僕は完全リタイアをして給与がゼロになりました。
一方で生活水準は落とさない主義なので、現預金を取り崩す日々を送っています。
そんな生活で「お金が減りゆくストレス」を感じますが、これはリタイア前から机上のシュミレーションでわかっていた事実です。
わかっていながら、目の前で「お金が減りゆく」をリアルに経験すると、なんだかんだストレスに感じ、それを1年越しで取り組んでいる厄介な状況です。
なお「お金が減りゆくストレスは3つの要因がある」と以前の記事で書きました。
今日はその後の解決状況について綴ります。
お金が減りゆくストレスを因数分解すると3つ
「お金が減りゆくストレス」を因数分解すると「不安、未練、恐怖」の3つになります。
「不安」は「お金がどれぐらい減るのか、いつ時点でどれぐらいの残高となるか」といった先行きの不透明さや不確実さのことです。
それゆえ徹底した資産管理や収支管理で資産やお金の流れを「透明化」したり、リタイア前に実施した収支シュミレーションはリタイア後の生活費の実績値を使って再計算し、その精度を上げることで「不確実性」を取り除くなどで不安も解消できました。
そして「未練」というのは「資産をより増やしたい」というお金を増やすことへのこだわりです。
これは「お金を増やすために時間を使うより自分のために時間を使おう」と思考を方向転換し、実際には投資を断捨離することで(ほったらかし資産運用に切り替えて)未練は消失しました。
ただ、最後の「恐怖」を克服するのはとても厄介です。(*恐怖といっても、恐れおののくというよりじわじわと減っていく静かな怖さというものです)。
という3つのストレスについて、今年(2023年)7月11日時点の記事で記載していますが、この時点でも「恐怖」は未解決でした。
「現預金が減る」から「いかに使うか」へ転換
あれから3か月が過ぎるなか、僕はある仮説を考えて恐怖心の克服を実行しました。
それは「恐怖を克服するには”お金を使う器量”が必要で、その器量はお金を上手に使う習慣無くして育たない」という仮説です。
つまり、脳のレベルで理解解決しようとしても無理で、習慣によって心のキャパを育てないとだめだろうという仮説です。
それゆえ思い切って「お金を正しく使いまくる!」という荒療治をしました。
それを実践したのが「親孝行のための家族ハワイ旅行」です。
亡くなった弟の娘(中学生の姪っ子)もいます。
家族ハワイ旅行で得たこと
僕の旅行スタイルはわりと倹約志向です。
ですがこのハワイ旅行は特別です。
僕にとっては、最初で最後となってしまう親孝行としての海外旅行です。
それゆえお金の制約は一旦横に置き「何をすると母親が喜ぶか?」をとことん突き詰め、計画を練りました。
出てきた答えは
・ビジネスクラスに乗る
→プライベートの海外旅行でビジネスクラスは初です。やはり年老いた母親には無理なく移動してもらうのがベストです。
・5つ星ホテルのスイートルームに泊まる
→老齢でさほど外出時間も多くないとの想定で、より多く過ごす部屋において「ハワイを感じられる」という眺望あるスイートルームに滞在しました。
その結果、成田発の夜行便でしたが、母親はハワイ到着後も元気に過ごせたのは大きかったです。
そしてスイートルームのバルコニーで何時間も過ごし「若いころ初めて来た海外がハワイだった。こんなに綺麗だとは知らなかった。」と喜んで景色を楽しんだり、時折やってきた鳥を写したり、また部屋からみた花火も忘れずにいると思います。
タイミング的には、何かとインフレや円安で「ハワイの物価はバカ高い!」と話題になっていた真っ最中のことだったのですが、決行して良かったと思います。
終わりに
リタイア生活では「お金を有効に使う」がとても大きなテーマだと思います。
それを邪魔するのがリタイア前の「目標額までお金を貯めるぞ」というマインドです。
なにしろ長年「お金を貯める」を目標にし、お金の価値を過大評価しているリタイア前の思考や習慣を、リタイア後に突如「お金を使う」と切り替えるのは簡単ではありません。
なので1年がかりで「不安、未練、恐怖」を克服し、そのうえで「お金を有効に使う」という行動を重ねて習慣をも変えるようにしてみました。
ハワイ旅行は荒療治としてはとても良かったと思います。
自分にお金を使うだけではどこか「もったいない、自分が我慢すれば」と思いますが、母親の人生で最後の海外旅行ともなれば、何よりも素晴らしい思い出としたいと必死になります。
きっとその思い出も、いつか天に召されるときに思い出して「生きていて良かった」となるなら僕にとってはプライスレスの価値です。
もはや「お金が減るストレス」なんて自分の女々しさの克服というより、「お金を使う」という新しい価値観に目が覚めた気さえする体験でした。
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