リタイアをしてから旅行回数が増え、それに応じてレンタカーを借りる機会も増えました。
レンタカーを借りる時に迷うのが「事故に対する任意保険(オプション)」の契約です。
任意保険はおよそ1日1000~3000円程度になりますが、果たして自分が個別に契約する必要があるか毎回悩みます。
そこで自分なりの「判断基準」と「対策」を持つようにしました。
結論としては、僕の場合、レンタカーを借りる9割は任意保険が不要です。
これは各社の契約時の内容チェックと運転時の事故リスクをもって個別判断した結果です。
今日はそんなレンタカーの任意保険についての僕の判断基準と対策を綴ります。
なお、およそ前提となる補償目安がこの表のとおりです。
レンタカーで任意保険に入らない理由(結論)
レンタカーの契約時に任意保険に入らないケースが多い理由は「任意保険で防御できるメリットが少ない」ということです。
具体的には、
①重大事故はそもそも基本契約でカバーされている
→ 表の”基本補償”に記載の補償が概ねレンタカーについてくる
②事故発生時の免責額(5万円程度の自己負担額)は、事故を起こしたら払えば良いと割り切っている、
→ 表の”1事故免責額(自己負担)”のところです
③任意保険でカバーされない諸条件(駐車中の盗難、電柱衝突などの自損)はより注意すれば良い
→ 後述の”任意保険でカバーされない注意点”の通り
④自分の車の保険での「他車運転特約」(*)でバックアップできている
*自分の車以外を運転している時に発生した事故に対し適用される特約
というものです。
各項目については、それぞれみていきます。
重大事故に対するレンタカーでの補償
レンタカーを借りる時に最も怖いのが死傷事故や車両破損等の大事故を起こすことです。
自分、同乗者、相手方への損害補償も心配ですし、レンタカーの車両や相手方車両、物の損害などの補償も気になります。
僕は以前「レンタカーは任意保険の契約に入らないとこうした重大事故の補償がつかない」と誤解していました。
実はそうではありません。
レンタカー事業者が自動車を貸し出す事業を行う際、管轄省庁による許可を得るために強制加入である「自賠責保険」だけでなく任意加入の自動車保険にも加入する義務があります。
なので、概ねレンタカー会社が貸し出す車両には大事故へのカバーは含まれていて、そのレベルはレンタカー会社でほぼ横ならびです。
ただ、格安レンタカーや大手の一部でも、その補償レベルが低い時があり、その際はレンタカーの契約時に任意保険を確認のうえ付け加えることをします。
*表の赤字で記載したような金額補償だった場合(例えば対人が無制限でなく8000万円など)
事故発生時の免責額やNOC
なお、事故発生時、そのレンタカー会社が加入している保険を利用する際は利用者による自己負担があります。
それが「免責額」や「NOC(ノンオペレーションチャージ)」というものです。
免責額
免責金額とは交通事故の損害について自己負担しなければならない金額のことです。
例えば、対物無制限の保険で免責金額5万円が設定されている場合、他人の車両に20万円の損害を与えてしまったケースでは、そのうちの5万円分を自己負担し、残りが保険でカバーされます。
NOC(ノンオペレーションチャージ)
また、交通事故によって修理が必要となりレンタカーが稼働できない場合、レンタカー会社は利益をあげられず逸失機会が生じます。
この休車損害をカバーするのがNOC(ノンオペレーションチャージ)です。
自走できる場合は2万円程度、自走できない場合は5万円程度の金額が設定されています。
そこでレンタカー会社の任意保険に入ると、この自己負担額(免責額)を0円にしてくれたり、NOCの自己負担も0円にしてくれたりします。
任意保険の加入判断(僕の場合)
こうした任意保険はあるに越したことはありませんが掛金は割高です。
それゆえ、自分の事故の発生確率を踏まえながら、そんな免責額やNOCを0円にすべきか、補償額の低い部分を任意保険で増加させるか等を考えます。
その結論は、僕にとっては割が合わない(400~500分の1の確率だから)というものです。
