節約本でも必ず出てくるのは「車は持つな」というフレーズです。
そうした情報を頭から信じて「車を持たない生活が正しい」と考える人が大多数だと思います。
実際、交通網が不備なる田舎ならまだしも、交通網が整備された都会や地方都市の生活でわざわざお金のかかるマイカーを持つことは無駄な支出(浪費)だと捉えがちなのは理解しています。
ですがそんな都会生活でも、マイカーを持つことで「電車やバスといった移動手段では得られない独自の価値」を得られることを経験的に得ています。
ということで、今日はそんなマイカーのメリット(価値)を綴りながら、マイカーを頭から浪費扱いをすることで見過ごしてしまう機会損失を露わにします。
*なお、マイカーの価値は「移動手段」と「趣味」という2つがありますが、趣味の側面は今回一切触れずにおきます・・。楽しい世界ではあるのですが。
マイカーのコスト
まず客観的なデータとしてマイカーを持つことで生活費用に大きな負担になることは認めます。
ちなみに僕の2023年の生活費における車関連の支出は8%(*)になっています。
*2023年実績(駐車場、ガソリン、自動車保険、自動税)
*車両購入費はまた別です
今年は購入後に初の車検代も発生し、それは生活費とは別の「イベント関連費」から捻出しています。
以上、移動手段としてマイカーを持つこと価値がコストに見合うものか、こういった数字が自分のなかでの基準ではあります。
マイカー歴
そんなマイカーのある生活は20代サラリーマン時代から続いています(空白期間は10年)。
20代サラリーマン時代は、車の役割は趣味(海に行く)ための交通手段でした。都心とはいえ周辺部に居住していたので駐車代も安く、車もボロボロで、金銭的負担は大きくありませんでした。
30代~40代は、車は「家族の足」の役割が大きかったと思います。
少年野球チームに所属していた息子(やチームメイトたち)を試合会場への送迎するため週末も早朝から活用したり、元奥さんの買い物の専属ドライバー??ともなりました。
40代後半からのサラリーマン生活では10年ほど車を持たない時代を初めて過ごしました。
平日は仕事が忙しく週末は飲み会(電車移動)なので車の必要性は感じませんでした。その10年間はカーシェアやレンタカーを適宜使っていた程度で十分でした。
そして2年前からのアーリーリタイア生活で、再び、マイカー生活に舞い戻っています。
マイカー生活のメリット
こうしたマイカー歴を振り返ると、それぞれコストに見合った(それ以上の)メリットを感じています。
大きくは以下の2つを挙げられます。
子供がいる生活(30代)は機動力・行動範囲拡大に
子供が小さい時はマイカーがあることで機動力もあがり行動範囲も広がりました。
30代サラリーマン生活での疲れた週末に、仮に子供たちを連れて「電車で移動」となったらたとえ交通網が便利な都会でも、外出に連れ出す頻度も落ちていたと思います。
マイカーがあることで子供が大声で騒ぎまわってもマイカーなら(電車と違って)気楽ですし、寝たくなれば好きなだけ寝かせられるので公共交通機関での移動よりかなり楽です。
また奥さんにとっても便利でした。
食欲旺盛な息子たちの食材買い出しはその調達量が半端なく、僕が車を出して買い物に行くことでかなりご機嫌も取れました・・・。子供を家に置いて自転車で買い物に行くより車に乗せて買い物にいくように連れ出しやすい(自宅に留守番させる不安もない)というのも大きな価値がありました。
セカンドライフ(50代~)は年老いた親の行動力に
そして今のアーリーリタイア生活でもマイカーの価値は形を変えながら感じています。
子供がいた頃と似ていますが、リタイア生活では平日の昼間、年老いた母親を頻繁にランチに連れ出すことができます。
数キロ離れた場所に住む母親に、電車やバスで出て来いといってもほとんど断られることになると思います。
それが車で迎えに行くことで、体調が悪い日を除いては外食に成功しますし、季節の花を見に行くのも車で手軽に行けるので出かける気になっています。
なにしろ「ずっと一生、料理ばかりしてきたから老後(父が亡くなってから)の食事は冷凍食品に野菜だけで十分」とかなり質素です。
そんな母親が外食をすると「美味しい」と食べるので、やはり質素な毎日にも外食で楽しい時間を過ごせるのは今しかできない大きな価値になります。
マイカーを持つ価値(結論)
マイカーがあるゆえに得られたものとは「行動力の後押し」であり「思い出」に集約されると思います。
・子供が小さい(という貴重な期間)にあちこち家族で出かける億劫さを解消した
=車という楽なプライベート空間だから出かけられた(電車やバスだと出かけなかった)という機会損失を取り除いたこと
・その結果、より多くの家族で出かける機会や経験が増えて「思い出」も増えた
これは、老齢の母親も同じ理屈です。
子供と違って、親は自身で「出かけたい」と思っても億劫さを感じるので、僕が誘えば、食事、散歩、あるいは病院の診察も億劫とはいえ連れ出せるのでなにかと「親孝行」につながると思っています。
ちなみに、これまでの家族との思いであるシーンも多々ありますが、車で出かけたシーンも多いものです。
例えば、子供を海につれていった帰りに海沿いの道路で渋滞にはまっても、真っ赤な夕陽が海に沈むのを「綺麗だね」と車内でみた時間もマイカーのなかでした。
終わりに
以上、マイカーという移動手段があることで、電車やバスだけの移動手段しかない場合では得られない「お出かけ」の数も質もあがったメリットを綴りました。
マイカーで支出が増える一方で、きちんと支出全般の無駄がないよう節約に心がけていて、僕は気軽にタクシーを使わなかったりするというメリハリもその1つです。
マイカーはコストがかかる一方で、経験や感動などの価値を得られたことが僕にとっては大きなメリットでした。
もちろん生活費トータルでは帳尻があうように節約しようとしますし、ちょっとした移動でタクシーを使い「あー楽ちんだ」よりも、その支出を価値ある生活作りに回す方が僕には意義を感じました。
「車は贅沢品だ」と氾濫する情報を鵜呑みにせず、マイカーのコストやそれに見合う価値があるかなど、自分のライフスタイルやニーズに当てはめて考えることも大事だと思います。
そんなことを考えるきっかけにつながれば幸いです。
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