アーリーリタイア後は自分の時間を思うように使えて嬉しいのと同時に、会社生活での「嫌だったこと」が浮き彫りになります。
僕にとって嫌だったのは「自分の時間やプライベートを犠牲にすること」です。
それがFIRE判断を大きく促しました。
なお、会社生活では「苦しいこと」と「嫌なこと」があります。
苦しいことは納得して耐えることができても嫌なことは受け入れられません。
今日はその「嫌なこと」について掘り下げます。
サラリーマンの苦しさは当たり前
僕に限らずサラリーマン生活をされている方は誰もが「苦しいこと」は経験します。職種や役割で苦しさの「種類」が違うだけで、苦しさに優劣も無ければ苦しく感じる度合いも主観で変化します。
僕のサラリーマンの頃の苦しさは「忙しいハードさ」でした。
海外出張ともなれば日曜日の午前0時~早朝2時頃の便でアジアに移動し機内で6時間寝ます。
朝5時代に現地に到着しホテルに直行するもチェックインはできず、プールサイドのシャワールームでシャワーを浴びてスーツに着替え出勤です。
元気だと朝少しランニングをしましたが日中は眠気でヤラれます。
夜は飲み会のあと報告書を作り睡眠は3~4時間です。
翌日は朝から現地で働き、夜10時頃の便で機内で4〜5時間寝て日本には翌朝5時に着いてから空港の到着ラウンジでシャワーを浴びます。
スーツに着替えコンビニでパンとコーヒーを買い会社に直行。朝6時半には誰よりも早く出社です。
というのが1泊3日の出張です。
でもこれは日曜日の夜だけが犠牲で済む楽な方です。
行先がアメリカだと日曜の昼に出て月~金まで現地で仕事をし土曜の午前に現地出発すると日本には日曜日の夕方着です。
週末が連続して吹っ飛びます。
月に1回はこんなペースで時間もプライベートも犠牲にし、他の週は平日夜中1時や2時に電話会議で睡眠時間を犠牲にします。
よくこんな苦しいことをやっていたと今は思います。
誰かの指示ではなく自分の意思でスケジュールしていたので納得感はあったのでしょう。
リタイア生活は苦しさはない
それと比べると今のリタイア生活は天国です。
目覚ましも使わず好きなだけ寝ていられます。
起きてから「はて、今日は何するか?」と考えて1日が始まります。
せいぜい苦しいことに挑むのは筋トレぐらいで、睡眠を犠牲にすることもなく、日中眠ければ寝てしまいます。
予定も全て自分で決定できることもFIRE生活のメリットと感じます。
そんな毎日で思うことはやはりサラリーマン時代に嫌だったのは「大変さじゃなく自分の時間やプライベートを犠牲にすること」という点です。
苦しさと嫌なことの違い
完全リタイア生活で「自分のやりたいことを自己決定できる」のも、サラリーマンの頃に「自分の苦しいスケジュールを自己決定する」のも、性質が違うだけで本質は同じです。
自分で決められる自由があるなら苦しくても納得感があるのです。
ですが問題は、そんな生活を何年も何年も重ねると健康を損なうリスクも感じますし自分に残された健康寿命も減りつつあると意識します。
すると「有限な健康寿命という時間を犠牲にしていていいのか」と感じます。
「未来は永遠に続く」なんてのんきに感じていた若いころなら「仕事しながらお金も入りスキルや経験も積めるのなら苦しくても損はない!」とは思いました。
ですが人生も折り返し地点に来ればガッツは劣化し「有限な時間を犠牲にしている」とか「アーリーリタイアして元気なうちにしかできないこともある」といった危機感を抱きます。
するともう「向上心」とか「目標」とかのため時間を失い続けていいのか?と思ってしまうのです。
歳をとったからといってしまえばその通りかもしれません。
終わりに
FIREを目指したり実行された方はよく「人間関係が嫌だ」というのを聞きます。
もちろんそこでの「嫌だ」という感覚はわかりますし、僕も長いサラリーマン生活で人間関係で嫌な時期もありました。
ですが違う種類の「嫌だ」がまた別の人にはあって「このペースで健康をリスクにかけながら有限な健康寿命を犠牲に働きいったい何を得たいのだ?」と思ってしまうのです。
人間関係が理不尽で嫌だと思うように、自分の時間やプライベートを犠牲にするのは理不尽だと思うのです。
それゆえ家族や会社には十分なる犠牲をもって働いたし、その犠牲代として平均より良い給与で報酬を受けたかもしれませんが、それを生涯続けるものではないと感じたのです。
誰にとってもどこかに限界ラインがあります。
僕には「仕事のために自分の時間とプライベートを犠牲にする」という位置にラインが引かれていたと思います。
そして加齢というベルトコンベアーでいつのまにかそのラインに自分が接近した時に気付けたのはラッキーだったと思います。
何を人生で重視するかは人によって違いますが、皆さまの疑問や気づきになれば幸いです。
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