これまで20代からマイカーを保有し相当日数(のべ3000日~4000日)の運転履歴があります。
そのなかで大事故はなく、20万円未満の車両破損が3回、またパンクやエンジントラブル、カギ無くしでJAFを使ったのが4回程度です。
なので発生確率は400~500日の運転で1回程度です。
もし任意保険が1日1500円ならば、1回の事故に遭遇するまで約60万円をかけることになります。*1回の事故遭遇(400日x1500円=60万円)
仮に物に衝突し車両も破損すると5万(対物)+5万(車両)の合計10万円を自己負担し、そこからはみ出る部分はレンタカーの保険でカバーされます。同時にNOCの負担で5万円がかかれば合計の自己負担は15万円です。
つまり、確率的に60万円を支払って15万円を補填する確率ならば僕にとっては割はあいません。
任意保険が必要なリスクケース(自分の場合)
とはいえ確率なので、それを見越して「あえて任意保険に入る」という例外ケースを以下の通り運用しています。
・レンタカーで走行する場所が都心なり狭い道路が多く接触事故のリスクが大きいとき
・道路状態が悪くて飛び石、タイヤのパンクなどが懸念されるとき、
・天候が悪くて事故等の発生率が高い状況のとき
・レッカー移動で相当距離を走らないと修理センターに行けないような超田舎の場合
*レンタカー会社によって数十キロから180キロまで等の搬送が含まれる
・レンタカーの車両がとても古くて何らかの問題が起きそうな場合
→基本、車両の整備不良等の問題であれば利用者側の責任は問われませんが、そこをレンタカー会社と揉めるリスクがある場合は念のため入ることもあります
・駐車場所が治安に不安があったり酔っ払いなどにいたずらされる危険があるとき
→ただし駐車中は保険適用例外なので、任意保険というよりは滞在先ホテルを選ぶときにきちんと確認し、駐車場が変な場所にある場合は駐車を避けるようにしています
任意保険でカバーされない注意点
一方で、任意保険に入ったからといってカバーされないこともあるので注意が必要です。
代表的なものでいけば、
・運転中以外の事故(駐車中の盗難、当て逃げ、電柱等への衝突などの自爆事故)
・タイヤの損傷・パンクやホイールキャップの紛失
(*レンタカー会社によっては修理や新品交換などもカバーされる)
・海岸・河川敷または林間等車道以外を走行した場合
・操作ミスによる故障
・車内装備の損害
などです。
当然、運転者の重大な過失(スピード違反、信号無視等)、飲酒運転、シートベルト未着用、定員オーバー走行、契約書記載の運転手以外の事故などは例外ですし、個別にレンタカー会社の契約約款に条項違反していてもダメです。
また、事故発生時に警察の届出を怠ったり(事故証明を取得できない)、事故現場から営業所への連絡を怠ったり(営業時間外は翌朝連絡でも良いケースも)、相手と勝手に示談してもダメです。
こうした点に気を付けて、リスク見合いで入るようにしています。
他車運転特約
僕がマイカーに掛けている自動車保険に「他車運転特約」という条項があります。
これは自家用8種という通常のレンタカーを含む車の運転中に、僕が起こした事故に対しカバーできるものです。(他の運転手による事故には適用されません)
それでも、僕の自動車保険に含まれているロードサービス(JAF等)はレンタカーには使えなかったり、弁護士サポートもレンタカー運転事故には利用できない制約があります。
また、この特約を使うことで自分の保険の適用等級が下がり、翌年以降の自動車保険が高くなってしまうデメリットもあります。
なので、これは万が一の保険と考えていて、さほど流用することは期待していません。
終わりに
以上が僕が自分なりの「判断基準」と「対策」として運用しているものです。
これは僕にとっての独自ルールですが見落としている点もあるかもしれません。
レンタカーによる事故は大ごとなので、きちんと契約約款を確認のうえ本当にご自身で必要あるのか無いのかを考えてご判断いただければと思います。
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