リタイア前の想定とリタイア後の実感で違いがあった1つが「自由がどこから来るか」です。
リタイア前は「有り余る時間」や「好きなことを存分にできる」が自由を感じさせる源泉と思っていました。
ですがリタイア生活を送りだすと「評価が無いこと」こそ自由の源泉と思うようになりました。
というのは、いくら「有り余る時間」があっても「好きなこと」を存分にしても、会社員時代のように「評価対象」として縛られている日々を送る限り完全なる自由を感じられないからです。
今日はそんな「評価のない日々の自由」について綴ります。
評価制度が自由を奪う構造
会社では個人の成果を公平かつ正当に評価するために「評価制度」が必要です。
評価制度によって、目標達成に応じた報酬として給与アップや昇給が決まります。
ただ、そうした評価制度を運用するのも人間です。
客観的指標で評価を試みても、評価者の主観が入って運用する以上、公平かつ正当な評価には限界があります。
それゆえ、良い評価を得るために、無理な犠牲を払ったり、無駄な人間関係に時間を費やすことを余儀なくされます。
こうして、評価制度が自由を疎外するという弊害が生まれます。
リタイア生活で感じる自由とは
評価制度のないリタイア生活では「本当の自由」を感じます。
本当の自由か否かは「鳥籠の中か外か」という違いです。
会社員時代、たとえ仕事のスケジュールや仕事の進め方を自分で決められる裁量があっても、全ては「会社の目標を達成する」に紐づいています。
つまり会社という「鳥篭の中での自由」でしかありません。
一方でリタイア生活は鳥篭から表に出るようなものです。
リタイア生活では他者(会社)から強制される目標も無く、自分で自由に目標設定ができ、また自己評価がでるからです。
そんな自分軸で目標も自己評価もできる自由裁量こそリタイア後の自由の源泉と思います。
自己評価のメリットとデメリット
そんな完全自由なるリタイア生活での「自己評価」は、メリットとデメリットがあります。
メリットとしては、
・自分に重要で必要なことを目標にできる
・その達成レベルやペースも自分次第
・他者と比較する必要がない
といった、自分軸で組み立てられることに集約されます。
一方でデメリットは、
・自分よがりになるリスクがある
・客観的な助言が不足し自分に甘くなる
・他者からのフィードバック(承認)はない
となります。
評価のないリタイア生活での留意点
こうしたリタイア生活で、会社であったような「他者評価」や「改善指摘」などもないゆえ「無法なる自由」に浸りすぎると危険です。
怠惰や惰性が生じて、建設的で主体的な日々を過ごすにはマイナスです。
それゆえデメリットへの対策が大事です。
僕の場合、例えば、
・自分よがりになるリスクがある
→自分が好きなこと、やりたいことには、他者への恩返しや感謝なども含めて、自分だけにエネルギーを向けないようにする
・客観的な助言が不足し自分に甘くなる
→自立や自律に欠けた怠惰な日々とならないよう、心身ともに健康で前向きな習慣を作る
・他者からのフィードバック(承認)はない
→自分が大事にする人から感謝されていれば十分
終わりに
リタイアによって会社から受けていた「評価」の枠組みから解放されると、「鳥籠」から出て完全自由となります。
ただし会社をリタイアしても「他者からの評価や承認」が不足していて、それを求めだすと、会社に代わって自分で自分を縛って「別の鳥籠」に入ることになります。
なので自分の存在価値を健全に認めてあげる自己評価ができたうえで会社をリタイアすることで、会社の評価制度なり歪んだ自己評価なりのトラップにかからず、「本当の自由」に到達できると思っています。
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