらく対応できると思うのです。
なので目標や夢にはもっと変化する柔軟性を持たせるためにも「〇〇年後に〇〇を準備してプチ移住に備える」といった具体的な目標も持たず、「〇〇にプチ移住」という夢そのものも変化をできるよう緩く持たすことで、自分の新しい欲望や好きなことに気が付いて恐れず進んでいくようにしたいのです。
終わりに
以上、あえて「目標を持たない」という生き方を習慣として、サラリーマンの頃のような「夢に時間軸や実現レベルの段階目標を定める」なんて習慣を塗り替えています。
今の仮説は、
・確固たる目標を持つのが良いというサラリーマン的な思考や習慣を捨てることで、今の「好きだ」とか「楽しい」という自分の感性や直感により敏感になるだろう、
・そうした「好きだ」とか「楽しい」という欲求に素直になれば、必ず自分の居心地の良い毎日を送れる状態を作れるだろう、
・その結果、人生がどのような方向にどう広がっていくか、その可能性や柔軟性で「おもしろそうな将来があるかもしれない」というワクワクした気持ちが高まる、
というものです。
もちろん、目標を持つことで人生に方向性が生まれ、モチベーションが維持されたり達成感や成長の実感、あるいは目標に基づいた優先順位を判断したりできる側面も否定しません。
でもリタイアした今はあえてサラリーマンとは対極の方向になるべく自分の思考や習慣を振り切って、仮説を検証しながらいずれバランスを取っていこうとは思っています。
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