たとえ仲良いサラリーマンの友人から「FIRE後、会社員人生を振り返るとどう思う?」と聞かれても、僕が頭に描いているその「映像」をリアルに説明するのは躊躇します。
会社員時代は「会社員人生とはゼロメートルから山頂を目指して登ることだ」と思っていました。
ですがFIRE後は「会社員人生は谷底から高みを目指して登っていた」というエグい映像がよりピンと来るようになってきました。
今日はそんな「谷底からの登山」と思えてしまう感覚を綴ります。
会社員人生は「登る」が基本
会社員の時は高みを目指して絶えず登ることを求められていた気がします。
高みというのは人によってさまざまで、より高い地位であったり、より大きな成功であったり、より高度なスキル獲得といったものです。
もちろん目指す度合いも目指し方も人によりさまざまですが、会社という環境では「登ること」を強いるプレッシャーは常時オンの状態だと思います。
ちなみに僕はFIRE後、新たな資格取得に取り組みました。
でもそれは自分の見聞や知識の「幅を広げたい」といった横への動きです。
サラリーマンの頃にあった「上」を意識した感覚は今はまるでありません。
平地からではなく谷底から這い上がる
そんな会社員時代の「高みをめざす登山」をいまのリタイア後から振り返ると、それは平地からの登山というより「谷底からの登山」に思えます。
FIREをして完全リタイア環境になると、自分がやりたいことや好きなことをやる日々は特別なものでは無く「人間として生まれてきて当たり前の日々」と思えるからです。
小学生の3年生頃から6年生の頃、受験も意識せず、日々、楽しいことをひたすら全力でやり続けていた頃の感覚に戻った気がします。
その後、受験勉強を始めたときから深い谷に突き落とされ「自分の力で高みを目指せ」となった気がします。
獅子は子を生むと、その子を深い谷に投げ落とし、よじ登って来た強い子だけを育てるという言い伝えがありますからね。
そんな獅子の子のごとく、受験勉強からより「高み」へ這い登るのが良しとする価値観を植え付けられ、谷底からレールを歩み続けた気がします。
FIREが頂上でもない
なお、FIREをしたことが偉いとか山頂だとか、そういったことではありません。
リタイア人生はひたすら地平線まで平原が続く大地の真ん中に暮らすようなもので、その高度(高みにいるのか、そうでもないのか)なんてことは自分の大地の中では意識もしなければ関係ありません。
ひたすら平らな世界だからです。
せいぜい、この広くて平らな世界を隅々歩き回ろうと、前述のFIRE後の資格取得もそうですが、上を目指してではなく、幅を広げるために、資格や知識、経験をしたいという感覚ではあります。
終わりに
会社員時代の谷底からの登山が悪いものではありません。
景観の変化や起伏に富んだ、登山好きにはたまらない楽しさや独特の経験ができるからです。
実際、僕もそのなかにいたときは、登山は辛いながらもその変化を楽しんだと思います。
会社員時代は「現状に満足することを”悪”」とし、より高みを目指すことを強いられていました。
いまのFIRE生活は「現状に満足する生き方を”善”とし、より広さをもって楽しめる気がします。
山岳地帯か平原か。
それぞれの環境ならではの良さや楽しみ方があるので、「要領の良い生き方」とは地上の両方の世界を味わえる能力だと思います。
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