「FIRE失敗」というフレーズはよく使われています。
ですが実際のところ、何をもってFIRE失敗とか、あるいはFIRE成功というかの感覚は人によって違うように見受けられます。
セミリタイア界隈では「ストレスのある仕事や人間関係から解放され働かないこと」が幸福度の高い理想的な状態であり、それを維持できないことが「失敗」と捉えているかと思います。
もちろんこの感覚（解放主義的なもの）は理解できますし、世の中にはまた違う考え方もあります。
それは「FIREをして人生の残り時間を有効に使い、やりたいことをやりつくしたい」といった感覚（自己実現主義とします）です。
今日はこうした２つのFIRE（解放主義と自己実現主義）を定義しながら、FIREの成功や失敗というものが何であるかの正体を綴りたいと思います。
FIREは解放主義の考え方
前述の通り、FIREのメリットは「ストレスや拘束からの解放にある」という解放主義があります。
そのロジックは、
・FIRE成功：「ストレスのある仕事や人間関係から解放されて働かないこと」
・FIRE失敗：「そんな解放状態を維持できずサラリーマンに戻ること（＝FIRE卒業）」
と理解しています。
なお、サラリーマン時代の職場環境における「仕事の大変さ」や「人間関係の煩わしさ」が大きければ大きいほど、その解放格差（心理的生活レベルの向上）が大きいはずです。
FIREは自己実現主義の考え方
一方で、FIREのメリットは「好きなことをやれる（という意思決定の自由）」といった自己実現的なものもあります。人間、やっぱりやりたいことをやるのが楽しいですからね。
そのロジックは、
・FIRE成功：「早期リタイアで得た時間でやりたいこと（いつ、どこで、誰と、何をする）を自己決断し実行できること」
・FIRE失敗：「やりたいことを実現できないこと（＝やりたいことの未達）」
と理解しています。
なお、サラリーマン時代に「やりたい」と思っていたことができずに多くたまっているほど、FIREのメリットが大きいなります。
解放主義と自己実現主義の関係
こうした解放主義と自己実現主義というのは、誰もがどちらか一方に属するというよりも両方を兼ね備えていると思います。
そして、その兼ね備えている比率が「FIREまでの経緯」や「FIRE後の時間軸」で変化します。
あくまでもケースとして例示すると、
ケース１：ストレスの高い職場からFIREに至る
FIRE当初：解放主義９０％：自己実現１０％
その後：解放主義５０％：自己実現５０％
→FIRE当初はそれまで会社での過酷な状態（心身的にマイナス状態）から解放されてた喜びがクローズアップされるが、だんだんとそうした「過去の辛さ」を忘却しながら自己実現の比率が高まる
ケース２：ストレスは低い仕事や職場からFIREする
FIRE当初：解放主義４０％：自己実現６０％
その後：解放主義２０％：自己実現８０％
→FIRE当初は「会社から解放された」という変化に興奮して喜ぶ部分もあるが、そもそもやりたいことがあってFIREをしたゆえ自己実現の比率が時系列でさらに高まる。
といった感じです。
＊なお、解放という用語はややワイルドで、自己実現はどこか高尚な印象があるのかもしれませんが、そこになんら価値や品格差は設ける意図は無く、あくまで特性を表現したまでです。
自分のケース
以上の分類額と定義をもって自分のケースを当てはめてみると、ざっと以下のウエイトになっている気がします。
FIRE当初（FIRE後の最初の半年）：解放主義７０％：自己実現３０％
＊ブログ開始前です
FIRE当初（半年後から１年）：解放主義３０％：自己実現７０％
＊ブログ開始後です
FIRE当初（１年後から２年目終わり＝今）：解放主義２０％：自己実現８０％
終わりに
以上、FIREの成功・失敗を解放主義と自己実現主義という枠組みのなかで定義してみました。
どちらが正しいとか、何が良いといったものではなく、これはあくまでも個人がFIREのどこにどのような価値を見出しているかを明確にしようと試みたものです。
僕にとってのFIREの価値はやりたいこと（自己実現）ができる時間や機会が最大にあることだと感じています。サラリーマンならではの時間や判断の制約をFIREが取り除きます。
こうしたFIREの価値を感じられる立ち位置に連動してFIREの失敗や成功があるので、「FIRE失敗」と大括りにするより、少し掘り下げて考えるのが重要と思い記事にしました。
この記事が皆さまにおきましても考えるきっかけや考え方の整理につながれば幸いです。
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