僕は「不労所得」という言葉が嫌いです。
ブログでも極力「不労所得」という言葉を使わないようにしています。
なぜならそれが「ラクしてお金を稼ごう」という文脈で使われることがあって、それと混同されるのが嫌だからです。
今日はこの「不労所得」について綴ります。
不労所得の定義と意義
不労所得の定義は「労働による直接的な努力や時間の投入を伴わずに得られる収入」というものです。
この解釈が正しく伝わるのなら僕は積極的に「不労所得を作ろう」と発信したいぐらいです。
なぜなら不労所得こそ「お金を生み出すための生産性を高めたり、その結果、自分の時間(という大切な資源を)を最大化するから」です。
ですがそんな思いを打ち砕く使い方を度々みかけてきました。
不労所得という用語が嫌いな理由
ネットビジネスの成長期には「不労所得」という言葉が詐欺まがいのマーケティング用語として使われていました。
それがとても目に余るものでした。
たとえば「誰でも簡単に月7桁を稼げる」といった宣伝文句で「不労所得で夢のFIRE生活を実現しよう」といった煽りです。
そうした欲や夢を煽ることで、情報商材を販売したり、不労所得コンサルをしたり、あるいは自身のアフィリエイト収益につなげるという魂胆です。
もちろん僕は「汗水たらして働くことが良い」といった「労働=美徳」なる主義で言ってるのではありません。
お金を稼ぐには何らかの「犠牲」なり「対価」を差し出さなければ稼げません。
でもそれこそが大事だと信じているからです。
その犠牲や対価は必ずしも労働である必要もないのです。
不労所得を得るための犠牲や対価
「労働ではない犠牲や対価」で稼ぐ方法として資産所得や事業所得があります。
僕がやってるのは「資産所得」に該当するので、これを不労所得にかえて使っています。
資産所得
当たり前なる方法ですが株式投資や不動産投資など、「資産を有効活用してお金を稼ぐ方法」です。
資産所得を得るには、そもそも資産を手に入れる努力もリスクを取る行為も必要です。
より高いリスクを取ればより多く稼げるわけで、必ずしも時間をかけることが稼げることを保証するものでもありません。
株式投資の場合は、とくに時間をかけるよりリスクを取るうえでの分散や低減といったノウハウが大事です。
それらは普遍的なものなのでリスク分散や低減に工夫をこらすために自分の時間を費やすhど知恵や知見など自分自身の資産になります。
そして資産が拡大するごとにその知恵や知見がさらに威力を発揮して資産を膨らませます。
事業所得
自分が経営するビジネスからの利益も不労所得になりえます。
自分がその経営の基本を作ってしまって、ある時点から他の人に任せたり、あるいはITツールや技術を使って自動化すれば、手間暇かけずに利益を上げられることができます。
こうした知見は、サラリーマンが日々の仕事をするなかでも得られるものです。
自分の仕事を「自分がいなくてもまわるようにするにはどうしたら良いか」と考え、ノウハウをまとめたり、人を育てたり、ITツールで自動化したりといったことです。
いきなり事業で始めて取り掛からなくても、サラリーマンをやりながらも必要な勘所を育てることはできます。
以上の投資(資産所得)や事業(事業所得)には「手離れのよさ」を求めることも可能です。
実際、僕もこれまでサラリーマンをしながらもなるべく手間暇かけずにいわゆる不労所得(時間効率よく稼げて自分の自由の足かせにならない)を志向してきました。過去に具体的な記事を書いています。
終わりに
以上、本来は良い意味になる「不労所得」は残念ながら不健全な意味合いで多用され、それゆえ僕は資産所得という言葉で代替しています。
ただ、資産所得という言葉そのものは僕が大事だと思っている「生産性」や「時間を生み出す」という意味がなかなか伝わりません。
リタイア後ますます「人生においては時間が大事だ」との思いが強くなるなか、この「不労所得」という言葉の本来持つ意味が自然に使えれば良かったのにと、残念でなりません。
ラクをするための不労所得ではなく、自分の時間を作るための不労所得、そんな用語で使われることを願うばかりです。
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