ジョブ制度がセミリタイア者を量産する理由

2024-04-19

セミリタイア

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最近はジョブ制度を採用する日本の会社も増えています。

そのジョブ制度は欧米ではもう長い歴史がある雇用形態ですが、日本もだんだんと雇用流動化が進み、欧米みたいになるのだと感じます。

するとやはり「セミリタイア者は増える」と思います。

今回はその「ジョブ制度」とセミリタイア者が増える構造を綴ります。

ジョブ制度とは

ジョブ制度は欧米では一般的な雇用形態です。

仕事を「職務」として役割、責任、期待される成果や目標、勤務条件などを定義するものです。

職務記述書(=JobDescription)として明文化し、会社と労働者で取り交わすことも一般です。

企業のメリットは、必要な職務を必要な時に確保でき、不要になった場合には契約を終了できるのです。

従業員側のメリットは、職務記述書の内容をやるだけで良い(記載なければやらない)ので「会社都合で勝手に職務内容や条件を変えられない」となります。

この制度が欧米ではセミリタイア者を増やしていたのです。

なぜセミリタイアが増えるか

もう15年以上前ですが僕の職場でも実質的なセミリタイア者は結構いました。

なぜならその構造は単純で、個人事業主として限定された働き方をする人を採用するからです。

会社があるポジションを採用するとき、ジョブ制度にそって「正社員」か「個人(業務委託)」を採用します。

個人というのは個人事業主のことです。

法人経由で従業員をオンサイト(職場)に派遣してもらうのもありますがそれはレアで、やはり個人事業主との直接契約が多く、そんな彼らをコントラクター(Contractor)と呼びます。

コントラクターの給与ベースは社員より高いという会社のデメリットはありますが、それを上回るメリットが得られるケースがあります。

それは、

・職務記述書や委託契約に明記すれば1年更新もでき、必要な期間のみ採用できる、

・またフルタイムではなく週2日とか3日といった限定で職務を依頼しやすい

→彼らもリスクや制限を持つので労働単価でいけば正社員より高い。

・正社員だと「人件費」の課目だがコントラクターは「委託費」で済み、働く人の人数(ヘッドカウント)を減らさず人件費を圧縮できる

→会社もPL上で人件費が減り「人件費を減らす経営努力している」と見せられて便利(実態は人件費が業務委託費に付け替えられているようなものだが・・・)

といったことです。

セミリタイア者の働き方

実際、僕が携わっていた場合は半分ぐらいがコントラクターでした。

不景気だったり先行きの事業成長が明確ではない時など、正社員よりコントラクタが多かったのです。

そんなコントラクターはフルタイムもありましたが、専門職の一部は週2,3日のコントラクターだったりします。

そんな彼らは「セミリタイア生活」をしていました。

例えば、夫婦で郊外のあるリゾート地に所有する別荘で暮らし、夏はハイキング、冬はスキーをして気ままに過ごしたり、自分の趣味(たしか何かの演奏者)で地方都市を巡業?していた人などさまざまです。

*ちなみに今となってはあれはセミリタイアと思いますが、本人たちは当時そう思っていませんし「semi-retired」との用語もまだ使われていない頃かもしれません。

ということで、実質、個人事業主のセミリタイア人が多く、そんな生活を過ごす人にたとえ会社の事業がうまくいったので「正社員にならない?」とオファーしても、正社員になる人はあまりいませんでした。

そんな気ままな彼らの生き方はいいなと、当時は思ったものです。

リーマンショック時の対応

ただ、僕が携わった時期は運悪くリーマンショックの時でした。

市場には「無職となった優秀な人材」が沢山いてそんな彼らは「景気が悪い中、無理に働く必要がない」というマインドだったりするのが面接でも伝わってきます。

こっちは不景気で採用しやすいと思っても、彼らは本音は「不景気ゆえ旅行先も空いていたり安かったりのメリットがあるのでこんな不景気だからこそ働かずに休もう・・」といったマインドです。

ちなみにコロナ禍やコロナ禍を超えてもアメリカの雇用統計が伸びず「働かない人が多い」という発表とかで、一部にそんな「無理に職に戻らない層」を思い出したりしました。

ある程度投資で資産形成した人は、そんな「景気の底」でセミリタイアするきっかけになるわけですが、日本もそんな労働マインドにまで変化するかは想像できません。

終わりに

ということで、働き方に合理性を追求するのが当たり前なる世代が増えるなか、日本もジョブ制度が進めば、欧米のような雇用形態も増えてくると思います。

自分のスキルに特化した個人事業主として自立して「適宜」働くというセミリタイアです。

なにしろ企業は、変化の激しい市場環境で正社員を採用し、ずっと変化に合わせてスキルをアップデートさせるより、外部から必要期間、必要なだけ持ってきた方がスリム経営で楽になりますからね。

会社に就くというより仕事に就くという感覚の若い人が増えるなか、ジョブ制度が「特定の専門スキルをもったセミリタイア者」を増やす気がします。

こんな職務記述書があったらブログを見たり情報発信する人も興味あるかもしれないなと想像しました。

・会社のSNSアカウントを使った情報発信で1年以内にフォロワーxx万人に増やす・・

・SNS上の会社関連の投稿を収集分析し市場の声を関連部門にタイムリーにフィードバックする・・

・勤務はリモート可・・・・


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自己紹介

2022年3末に完全リタイア。FIREの自由で創る”自分らしいセカンドライフ” としてFIRE-Driven Lifestyle Innovationをテーマに、日々の気づきや経験を発信して精神的に豊かなFIREを応援します。
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