2024年の上半期(1月~6月分)の家計支出を分析しました。
分析の目的は「リタイア生活での経済的なゆとり度合いを数値化する」ことです。
ゆとりは精神的・時間的な面もありますが、ここでは経済的な側面(生活費に占めるゆとり費の割合と構成項目)でみています。
生活費の大区分-基礎生活費vsゆとり費
生活費を「基礎生活費」と「ゆとり費」に分けています。
基礎生活費は「生活に必要な支出」で、ゆとり費は「生活に潤いを与えるための支出」です。
結論としては、2024年の上半期(1~6月)の割合は
(基礎生活費):(ゆとり費)=47:53 となりました。
つまり「ゆとり比率=53%」です。
定義
*基礎生活費:生活を維持するために必要な支出
住宅費、食費(スーパー等での買い物)、日用品費、交通費、通信費、水道光熱費、美容服飾医療費、その他(税金等)
*ゆとり費:生活に豊かさや潤いを与えるための支出
娯楽費(外食、遊び、交遊等)、交際費(家族や大切な人への支出)、旅費、自動車費(マイカーにかかる費用)、教育費(資格取得など自分のスキルを高めるためのもの)。
ゆとり比率とは
僕がこの「ゆとり比率」を運用するのは「基礎生活費は既に一定」だからです。
ずっと以前から無駄な固定費等も省き、節約習慣も定着しているゆえ、基礎生活費はこれ以上は絞りようがなく、長年、ほぼ一定額で推移しています。
その基礎生活費に対して、変動費である「ゆとり費」は、リタイア生活での「やりたいこと」の内容によって支出が変化しています。
その変化も概ね平均化すると、およそ基礎生活費とゆとり費が半々というものです。
実際、24年上半期は「ゆとり比率53%」と、2023年より3%アップしています。
ゆとり費と浪費の違い
ですがきっと「ゆとり費なんて浪費みたいなものだ」と感じる方もいるかもしれません。
それをみていきます。
基礎生活費を超える異常値が浪費
まず、浪費というのは基礎生活費(今の一定基準)を超えたら「浪費」と疑うようにしています。
なぜなら生活に必要な基礎生活費はほぼ一定して推移するので、この基礎生活費に概ね落ち着くのが正解なはずです。
ですがもしこの費用が多くなるとしたら、それはどこかに「無駄」があると考えられるわけです。
その変化と要因を追えば浪費なのか、あるいはインフレによって食費や光熱費があがったのかなどがわかります。
ゆとり費に浪費が含まれるか
もしかすると「そもそも”ゆとり費”なんて贅沢なもので浪費だ」と思う方もいると存じます。
ですが浪費とゆとり費は違います。
ゆとり費は「リタイア生活を心豊かに過ごすための支出」という基準で運用しています。
例えば今回、旅費(25%)や交際費(5%)などがありますが、これはその心豊かに過ごす目的に合致しているのは明白です。
娯楽費(14%)がありますが、現役時代の「お金を貯めるのが全て」という感覚からすると「娯楽(≒贅沢)は浪費」と考えなくもありません。
ですが娯楽費は、精神的なる潤いを求めるもので、なんらブランド品の高価な(自分には意味の無い)ものを買うとか、過剰なサービスを享受するという無意味な贅沢のための支出ではありません。
そもそも「自分にご褒美」なんてこともしません。
なのでそれは、「気心のしれた仲間と飲食に行って居心地よいひと時をすごす」という時間創造のための支出などが娯楽費なわけです。
あくまでも目的が心の潤いのための支出になっているわけです。
自分のなかで、心の潤いか無意味な贅沢かの区別はできます。
終わりに
リタイア2年を超えて、こうしたリタイア生活の経済観念が数値化できるようになりました。
家計管理を分析する時間もできましたし、節約や浪費、必要な支出ということもすっかり慣れたからです。
振り返れば、完全リタイア後は時間が存分にでき心が緩みがちかと思いましたが、「自分にご褒美」を含め一切、浮かれた支出も、無駄お金も使いません。なので基礎生活費は一定です。
一方で心の潤いのための支出(ゆとり費)は積極的にしていて、それは「今の時間を大事にする」という感覚が強くなったためだと思います。
「節約が美徳」から「有益な支出が美徳」と考え方も変わってきたわけです。
なおそれでもDieWithZero思考で「お金をゼロにするぞ」といったような、無理やり支出先を探して支出を無理強いする、そんなこともありません。(実際にリタイア後、これを試しましたがしっくりきませんでした)。
あくまで自然に必要なものにお金を使うことが居心地よく、それが心が潤うだけでなく、心が穏やかでいられるからだと思います。