いまの時代は日本に生まれて幸運かもしれません。
作家の橘玲氏は「君はすでに『人類史上もっともゆたかないまの日本に生まれた』という大きな幸運を手にしている」と自著『言ってはいけない残酷すぎる真実』で述べています。
それを痛感させる出来事(問題)がお隣の中国で起きています。
今日は日本と中国の置かれた状況を比較しながら、中国でFIREが流行るかを雑記ネタなる観点で考えました。
日本の大卒求人倍率はかなりの増加
日本では2024年の大卒求人倍率が1.71倍と前年よりも0.13ポイント上昇し、労働市場は活気をみせています。
転職サイトのCMも頻繁に目にするようになりそれだけ需要もあるのでしょう。
新卒社員が「配属が不満」と辞めてしまう人も多かったり、自分の希望する仕事に就けないことで転職するニュースが多いのも企業の求人が手堅くあるのだと思われます。
とはいえ日本経済の先行きや人口動態に起因する少子化や社会保障問題など、将来の不安はぬぐえません。
それでも雇用があるということは、お隣の中国と比べて恵まれた状況だとは感じます。
中国の若者の置かれた状況
中国は失業率が5.2%という統計データが出てきました(中国の国家統計局発表2023年該当分)。
現地では過度なる受験競争があって進学する大学レベルで就職の選択肢も限られてきます。
試験や成績を過度に重視した教育制度になってしまい中国の富裕層は子供の教育にものすごい力を入れています。
質の高い教育を子供に与えられるのか否かはある意味「親ガチャ」とも言える状況です。
日本も明るい将来を感じられる状況ではありませんが、そんな日本の競争社会がぬるま湯かと感じるほと中国の競争社会は厳しいように見受けられます。
僕の知りあいの中国人(元同僚たちで日本に居住)は学歴も仕事スキルも高く優秀ですが、そんな彼らも本国の過度なる競争社会に懸念もあれば、そんな状況から早い段階で抜け出して日本に来ていることを良かったと語っています。
中国の「十不青年」
その生きずらい社会や厳しさを象徴するのが中国の「諦める」というバズワードです。
以前は4つのことを諦める「四不青年」(恋愛・結婚・子供・家)がありましたが、今は10個を諦める「十不青年」となっています。
それは「結婚・子供・家・宝くじ・投資・基金・老人扶養・寄付・献血・感動」といったことで、そんな生きずらさを表しています。
経済不調の中国で 若者が辞めた10のこととは【報道1930】
こうした不遇なる状況は、大学卒業生、非正規雇用労働者あるいは農村出身者だけでなく、低賃金で就労する新興企業の労働者も(一部は高給を得ていますが)長時間労働や労働環境の問題でストレスを抱えていたりしています。中国の失速
そんな中国ですが、経済協力開発機構(OECD)によると合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子どもの人数)は1.16と、少子高齢化が進むと言われる日本の1.30よりも更に深刻です。
急速に人口減少が進んでいきます。
結局、GDPが成長したとはいえ「1人当たりのGDP」でみると日本が世界38位に対して中国は72位と、どうも超大国として世界制覇を前に「国民全土が豊かになりきれないまま少子高齢化を迎える」といった感じです。
【2024年最新】世界の一人当たりGDPランキング(IMF) | 日本の一人当たりGDPは世界38位と、4ランクダウンの見込み
2024年のいま、中国は特権層、富裕層、中間層、貧困層と入り乱れた層の分断や格差社会への失望で、若者にも不満が溜まり、そんな世論をそらすかの軍事強硬でナショナリズムを煽る有事を意図的に招くのではと個人的に懸念をしています。
日本も自然災害が怖いですが、中国国内も蓄積する不満がマグマのように災害をもたらすことが気になります。
終わりに
といったように中国は「生まれながらのガチャ」なる要素が日本よりも大きく、さらに「学歴選別ハードル」が酷なのでとても明るい未来を描きにくい状況に思えます。
もちろん日本だって明るい未来ではないので同類かもしれませんが、もし僕が若年層だったら、そんな日本に生まれ育ってまだ良かったと思う気もします。
そんな格差ある中国ではFIREを目指せる人はそもそも「選ばれた人」でしょうし、FIREを目指すにも株式投資、不動産投資、中国国内の預貯金など資産規制が入る危機や脅威を感じ続けながらのFIRE道になるのではと思います。
すると中国版FIREは中間層が「Financial Independence & Relocate Early」と、早期リタイアというより早期国外脱出(Relocate)を目指すものとして表ざたにできない陰なる流行(修行?)になってしまう気もします。
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