会社での経験でリタイア後にも役立つものがあります。
その6つ目にあげるのが個性(=アイデンティティー)です。
一般にリタイア後は、会社での肩書や居場所がなくなることで、個性を喪失すること、つまりアイデンティティロス(喪失感)が起こりやすいと言われています。
喪失感が起こるのは、サラリーマン時代、会社に飼いならされて自分を失ったり、肩書に踊らされてしまったりで、本来もった個性を発揮できない環境が生み出すのも要因です。
ですが、本来は「会社」という多様な個性が共存する環境ならば、仕事において「他人と被らない自分の立ち位置を作ることで個性(=アイデンティティ)を培える」と思っています。
ということで、今回はサラリーマン経験の「個性」について綴ります。
会社生活と個性の関係
もともと日本は個性が育ちにくいとは思いますし、それは義務教育の問題が大きいと思っています。
義務教育は、得意な科目の点数を伸ばすより、不得意な科目の点数を底上げし、それによって全科目の総合得点を上げようといった平均化の指導が主流です。
ですが義務教育が終われば、大学でも専門性を高めたり、会社生活では強みを活かして成果を出すようにするなど、「個性」を発揮する時代になります。
大学などで好きな専門分野を勉強するように、仕事においても「人と被らないで、自分にしかできないこと」を意識して追及していけば、本来は自分の個性は発揮されるはずです。
会社に個性を潰されるケース
とはいえ、必ずしも個性が歓迎されたり活かされたりするとは限らないのも仕事です。
1つは、他人の個性が活かすことをしない上司もいることです。
そんな上司は個人のスキルや個性は軽視し、作業レベルで仕事を振っていくようなタイプです。
もう1つは「目立つことをすると足を引っ張る」というマイナス文化な組織風土などです。
会社では個性を育んだり発揮するには、自分のコントロールの範囲から外側の環境条件にも左右されます。
会社ではとにかく「演じること」も大事
そうした個性を発揮するうえではハズレの会社環境にあたっても対抗する方法はあります。
ワークライフバランスも認められる時代なのでなおさら、職場で求められるキャラや役割は淡々と演じ、自分の生活のなかで個性を大切にしていくことでも防御できます。
社会や会社、仕事に対して過剰な期待をしたり、勝手な理想を描き過ぎて、全ての自分の時間を悶々と過ごして抑圧したりせず、自分らしさを大切にする時間を持つことで、個性は保持していけるとは思います。
実際、僕自身も長い会社生活のなかでは、そんな時期もありました。上司もいずれ異動しますからね。
終わりに
会社は多様な価値観・考え方・スキルが集まる集団のなかで、人と被らないことを求めたり、あるいは会社が求めることに染まらずにいることで、ある程度の「個性」ができあがると思います。
個性は、リタイアをしたら急にできるものでもありません。
会社生活で原型を作っていき、リタイア生活で「サラリーマン脳」を削ぎ落とし、結果的にそこに現れた形が個性として完成する。
そんな彫刻の芸術作品を作るようなステップとしてサラリーマン時代も大事だと思います。
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