世の中のサラリーマンは賃上げの恩恵を得ていますが、完全リタイア民の僕はそんな恩恵からは「つまはじき者」です。
ですが考えると、サラリーマンの賃上げに対抗できる「ある数値」があります。
それはリタイア民ならではの「資産所得からの利回り」です。
ということで自分の資産所得の利回り(*)を算定し、会社員の賃金上昇率に追いついているかを見てみました。
*2024年2月末時点の資産データをもとに過去1年の利回り計算です
資産クラス毎の利回り
今回は金融資産の利回り算定です。
計算は、
利回り=(配当金や利息等入金分+評価変動額)÷資産額(2023年2月末時点)
*評価変動額は2024年2月末の資産を基準に過去1年間前の評価上の変動額
その結果こうなりました。
安全資産(青)の利回り
安全資産は全体の42%と大きなウエイトです。
「円建預貯金」は普通預金と定期預金で、平均0.3%の金利(全体平均)となっています。
一部に0.5%の大口定期や0.1~0.2%の定期が混ざっています。
円建年金は企業年金のことで、これは1.5%の運用益を得ています。
全体としてみるとかなりショボい数値ですが、これは資産基盤の流動性を持つために必要不可欠なものです。
低リスク資産(橙色)の利回り
低リスク資産は32%となります。
これは外貨建て資産(ドル、ポンド)の運用分です。
定期預金から社債、保険など元本保証型が中心で利回りは12%と高くなっています。
このうち元本に対して年3%弱の利息や分配金のキャッシュ入金分が含まれていて、残りが為替益です。
為替はこの1年でドルが10%、ポンドが16%上昇したので、その上昇分の評価増が加算されています。
この低リスク資産の目的は、円建てで全資産を持たない(外貨で国際分散させる)という資産防衛なので、元本保証で長期運用しています。
今回は円安に助けられた部分であり、実力値としては3%弱と考えると今後も油断できません。
高リスク資産(赤)の利回り
高リスク資産は26%を占めています。
主に、株式、投資信託、コモディティですが、全体からみると比率は少な目です。
この部分は過去1年間で配当金と評価額増で8.7%の増加となりました。
海外不動産はまだ入金はこれからですが7%の見込です。
資産所得は約5.9%の利回り
この資産全体について平均化すると約5.9%の利回りとなります。
ちなみにサラリーマンの賃金上昇は2024年の春闘目標が5%で、企業によっては7%の上昇がありました。
そう考えると、完全リタイア民の5.9%の成績はほぼサラリーマンの賃上げ率と同等です。
これについて思うことは2点あります。
①資産がインフレに負けないことがやはり大事
物価上昇はサラリーマンも完全リタイア民も影響は一緒なので、サラリーマンの賃上げと同じくリタイア民の利回り確保は重要です。
という意味では、サラリーマンの賃金上昇率というより、インフレとの対比のが重要なのかもしれません。
結果として賃上げも利回りもインフレを上回わることが大切ですし、賃上げ率や利回りが5%水準というは恵まれているとはいえます。
②利回りは含み益を入れているので要注意
この利回り5.9%のうち、実際のキャッシュイン(利息、配当金、分配金)は2%程度でしかありません。この2%はインフレ率とほぼ同じです。
さらに言えば、サラリーマンはそのまま賃上げ分をキャッシュでもらえるので利確したも同然ですが、僕の場合は「評価額」での上昇分でしかなく利確させるまでどうなるかはわかりません。
なのでインフレ負けしていないというのは計算上の話でしかないのでこれで勝った気になるのは要注意です。
終わりに
昨今、賃上げのニュースが多い中で完全リタイア民の僕としては残念な思いばかりでしたが、こうして利回りをみれば少し安心です。(計算上ですが)
ただ、サラリーマンの場合は給与が下がるということはないとは思うので、そこが評価額で助けられた僕の場合とは大きな違いかとは思います。
評価額は経済状況で下がる可能性もあるからです。
インフレはリタイア民としてはかなり厄介で、インフレ分を節約するのは本末転倒ですし、同じサービスもインフレ分だけ損をして購買力が押し負ける感じもイヤな気がします。
賃上げのあったサラリーマンの方は「遅すぎだ!」ぐらいの感じかもしれませんが、こんなリタイア民の視点もご理解いただければ、その実質的な入金は有難く受け取れるのではないかと、思ったりします。
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