セミリタイア界隈で「早期退職」と「アーリーリタイア」の違いについて語られています。
僕はこのブログ開設時にどちらの用語を使うか迷ったうえ、結果として「アーリーリタイア」に決めたわけですが、それはこの両者の世間的な受け止め方について考えた結果でもありました。
今回、遅ればせながら自分の見解を綴りたいと思います。
早期退職とアーリーリタイアの違い
「早期リタイア」も「アーリーリタイア」も、概ね「定年よりも早く退職する」という意味としてはさほどの違いはないと思っています。
ただし、その両者の言葉の受け止め方として「幅」がかなり広いと思えるのが「早期退職」です。
「幅」とはつまり、受け手の年代や仕事環境などによって用語から想起されるものごとがかなり個人差があるという意味です。
それぞれみていきます。
アーリーリタイアのニュアンス
「アーリーリタイア」に含まれるニュアンスは単純で「定年よりも早く自分の意思で退職する」というストレートな意味に感じます。
それゆえ「早期退職」という用語から感じるいろいろなニュアンスよりも、アーリーリタイアはかなりシンプルだと思います。
ただし、時間的・経済的な面で個人差がでます。
その「定年より早い」という時間的なものと「経済的に自立して退職した」という経済的なものが含まれている気がします。
時間的なニュアンス
時間軸としては基準が「定年の年齢」にあって、基本、定年よりも早ければ「アーリー」とはなります。
ですが若い人であったり、なるべく早くリタイアすることを強く待ち望む人にとっては、「50代リタイア」は既に、定年(65歳)まで15年未満という点で「もはやそれはアーリーじゃない」と違和感があるかもしれません。
逆にいえば、将来に定年70歳制度が一般となれば、相対的には定年までの残り時間が長くなるので、その違和感は薄まるのだと思います。
ただし相対的なものなので、例えば「55歳より後はアーリーじゃない」などの絶対的基準はないとは思います。
経済的なニュアンス
経済的には「経済的自由を達成している」といったニュアンスがあると思います。
きっとそれは「アーリーリタイア」は自らの意思で辞める能動的な意味あいが前提となっているニュアンスなので、同時に、経済的には自立していることが伴っていると感じるからです。
なので、アーリーリタイアといいながら、例えば定期的にアルバイトやパートタイムで働いているのは違和感があります(FIREであれば違和感がないのはまた不思議なところ)。
以上、個人的な感覚なので人によるかもしれません。
早期退職のニュアンス
一方、早期退職はアーリーリタイアと同じ意味あいでありながら使われる年齢層や受動性で違いがある気がします
年齢層
そもそも40代以降のサラリーマンにとって早期退職というと、若干、「早期退職制度」との兼ね合いで受け止める人がいるのだと感じます。
もちろん早期退職もアーリーリタイアも、同じような意味として捉える人が大半とは思いますが、受け手の仕事環境で、そうした退職制度が過去や現在ある場合、あるいはそうした制度で辞めたいと思っている場合は、どうしても制度に関連付けた印象になる気がします。
能動的ながら結果はさまざま
また、早期退職制度を使って能動的な退職判断をしたとしても、その後の状態はさまざまです。
転職してサラリーマンが続いたり、独立起業したり、セミリタイアしたり、セカンドライフに突入(完全リタイア)したりといったことです。
ただし、ある調査データによると、やはり転職や独立起業となるケースが多く(特に50代より40代)、退職後に「無職」となるのは10%程度でした。
またその無職も、いわゆる求職せずに積極的無職(アーリーリタイア)なのか、求職するも仕事がない受動的無職なのか、比率は明示されていませんでした。
よって、早期退職はアーリーリタイアと同じ意味(能動的)には感じますが、早期退職制度と関連づける人にとっては幅広い意味あいに受取ってしまう気がするのです。
なお、50代後半ともなって「早期退職しました」と使えば「完全にリタイアした」とのニュアンスにはなります。
アーリーリタイアという「よくわからないやり方」より「制度を使って早くサラリーマンを上がったのかも?」なんて受け止め方をされてさらっと世間で通用する可能性もあるのだとは感じます。
終わりに
以上、「アーリーリタイア」は「自分の意思で、定年を迎えず、能動的にリタイアした」という意味が強い一方で、「早期退職」は受け手の年齢や仕事環境などで幅広い意味あいに受け取られる可能性があると判断し、僕はブログでアーリーリタイアを使うことに決めました。
ただ、対面ならば少しトリッキーなる「アーリーリタイア」と言うよりは「早期退職しました」の方が自然に通用するとは思っています。
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