アーリーリタイアから1年半。大きな矛盾が1つ解決されました。
それは「経済的自由を求めてFIREしたのに、投資だお金だ!と精神的不自由になっていた」というものです。
不自由とは、
・リタイアして得た自由時間を「お金をもっと増やそう」と投資に費やすこと(時間の使い方)
・投資をすることで評価額やら相場やらがいつも気になること(お金にとらわれる)
・完全リタイアで給与収入が無くなり「資産を取り崩す」というこれまでと違った「軸」で生活することの居心地の悪さ(心理的ストレス)
といったことです。
そうした不自由が自由を阻み「心穏やかに楽しくFIRE生活を送る」という目標を遠ざけていました。
今回、これをいかに解決しながらいまの「平穏で楽しく自分らしいセカンドライフを送る」という状態になったか、その1年半の道筋を振り返ってみます。
解決のアプローチ
リタイア前には慎重にFIREシュミレーションをして「生涯、現預金が底をつくこともないだろう」という算段はありました。
でもそれは理論上のことです。
リタイア生活では、やはり資産を取り崩す日々、減りゆく資産という現実の前に、どこか軽いストレスがありました。
そのストレスのためにリタイアしてからしばらくは「もっとお金を増やそう」と短絡的に対処し、その結果「投資でリタイア生活が忙しくなる」という本末転倒になりました。
こういった、問題が構造レベルの場合は、やはり本質的(ストラテジック)な解決と、実行的(タクティカル)な解決のサンドイッチで封じ込むのが鉄則です。
そして、実は先日の記事で、すでに前者(本質的でストラテジックな解決)の概要は触れています。
本質的でストラテジック(戦略的)というのは、つまりは「お金との向き合い方」という「そもそもどう生きるか」といった哲学めいた?ものです。
そして今回は、後者の実行的でタクティカル(戦術的)な解決方法のことで、1年半の経緯を以下に記録しておきます。
なお、やや小手先かもしれませんが、やったことは「ほったらかしの資産運用にする」というのと、それを可能にする「資産の見える化(透明性)」や「コントロール」というものです。
そうした資産運用や資産管理の内容が中心になります。
早期リタイア後の資産運用と資産管理の変化
FIRE直後からの投資戦略と資産管理の変化を総括すると以下の通りです。
FIRE以降の3つの変遷として、①FIRE直後、②1年経過まで、③1年経過以降、と分けています。
FIRE直後(①)は、結構、積極的に投資に力を注いでいました。それゆえ資産管理は手を抜き、リタイア前と同様、月次での資産総額管理だけです。
その後、最初の1年経過(②)は、投資に力を注ぎ過ぎ、日々の時間が無くなるという矛盾を感じ、その解決のため「理想的な資産構成」とするよう資産の組み換えや調整投資をした時期です。
そしてリタイアから1年も過ぎる頃は(③)すっかり「ほったらかし投資・資産運用」をできるようになりました。
という変化を少し細かくみていきます。
FIRE直後の投資と資産管理の変化
会社を辞めた2022年3月末は、コロナ禍からの回復の兆しもでてきました。
それゆえ、リタイアした直後はその自由時間を積極的に使い、この回復で成長するであろう投資に力を注いでいました。
FIRE生活ではプチ移住も視野に入れていたので、興味のあった沖縄やアジア諸国など、あらためて投資やプチ移住の視点で見に行きました。
不動産を購入して実際に住み、その後、また東京に戻る時に賃貸にまわす、といった作戦で動いていました。
また、東南アジアは不動産に加え、現地の経済成長性や通貨安定性も鑑み、現地通貨で資産を保有して国際分散(通貨別配分)をさらに進めることも考えました。
数カ月があっという間でしたが、結局、あれこれ検討した結果、タイへの投資を進めました。
リタイアから1年経過までの投資・資産管理
リタイアから数カ月も経つと海外投資も落ち着き、一方で相変わらず現金ポジションで持っているものをどう投資に回すかあれこれ動き出しました。
するとせっかくのリタイアした自由時間が投資関連の仕事をしているかの感覚で過ぎました。
投資の情報収集をしたり、評価額やら相場やらを頻繁にみたり、時間的にも心理的にもお金に囚われている気がしました。
その根底には資産を取り崩す状況を均衡しようという「不安解消とお金への欲」もありました。
