サラリーマンの時に連続9日~14日の夏季休暇を何度か取ったことがあります。
その休暇を使いって長期の海外旅行や日本横断の車の旅などをしました。
こうした「時間を要する趣味」も長期休暇を取ればできたわけですが、だからといって「長期休暇があるから完全FIREをする必要がない」とは思いません。
完全FIREだからこそできることがあるからです。
それは、結論としては、①無期限の時間的自由、②ストレスからの根本的解放、③ライフスタイルの自由設計、の3つに集約されます。
今日はこの「長期休暇では得られない、完全リタイアだからこそ得られる3つのメリット」を綴ります。
無期限の時間的自由
完全リタイア生活は無期限の時間的自由があります。
それに対してサラリーマンの長期休暇は「期限付きの自由」であって、物理的・心理的には制約が沢山あります。
例えば14日間の休暇が取れても長期の海外旅行に物理的に割けることができる日数は12日間が限界です。
最初と最後の1日をバファーとし、初日は仕事のずれ込み対応に、最終日は帰国時のトラブルや疲れからの回復に割くと、物理的には実質12日間の旅で、せいぜい3都市周遊が精いっぱいです。
しかも後半は「あとx日で仕事だ」とか「仕事に備えて無理はよそう」とブレーキをかけたりするので心理的にも制約があるなかでの楽しみです。
一方で完全リタイアの自由は制約はなくとても柔軟です。
「いつ、どこで、誰と、何をする」を自己都合で完全に決められるわけです。
長期の旅行も、投資のための視察も、あるいはスポーツ他の趣味、家族との時間、探求心や好奇心からの学びや体験とか、好きな時に好きな活動を自分のペースで無制限にできますし、適宜柔軟にできるようになります。
そんなリタイア日々から振り返ると、サラリーマンの頃は、仕事を優先しその合間にやりたいことを入れていたという優先順位(仕事>遊び)は絶対的なものでした。
だからこそ、やりたいこともどこか「義務感(=今しかないからやらないといけない!)」とか、もしそれがやれないと「焦燥感(=計画通りやれなかったから残念だ)」となってしまいました。
仕事が優先順位の最上位にある限り完全なる自由はなく物理的・心理的に制約がつきものです。
ストレスからの根本的解放
完全リタイア生活はストレスから根本的に解放されます。
長期休暇を取ってやりたいことをやったり、ゆっくり休息を取れば、仕事のストレスも解消されたりはしますが、とはいえストレスからは根本的には逃れられません。
例えば極端な長期休暇の例として「育休/産休」を取り上げてみます。
僕が勤務中、女性社員が産休を取ったのですが、1年間の休みの8か月は子供を産んで育てることに手いっぱいで、ようやく自分の時間を持てるようになったのは産休も残り4か月です。
あと4か月で復帰だと考えると、ふと「自分のポスト(仕事の役割)はあるか?」とか「他の人が自分の仕事を自分以上にできていたらどうしよう」といった不安で、育児に加えて復帰やキャリアの悩みがストレスになったと言います。
サラリーマンの長期休暇は「いつか復帰する」がつきまとうので、長く離れれば離れるほど仕事のプレッシャーやストレスが倍となって戻ってくる可能性もあり、やはりストレスから逃れることはできません。
一方で完全リタイア生活は完全ストレスフリーです。
仕事上の目標達成や期待に応えることも不要ですし、利害関係の人間関係もリタイアすれば捨てさることもできます。
命令もされなければプレシャーもありせん。
でもこうした感覚はリタイアをしたからこそ生まれるもので、仕事をしていた時はストレスが当たり前と、どこか意識することを避けていた気はします。
ライフスタイルの自由設計
長期休暇ではできなくて完全リタイア生活でできるとして「ライフスタイルを自由に設計できる」というものがあります。
サラリーマンの長期休暇では、せいぜい旅行であったり休息であったり、少しばかり普段できないことをやる程度です。
基本的な生活基盤は変わりませんし変えることはできません。
一方で完全リタイアをすると自分のライフスタイルや生活基盤を自由に設計し、僕の場合はプチ移住も計画したりしています。
既に候補先には何度も足を運んで現地の様子をみてきていますし、いずれ条件が揃えばプチ移住したいと思っています。
働いていると、こうした好き勝手な思いで生活基盤を移すという発想そのものも無いのが普通ですし(僕は転勤が多かったので自然とこうした将来像を描いていましたが)、生活基盤を移したいと思わない人もいるかと思います。
この辺りは個人差もあるかもしれません。
ただ、生活基盤を移すだけでなく、例えば自分の好きな芸術や音楽などをリタイア後に再開する人も多いですし、これまでと違う投資をしたり、起業したり、自分の探求心に基づいて深く何かを調べたり、ライフスタイルを再度作り直すことができます。
これは長期休暇ではできません。
長期休暇と完全リタイアの向き不向き
以上、完全リタイアをするからこそ得られるものは「無期限の時間的自由」、「ストレスからの根本的解放」、「ライフスタイルの自由設計」だと感じています。
もちろんこんな3つを並べても響かない人は響かないと思います。
長期休暇で十分で完全リタイアがさほど必要ない人もいると思います。
それは、
・仕事に燃焼していてそれが心地良かったりする、
・これまでと違った生き方をしたいと思わない、
・何かやりたいことを見出していない、
といった人だと思います。
でもこうした感覚は年代や状況で変化する可能性があります。
僕が完全リタイアのメリットを強く感じるようになったのは50歳を過ぎてからで、人間の価値観や人生観は時間経過で変わるものでもあります。
終わりに
長期休暇vs完全リタイアは、その正解は1つではありませんし、状況によって正解も変わります。
それゆえFIRE的な意味合いとしては、
”長期休暇では事足りない”と感じた時こそFIREを目指す(実施する)時、
といった「FIREリトマス試験紙」なる質疑がこの「長期休暇vs完全リタイア」なのかもしれませんね。
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