アーリーリタイア後の心境は、リタイア前の想像以上に変化に富んでいます。
僕の場合およそ2年で1.5サイクルの波がありました。
波というのは気分的な高まりや落ち込みの長期トレンド曲線のアップダウンで、実際は下図のような経緯を辿っています。
リタイア後は「気分高揚→*反省→新生活模索→*マンネリ→再出発」という大うねりで、うち2つの底辺(*)が「反省」と「マンネリ」です。
いまはちょうどマンネリ期を超えたあたりです。
今日はそんな心境変化の実態を綴ります。
アーリーリタイア後の心境変化(心境曲線)
心境変化を充実度(日々の張りあい)を基準にアップダウンを作ったのが心境曲線(波)です。
退職日
退職日は喜びよりも安堵感が一杯で、さほど気分高揚はありませんでした。
30年以上の会社員生活で、大きな問題も起こらず無事に退職した「安堵感」です。
きっとFIRE資産の目標額を達成し、直ちに辞める人は、退職日から「達成感x高揚感」でもって高い位置からのスタートかもしれません。
僕はFI(経済的自立)とRE(早期リタイア)が7年程度離れていたこともあり、図の通り、スタート地点がピークではありません。
リタイア直後の数カ月は「新鮮」
ですが、退職日以降は少しずつリタイア気分がやってきました。
会社員の頃にはやれなかった「寝たいだけ寝る」とか「昼飲み」や「平日旅行」などあれこれやりだす時期です。
制約もなく自由に何でもできる状態から高揚感が増して、そして羽目を外してしまいがちでした。
惰性・反省へ
そんな思うままの日々を送っていると少し罪悪感を持ち始めます。
昼飲みをして帰宅後に爆睡し起きたら夜中1時とか、無計画に欲求のまま過ごしていると「こんな自堕落でいいのか?」と、どこかのおサルさんなみにうなだれての反省です。
回復・模索(リタイア2か月後~1年後)
反省後は少し建設的に何かしようと変身願望が出てきました。
変身の基準はあえて「会社員の自分ならやらないこと(アーリーリタイアであるからこそやれること)」といった「会社員反抗期」です。
反抗期といってもサラリーマンの頃にできなかった「モヒカンにしてやるぞ・・」ではなく、仕事をしていたら「こんなの無駄だ」と「サラリーマン時代にはやらなかったこと」です。
例えば資格(夜景鑑定士等とか)、スキル(料理教室でイカを捌いたりとか・・)を取得したり、資産管理や運用を見直したり、家の中の書類等をデジタル化するなどです。
この頃からリタイア以降の心境や思考の変化を綴ろうとブログを始めました。
安定・統制期(リタイアから1年~1年半過ぎ)
引き続きサラリーマン脳を断捨離しながらセカンドライフを楽しく過ごす方法を実践していきました。
ブログに書いてきた通り、アーリーリタイアの賞味期限のうちにやりたいこと・やらなくてはいけないことを多々、取り組みました。
行動面では、母親への親孝行(最後の海外旅行等)、家系図作り、四国88か所お遍路制覇、JALダイアモンド会員維持のマイル修行、その他あちこち旅行も頻繁に行きました。
思考面では、お金との向き合い方(資産管理、資産運用、資産配分最適化、現預金比率の最適化等)や、個人的探求テーマの「経済的自由とは」やら「サラリーマンの呪縛や固定観念の取り払い方」、モチベーションテーマの「お金を目いっぱい使ってやりたいことがやり尽くせば幸せを感じるか」なんて人体実験もそうです。
一方で習慣として毎日ジムに行ったりして以前より健康になったと思います。
この頃、すっかり会社の制約や呪縛から解放され、仕事の夢をみることなく、そして高揚感が安定的に最も高い時期でした。
最近の心境変化-失速・回復途中
ところが2023年末あたりからマンネリ感が出てきました。
サラリーマンの頃にはしなかった深い「内観」という不慣れなこともやって半年~1年たつなかで少し飽きてしまったのが2023年12月(リタイアから1年9か月目)かもしれません。
そんな心境的な「失速」から出口を探してたどり着いたのが「自由投資予算」です。
これも実験として位置づけ、いまはこの自由投資予算を使って失速状態からリカバリー中という段階です。
終わりに
いったいこうした試行錯誤で何を達成しようとしているのか?
いまだに自分が最終的に何をやりたいかはわからず、とりあえず欲望のままやりたいことをやっているだけではあります。
あえて括れば会社員の頃の「自分のアイデンティティ」を壊して「セカンドライフのアイデンティティー」を作り直しているのだと思います。
でもアイデンティティ作りってかなりハードですし終着点があるとも限りません。
まあ結末を気にせず「とりあえず目先のセカンドライフをインジョイしよう」と「今」に集中するだけです。
ただ振り返ってみるとこの「うねり」が心臓の鼓動のような波形にみえます。
セカンドライフもサラリーマン人生も辿れば波形のアップダウンがあるわけで、そんな波形は人生の鼓動という生きた証か?なんて、たかが心境曲線に妙な哲学を感じる2年経過後だったりします。
実態は限りなく俗な日々の連続ですが・・。
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