でもなぜアーリーリタイアをしたのか、その本来の目的を考えると、もっと親孝行やお世話になった人との交流、自分として新たにやりたいことなど、お金以外のやるべきことが残っています。
お金か人生か、なんてバランスを考え出した時期です。
サラリーマン脳の「とにかく効率的に儲け続ける」みたいは発想は捨て去って、「保有資産をそのまま放置していても安心していられる資産配分にして放置しよう」と考えるようになりました。
放置しても経済不況への耐性が強くて安心で、かといって普通預金で持つよりはるかに良い利回り(ターゲット2%程度でしたが)となるバランス取れた資産配分にすることです。
これまで投資は目先の「いける」というものを個々追いかけてきただけで、あまり「資産構成の理想」という状態を目指していませんでした。
それゆえ以下の比率を理想として持って、資産の組み換え調整の投資をしました。
通貨別比率
(基軸通貨:先進国通貨:成長国通貨)=(円:ドル/ポンド:バーツ」=5:3:2
種別比率(安全性)
(元本保証率:元本保証外)=7:3
リスク別比率
(安全資産:低リスク資産:高リスク資産)=4:3:3
クラス別
(現預金円ベース:社債等円ベース:現預金外貨ベース:社債等外貨ベース:株式円ベース:不動産バーツベース)が適正と見えること。
リタイア1年経過後からの資産運用・資産管理について
そして1年を経過する頃からは、理想となる資産構成となり、放置していても安心できる状態(言い換えると、これ以上、投資をして組み替える必要もない)となりました。
それゆえ、
・投資(個々の売買)は断捨離、
・資産管理は月次分析の「見える化」、
・これらによる「ほったらかし資産運用」
の実現です。
まだ、資産管理を手間暇かけずにやる「自動化」や、ほったらかし資産運用も数値変化が閾値を超えたら通知される「検知」は課題がありますが、そこに手を入れている日々です。
こんな着地点になるのはリタイア時は想定外でした。
でも、時間的・心理的にお金に囚われたり、資産を取り崩して生活するという軸のストレスが解消されたのは、、こうした
①資産の透明性、
②資産のコントロール、
③(自分が納得する状態に)資産運用を放置し委ねる、
ということでした。
リタイア当初のサラリーマン脳の延長で持っていた「いかにお金を効率的に増やすか」がなくなって、もっと大事なものにいかにお金を使うかといった興味へと変わりました。
お金以外の大事なものを考えることで、ブログの方向性もテーマをかえましたし、「自分は何者か?」というアイデンティティーもできたと思います。
アイデンティティーとは、会社は「自分の役割や肩書を演じていた」ので、それがFIREによってお金以外の新しい価値観や感性、人柄や生き方を前提にして、以前記事にしたFIRE名刺も作った次第です。
終わりに
資産管理などの詳細は、もしかしたら別途記事にします。
管理系は、投資とはまた違って、実はそれはそれで奥深いものです。
資産配分は前述の通りですが、これはとても表面的なもので、裏には「人生設計」みたいなものもあります。
また、いろいろ数値化したデータを自分では持っています。
例えば、
(普通に生活した生活費:めいっぱいやりたいことをやった生活費)=100:114
といった、自分の生きかたの選択肢で、どれぐらいの経済的な振れ幅があるかを数値化したりもその1つですし、いろいろと数値分析もしました。
ブログを書くルーティンで、サラリーマン脳を断捨離しながら、FIRE生活の言語化や数値化が進んで、きちんと前進し変化している感はあります。
ですが1つ解けない大きな問題があります。
「人間(資産も)成長していくほうがいい」というなかで、お金を使う(価値ある経験や思い出、体験、感謝のお返しに変換する)のは良いとして、そうしたお金を「コストとして使う」感覚から「投資として使う感覚」に変えたいのです。
でもそれがなかなかできないのです。
減るものは減りますからね~。
もしお金を「投資として使う感覚を自在に実感できる」ようになれば、それが僕にとってDieWithZeroの回答(自分で回答をみつけてから読もうと思っている本ですが)になるのだと、一応、仮説を持っています。
*僕は資産をゼロにするのが目標でも目的でもありませんが・・本のコンセプトはお金を価値あるものに使うという実践本だとは思っています。
仮説はあれど実行解がありません。それを検討中です。
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