FIRE界隈には２つの派閥があると常々感じています。
それは「FIREを目標」として達成したグループと「FIREは結果」だったグループです。
両者はFIREへのスタンスや得られるものは違えど、根底の部分は共通しています。
ちなみに僕は「FIREは結果」という立場にいてこの視点からになりますが、両者の違いについて思うことを綴ります。
FIRE達成が目標か結果かの意味
この「FIRE達成が目標か結果か」の違いは、FI（経済的自立）というよりRE（早期リタイア）へのスタンスをみると明らかになります。
FI（経済的自立）については、程度の差はあれ誰でも目指すものです。
資産を増やすのが嫌でしょうがないという人はいないでしょう。
ですがRE（早期リタイア）は様相が違います。
早期リタイアを目標として資産を作ろうとする人もいれば、早期リタイアに関係なく資産を作りまた結果的に早期リタイアをした人もいるわけです。
ここにスタンスの明確な違いが出るのです。
僕は結果的にFIREしたグループですが、もちろん突然会社を辞めたわけではありません。
早期リタイアを意識して半年ちょっとで辞めたのですが、その準備期間については確かに早期リタイアを目標とはしていました。
ですが短期ゆえ「早期リタイアを目指す」と長年粛々と準備を進め念願かなって達成した経緯の方とは大きく違うわけです。
早期リタイアを目標とする人の特徴
そんな成り行きっぽく早期リタイアした自分からすると、それを目標にする人は長期的に虎視眈々と進めていると関心します。
その背景に職場環境や人間関係が嫌だとか、仕事が嫌いだとか、あるいは仕事以外に何かやりたいことがあるというのがあるわけです。
それゆえ早期リタイアを目標に必要な資産額を算定し、目標達成に向け蓄財し、そして資産額に至れば早期リタイア実行（FIRE実現）となるわけです。
早期リタイアを目標とすることの所感
こうした早期リタイアを目標とするスタンスは悪いとかダメだとかは思いません。
なによりFI(経済的自立）は誰もが目指すべきだと思っています。
経済的に不足のない状態を手に入れれば、自分にとって本当に必要なことを取捨選択できます。
それが生きていくうえで大事だと思うからです。
そのFI（経済的自立）をするモチベーションとなるなら、それがRE（早期リタイア）でも何か別のものでも構わないと思います。
早期リタイアを目標とする弊害
ただ、早期リタイアを目標とすることは良いとは思いつつ、より早くリタイアしたいという願望でリタイア判断の「合理性」が欠如したり、リタイア後に「排他的」となるのは良くないと思います。
合理性とは、早期リタイアが原因となるかもしれない「孤独、不健康、気力低下、目標達成後の喪失感、資産枯渇、家族等の不幸、成長の停滞、人材価値の低下」の問題をしっかり回避して人生にとってプラスとなる合理的な判断をすることです。
排他的とは、早期リタイアを正当化するあまり、FIREを美化しすぎたり、達成したことを過大評価してしまうことです。
結果的に早期リタイアした弊害
もちろんこれは結果的にFIREに至るグループでも同じです。
判断が合理的でなかったり排他的（”会社を辞めることを目標なんておかしい”等）と考えてしまうこともあるわけです。
ただFIREまでの長い道のりにストレスもなく、長さゆえの「こだわり」も生まれず、早期リタイアの判断にバイアスは入り込みにくいと言えます。
また早期リタイアを目標としてきた人ならではのメリット（長期的に資産形成をする経験値の大きさ、マネーリテラシーの高さ、早期リタイア後の生活が思い入れが強い分ぶれない強さ）といったところは相対的には得にくい状況にあると思います。
終わりに
以上、FIREが目標か結果かによる違いはあれど、それは優劣なんてものではありません。
スタンスの違いから得られるメリットやデメリットの差があるというだけです。
そして共通したボトムラインは、最終的には「早期リタイア判断は誤らないように誰もが合理的に判断しよう」ということと、FIREのスタンスはライフスタイルの違いでしかないので「他者のスタンスを過剰に批判すべきではない」と感じることです。
どのスタイルであってもFIRE後の人生が充実していればそれが答えだと思います。
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