2023年11月の円安(1ドル151円80銭)をピークに潮目が変わって、多少の調整相場がありながらも円高に向かいつつある気がします。
金融資産の50%を外貨で運用する僕にとって「円高」は資産評価額を下げる大きな要因です。
仮に150円/ドルが100円/ドルになれば金融資産が20%〜30%減るインパクトです。
ただ実のところ、こうした為替リスクはさほど気に留めていません。
究極の理由は為替は8年周期でまた戻ってくると思うからです。
今日はその為替リスクへの向き合い方について綴ります。
為替リスクとは
リスクは「悪いもの」と考えがちですが、そもそもリスクがあるからリターンがあります。
為替リスクは為替レートの変動(価格が上がったり下がったりする)の振れ幅で生じる損益です。
仮に1ドル150円の時に1万ドルを買うには150万円の投資が必要です。
それを円高(1ドル100円)の時に1万ドルを円転すると100万円となり50万円の損失です。
逆んい円安(1ドル170円)の時に1万ドルを円転すると170万円となり20万円の為替益です。
というのが教科書通りの説明ですが、僕はこの考え方をしていません。
僕の為替リスクの向き合い方
短期保有だと為替の振れ幅で「円高で損」とか「円安で含み益が増える」と為替変動に一喜一憂しがちです。
ですが僕は長期保有が前提ですし、外貨は円建資産だけに頼らないリスク分散がそもそもの狙いです。
なので為替変動は一旦忘れ「ドルは分散のため保有し、そのドルの世界で上手に増やそう」といった「ドル資産という投資グループ」として独立運用しています。
そもそも「外貨は円に戻すもの」という先入観は捨てていますし、まあでも「再び円安で差益を享受する機会は健康年齢のうちにまたくるだろう」と呑気に思っています。
これは「8年周期説(後述)」があるからです。
ドル円の8年周期について
ドル円には8年周期があると言われています。
ドル円相場の長期チャートで、円安の記録的な地点をプロットしたのが下図で、円安間隔がおよそ8年周期だとわかります。
この2023年11月がその「8年目」ということで、その通りになりつつあり、また次の円安サイクルは8年後に来るだろうと思っています。
ただ、果たして今後、この通り円高になるかは個人的には疑わしいとも感じています。
日米金利差が縮まることが円高要因ではある一方で、日本の国債発行残高が増えて財政は厳しいとか、じゃぶじゃぶの円で安くなりがちとか、海外機関投資家の中国マネーが日本に退避中(一時的)とか、日本の投資マネーは海外資産に向かいがち(新NISA等で投資信託買い付け)とか、どうも円安要因が多い気がしているからです。
なので円高に振れても100円を切ることはない気もしています。
とはいえ為替はわかりません。
想像以上に円高になって8年周期が崩れて16年とかになったらどうするか?
僕の健康年齢からいくと、次の円安タイミングで円転してある程度使い切る最後のタイミングかもしれません。
もし円高に振れて円安が来なければ、また気長に待てばいいので、その時に外貨が残っていれば相続にまわし、「円高で目減りした資産評価額」で相続税を安く済ませば良いわけです。
世代を超えて子供が円安時に使えば、僕としては為替で負けた気もしません。
外貨運用の方針
以上のように超長期で保有(相続に回す)もオプションにあるので、僕の外貨資産の運用方針は以下の形にしています。
・ドル預金で持っても日本円より金利が高いので基本有利
・円高局面では為替レート(評価損)とかは気にせず、ドルを豊富な投資ラインアップで運用してドルを増やしても良いし、また満期でもドルで受け取る
・どうせドルは長期保有も安心(米国経済の底力や自律的な回復力を信じられる)
・ドルの使い道も多い(通貨として流動性がある)
といったことがまずあります。
株の損失だと損切りか塩漬けかになりますが、ドルは何かと資産運用での使い勝手は良いもので、ドルのまま米国株や国債にも投資できます。
他にも、
・円安ならば海外発行のクレジットカードやデビットカードで日本国内の支払に充てる
・円高ならば1ドルは1ドルの価値で現地で消費する(円安で多額を海外で使わずそのまま保有する外貨で旅行やプチ移住で現地消費する)
と、経済状況の流れ次第で為替に無理に抵抗せず、資産を活かしきれるよう考えています。
途中、多くを円転してしまうとグローバル分散投資による資産の保全ができなくなるので、一定の割合(リタイア時の所有元本相当)は外貨ベースで継続して持って国際分散するつもりです。
終わりに
為替リスクは必ずありますし、円高だとどうするか、円安だどどうするかといった資産運用の手持ちカードを多く準備することがリスクヘッジだと思っています。
世界経済の20年後も為替変動も動きの読めないものなので、円安周期が僕の余命で来ないなら無理に勝ちにいかず次世代(相続)でも良いと、「楽観して呑気に構える」が最大の外貨建て資産に対する僕が行き着いた現時点の「答え」でありリスクヘッジです。
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