僕がアーリーリタイアする前に勤めていた会社では50代になると「セカンドライフセミナー」なる講習を受けます。
そのセミナーは2部制で、1部は退職関連の制度説明(退職手当、公的年金、企業年金等)とこれに基づく老後生活の財務設計のポイント、2部が外部専門家によるセカンドライフへの助言です。
ですがこれは「あなたはもう終わり」と会社から言われていると受け取れる内容のセミナーですしこれを受ける社員の反応は複雑でした。
今日は僕がリタイア前に経験したそんな人事部主催のセミナーとその参加者の反応について驚いたことを綴りたいと思います。
セミナーの概要
このセミナーはものすごくよくできていて、いわゆるFIRE界隈でも「手順」やら「ノウハウ」として語られている内容が満載でした。
老後生活に必要な生活費、そこから老後の収入源となる年金や退職一時金などの制度、受給タイミングをもとにした資金繰りの説明といったところです。
そしてセカンドライフの生き方編では、自分自身の価値観を見つめ直し(仕事での経験やら自分がやりがいを感じたこと等)そうした価値観をもとに老後には「やり残したこと」をチャレンジしましょう・・といった内容が中心です。
その一部には、いわゆる定年後の再雇用や外部企業への斡旋に関するキャリアプランがカバーされます。
グループを組まされて討議をした
そんなセミナーの後半、4名1組のグループワークとしてお互いに自分の思いを語り合うという強烈なセッションがありました。
そこでは4名中2人(僕を含む)は既にリタイア後のセカンドライフイメージをわりと具体的に話すことができています。
ですが残る2名は財務的なやりくりについてショックを受けたことや、そこから「リタイアしても働かないとやっていけない」といったことなどを口にしていました。
正直なる驚き
そんな不安げに話している2名ですが、参加リストをみるとそれなりの役職です。
しかもブラック企業ではなくホワイトな上場企業なわけで、給与だって業界平均は貰っているはずです。
それにもかかわらず、これまでの人生でお金について考えてきていないし、今後の人生もお金の手当ができていないって本当なのか?フェイクで演技中なのか?って思ったほどです。
よくライフプラナーの記事で「これだけしか資産がないが老後をやっていけるか」といった相談がありますが、あの世界をリアルに目の前で見てしまったという感じです。
仕事上の立場であり能力は十分なのに、自分の人生には無計画というギャップに驚いたのです。
会社側の意図
こうしたセミナーは社員に対して「50歳から心構えを持って早く対処していきましょう」という目的でやっています。
ですがこれは「もうあなたたちは会社から出ていくので今後のことは自分で考えてやってくださいね」といったメッセージとも受け止められます。
FIRE志向を持って、早い段階から財務的にも生活的にも計画をしていた僕にとっては「おさらい」の内容ですし、こんな日が来るのは想定内ゆえメッセージに脅威はありません。
一方で、自分の資金繰り次第で「終了宣告」と深刻に受け止めて帰る人もいて、まさに酷なセミナーだったと思います。
終わりに
いま、こうして僕のこの記事を読んでいただけている方は、FIRE志向であったりFIRE者であったりで、きっと財務状況からリタイア以降の計画もしっかり考えている方だと思います。
でも世の中、会社にどっぷり依存してきた人ほど「忠誠をつくしてきたが最後はこんな仕打ちをするのか」といった会社生活エンディングに、不幸ながら、なってしまうわけです。
そんな人生を垣間みながら思ったのは・・
人生って自分のものです。会社に依存せず自己防衛することが何より大事です。
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