都内にあるスーパー併設のフードコートで1人過ごしていた時の出来事です。
80代のお婆ちゃんたちと隣り合わせになりました。
お婆ちゃんたちの会話がすごく盛り上がり、耳に入ってきてしまった内容が興味深いし、なかなか深く思う点がありました。
そんな高齢期のお婆ちゃんたちのモノの見方や悩み事など、気づいたことを少し綴ってみます。
お婆ちゃんグループの登場
それは平日の午後3時ぐらいの都内にあるモールのフードコートです。
午後の静かなモールのフードコートで僕がコーヒーを飲みながらパソコンで調べものをしていたとき、隣のテーブル席に80代のお婆ちゃん4名組が座ってきました。
マックシェイクや緑色のジュース(多分メロンジュースかな?)を飲みながらおしゃべりをはじめました。
しばらくすると会話が大盛り上がりです。
キャピキャピ高校生が「かわいー」ってスマホの動画を見せ合う、そんな仲良しグループが50~60年後はこうして盛り上がるのでしょう。
もちろんスマホはなく、動画もなく、会話に歯切れもなく、でも元気はそこそこあって楽しそうに話しています。
僕には聞き取れないモゴモゴとした単語も時々発しながらもグループはそれを100%キャッチして会話になっているという相互理解が異常に進んだ仲の良さです。
驚く会話の3点
そんな会話が1時間ぐらい僕の耳に入ってきていたわけですが、大きく3つぐらいのトピックで考えさせられるものがありました。
電動車椅子
やっぱり話題はお婆ちゃんとはいえ女子なので「欲しいもの」が話題になります。
若い女性ならば、高価なバックや最新スマホと言うのかもしれませんが、さすがにお婆ちゃんからそうしたものは1つも出てきません。
人気なのは「電動車椅子」です。
どうやら移動したくても歩くのが遅いとか疲れやすいやらで制約があるようです。
誰か1名は「電動キック-ボードが・・」なんて言ってましたが本気で欲しいというより乗ってみたいがありゃ怖い・・という感じです。
そして何より電動車椅子は40万ぐらいするとか言ってましたが、介護保険やら補助金が出るとかで買えると。
でもお金のことは気にはしつつ「どうせお金は死んでも持ってけないんだから買っちゃうか・・」なんて言ってました。
高齢になるとお金を使わないかと思いきや、やはり年齢にあった「便利なもの」って欲しくなるしそれなりの費用がいるのでしょうね。
でもお金をかけて行動範囲が広がって、公園に行けたり、花を見に行ったり、孫たちとお出かけしたり、それができるならとても良いことです。
自分に想像できないお金の使い先を学ばしていただきました。
安楽死
そんな元気なお婆ちゃんたちのトピックでびっくりしたのが安楽死です。
1人のお婆ちゃんが「スイスに行けば安楽死ができる」という話題を提供したらそこから話題がぐわーっと「苦しまない死に方」になっていきます。
もう本当にだめならスイスで安らかに眠ってもいい。自分の手で点滴の薬を空けるとふっとらくに死ねるのよ。。
きっとテレビでみたりしたのでしょう。
もちろん全員ができない理由(費用とか体力とか)を出しながら無理だね・・・という結論ですが、そんな高齢でも、また死に際しても選択肢がある世の中を求めているということと、やはり制度やモラルの関係で日本ではなかなか議論されないトピックが、実は大きな課題なのだと感じました。
きっと80代ともなると死は隣り合わせでもう怖さはないのかもしれません。
それよりも苦しくないことやそのタイミングを自分で選べたらよい、なんてことが大事になってくるのかもしれません・・。
深い・・。
都知事選
そして会話は都知事選へ。
誰がいいか・・といった今もっとも東京でホットな話題がやはり老人達の会話にも出てきます。
驚いたのは選挙にいくマインドです。
お婆ちゃんたちの誰もが必ず投票に行く前提になっています。
きっと若い女性や子育て主婦だと「疲れていけないかも」なんてこともあるかもしれませんが、老人たちはかならず選挙するのが当たり前といった感じの会話です。
ただそのお婆ちゃんたちにとっての「選挙の意味」がちょっとリアルにわかってきました。それはいわゆる「推しを探す」といった感覚です。
なにしろ1人が「最近は若い人に石丸さんっていうのが人気らしい」「石丸さんって誰?どんな人?」なんて言い出しました。
「誰なのか?」といったなかで、誰もあの「恥を知れ恥を」やら「国政の代理戦争はやめていただきたい」なんて紹介はできず「謎の人」で終わっていました。
そもそも経済を軸にした政策なんてお婆ちゃんには説明できなずもちろん理解もできないのでしょうがないですね。
なの結果としては「石丸さんって知らないからね」「やっぱり私は小池さんでいい」と、もはや政策云々より「自分が知っているかどうか」から誰かを応援したいのだと思えました。
お婆ちゃんにとっての選挙は若い人にとっての「推し活」と同じなのでしょうね。。
終わりに
なんてことで、リタイア民の特権で平日午後のフードコートでお婆ちゃんたちのリアルな日常を垣間見たわけです。
学ぶところが沢山ありました。
元気な80代となると80代の視点で、お金も、人生の選択肢も、推しも必要なのでしょうね。それはなんら50代に必要なものと変わらないかもしれません。
でもそうして体操教室の後に元気なお婆ちゃんたちがマックシェイクやメロンジュースを片手に集まって何気ない会話をすることがお婆ちゃんたちの最大の幸せなのだと伝わってきました。
自分も20年後にはこうなるのかな・・なんて想像しながら、次回出くわしたら会話でも参加して練習しつつ、微笑ましいお婆ちゃんを応援してみようかと思った次第です。
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