確定申告の時期ゆえ、昨今の円安で外貨預金等で利確をした人が注意すべき問題を取り上げます。
なにしろ2023年のドル円レートは年初130円から150円へと15%上昇し、いまも150円近辺まで円安が進んでいます。
昨年中、米ドル等、日本国内の外貨預金で利確をした人は今年の確定申告で要注意です。
「利息で源泉税を払ったから大丈夫!」と株の譲渡益と同じ理解でいると確定申告で申告漏れとなって大変です。
ただ、為替差益はサラリーマンよりもFIRE民に少し優しい制度でもあります。
ということで、今日はこの円安恩恵の申告リスクと、僕のようなFIRE民にとってのちょっとした節税について綴ります。
外貨預金での利益について
円安で恩恵を受けるケースで気を付けるのは外貨預金です。
外貨預金の場合、利息と為替損益は違うのでここにまず注意です。
利息
外貨預金で受取る利息に対する税率はいわゆる源泉税で、一律20.315%です。源泉分離課税なので確定申告は不要です。為替差益
為替差益とは、外貨預金をする際の外貨取得時のレートから売却時のレートで得られる差額利益です。なので、外貨を保有している間に利息で得るものとはまた別となります。
これは「雑所得(総合課税)」として課税されます。
ここがFIRE民とサラリーマンでまた差が出る点です。
ちなみに為替差益とは以下の計算です。
<計算例>
外貨預金(米ドル)で1万ドル相当(日本円135万円)を預け入れた場合、手数料込みで以下のレートだとします。
預入時の為替レート:1ドル=135円
利確時の為替レート:1ドル=150円
預入時の米ドル:=1万米ドル
利確時の日本円:1万米ドル×15円(米ドル→日本円)=15万円=為替差益
為替差益による確定申告の必要有無
外貨預金の為替差益は雑所得(課税方式は総合課税です)なので、原則として確定申告が必要ですが、不要となるケースもあります。
そこがサラリーマンとFIRE民でハードルが違うところです。
ちなみに、確定申告が不要となるのは、為替差損がある場合や、以下のケースです。
・年収2,000万円以下の会社員で給与を1カ所から受けていて、かつ、給与のすべてが源泉徴収の対象となる場合において、給与所得・退職所得以外の所得(FX取引で得た利益を含む)の合計額が20万円以下の場合
・自営業者やフリーランス、無職などで、年間の所得の合計額が48万円以下(基礎控除額)の場合
FIRE民(あるいはサラリーマンとしても)節税の注意点
FIRE無職生活の僕は、サラリーマンの頃の20万円から48万円までアップしています。
「48万円だから増えた!」と喜んでばかりはいられません。
FIRE民でいくと、ブログ収入等の他の「雑所得」として計上しているものがある場合、その雑所得の「内部通算」がされます。
つまり、FIRE民のブログ収入が例え少額の黒字でも合算して48万円の枠を超えれば課税されます(赤字ならそれはそれで枠が増えますが・・)。
さらには、住民税としての申告も必要なので要注意です。
仮に「住民税非課税」として昨今、給付金を得たFIRE民は、今後、給付金が同じ条件で付与する機会があっても、「住民税非課税世帯」等の該当から外れて受給できない制限が出ることもありえます。
また、住民税は国民健康保険の減額率(7割~2割)に影響します。(*居住地で異なりますが僕の場合は43万円以下なら7割減の適用です)
こうした課税や社会保険との兼ね合いを踏まえて「賢く、売買する量を枠の範囲で取り決める」といったことが大事です。
また、円転をしても同日中に外貨建ての別の商品の買い付けで節税対処する方法から、更にはドルを特定の銀行に預けてドル建て口座から直接デビットカードで外貨で使う方法等、僕は幾つかバリエーションをもって対処しています。
この辺りはまた奥が深いのでいずれ。
終わりに
株式のように分離課税でさくっと税金を納めて終了となる投資とは違って、外貨ベースでの運用は何かと出口戦略が大事だったりします。
今も円安がまだ続いていてそろそろ利確をと考えている人は、来年の確定申告を思い浮かべて、その出口に向けて適切な判断をすることに越したことはありません。
年齢や家族構成や居住地等でその税務インパクトが違うので気になる方は確定申告前に対処しましょう(確定申告の修正は法定申告期限から5年前まで更生をかけることもできます)。
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