自分がアーリーリタイアをしてから価値観が変わった部分があります。
何を大事にするかという「軸の取り方」がサラリーマンの頃とは違うのです。
その違いを端的に表すために3つの天秤を考えてみました。
天秤とは、①内的充実vs外的成功、②現在重視vs未来重視、③自己受容vs自己改善、という軸です。
今回はこの3つの天秤に基づいて現在の価値観の地点(バランス感覚)を表してみます。
【成功欲】内的充実vs外的成功
完全リタイアをしてまず価値観が顕著に変わったのが「成功欲」を失ったことです。
FIRE前
サラリーマンの頃は内的充実を目指すより外的成功が大事だと思っていました。
運よく職場の人間関係も悪くはなく、仕事でのストレスはあれど外的成功(≒仕事において自分の目標を達成すること)には健全なプレッシャーを受けながら取り組めたとは思います。
実際には「なるようにしかならない」「たかが会社だし」という割り切りもあり、真に受けすぎていないとため軸は右端ではありませんが。
FIRE後
それが完全リタイアをすると、会社の目標から解放され、社会的な成功欲は失せていきました。
それに代わって「自分のやりたい事を納得するまでやりたい(≒納得するまでやれることが成功だ)」という「内的充実」に変化しました。
社会的な成功には未練もない(というか50代ともなればとっくに限界は見えてる)わけで、長年のサラリーマン生活で抑えていた自分のやりたいことに100%向き合いたいと、「内的充実」にかなり振り切ってしまうわけです。
【達成欲】現在重視vs未来重視
そして達成欲とは、明確なる「目標」という「未来」を大事に思って、未来の目標達成に有益となる現在時間を過ごすことです。
今をやりたい放題過ごすのでは無くて、現在を未来のために捧げるわけです。
FIRE前
そうした現在か未来かを考えると、サラリーマンの頃はほぼ「未来」のために今の時間を過ごしていました。
大事なのは今を楽しく過ごすことより未来の目標達成というもので、そんな「達成欲」で時間軸の重視地点が「未来」に傾くのです。
FIRE後
それが完全リタイア後は会社の目標から解放され、かなり「いま」を重視するようになってきました。
ただ「今だけ良ければいい」というわけにはいきません。
例えば将来のより良い健康のために「いま好き勝手に食べたいものを食べてやる」とはならないからです。
それゆえ、軸としてはかなり左寄りで、心穏やかにやりたいことをやりつつも、将来の計画のために妥当な準備をすることもあるのです。
【成長欲】自己受容vs自己改善
そして成功欲なり達成欲と関連しますが、会社や他人の期待に応えて自分を改善したり向上したいと思う「成長欲」もほとんどなくなりました。
成長よりも内的充実や今を居心地よく過ごすのをよしとする「自己受容」にかなり振り切っています。
FIRE前
サラリーマンの頃、とくに若い時はなおさら、ありのままの自分は否定してあるべき自分を目指していました。
仕事での目標達成に有益なのでしょうがないことです。
もちろん、そうした自己否定やあるべき自分を目指すのは悪いことではなく自分にメリットは大きかったと思います。
FIRE後
完全リタイア後は、こうした「あるべき自分」ばかりに向って窮屈に過ごすより、ありのままの自分を受容して居心地よく時間を過ごすようになるのは極めて自然だと思います。
成長欲というのがゼロになったのではなく、今を受容して生きていくうえで改善すべきところは改善しながらも、無意味に成長を求めないという感じです。
終わりに
以上、自分がアーリーリタイアをしてから価値観(大事にすることの軸)がどう変わったかを3つの天秤で表示してみました。
やはり完全リタイアによってこうした軸におけるバランスの取り方は大きく変わったと思います。
もし今もサラリーマンを続けていれば、この軸はさほど変化せずにいたと思うからです。
こう考えるとFIREのメリットというのは「純度100%の自分にとって望ましい価値観に収まること」ともいえます。
サラリーマンの傍ら自分時間30%(仕事時間が70%)の低純度からFIRE後は100%までもたらす濾過装置とも思います。
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