FIREすると「友人と話が合わなくなる」といった通説がFIRE界隈にあります。
ですが僕はこの主張に疑問を感じます。
もちろんFIREによるライフスタイルや考え方の変化によって会社での知り合いなどは話が合わなくなりますが、昔の友人との関係は変わりません。
この「話が合わなくなる」というマイナス作用かの主張にも違和感があって、僕はこれはむしろプラスの人間関係の断捨離だと思っています。
今日はこの「FIREすると友人と話が合わなくなるのは本当か?」の構造を明らかにしたいと思います。
なぜFIRE後に話が合わなくなるか
FIREをすると日常の優先事項や時間の使い方が大きく変化するので、現役で働いている友人とのギャップを生みやすいと思います。
話が合わなくなる背景にある変化は、以下だと思います。
「仕事中心の生活」 vs 「仕事から解放された生活」
会社員の友人との会話はやはり大半が仕事がメインです。
上司や部下のこと、プロジェクト、給料や昇進などの感謝関連のテーマが中心です。
ですがFIRE後はこうした会社の課題からは蚊帳の外になりますし、FIRE民としての話題はもっぱら自分の興味や自由な時間の使い方(投資、趣味、旅行、学びなど)がメインとなります。
結果、仕事という共通の話題がなくなり、また相手としてもFIRE生活の話を聞いても興味を持てない人はそれまでとなります。
「お金の価値観の違い」
サラリーマンの友人は給料で生活をし、また支出を管理しながら老後に向けて貯蓄するのが普通です。
ところがFIRE後は貯蓄を取り崩して自分の興味関心のあるものごとに使ったり、資産所得からの収入をどう維持させるかがテーマになります。
それゆえ、目標感の違い(お金を貯める vs お金を使う)や、お金の稼ぎ方や増やし方の違いが出てしまい、会話にずれが生じやすくなります。
「時間の価値観の違い」
サラリーマンの友人はやはり限られた休みの中で予定を立てることになります。
一方でFIRE後の僕は、いつでも自由に動けるため、時間の制約がありません。
こうした時間の使い方や価値観の違いで、例えば平日の過ごし方(旅行など)の話をしてもピンとこなかったり、仕事のプレッシャーがのしかかる日々には味わえなかった平穏な時間の過ごし方の有意義さをなかなか理解されにくくなります。
こうした違いの積み重ねで、「昔の友人と話が合わない」と感じることが増えるのは事実だと思います。
全員と話が合わなくなるわけではない
とはいえ、友人関係は「仕事」だけの範囲ではありません。
仕事以外の共通の趣味仲間、同窓生等々、やはり仕事以外の共通項でつながった関係はFIRE後も変わらなく続くものです。
趣味・興味でつながっている友人
スポーツ、旅行、飲み友達、特定のジャンルの話題などを深くできる友人など、仕事と関係ない話題があれば会話は続くものです。
長年の付き合いがある友人
学生時代の友人など、もともと仕事抜きでのつながりから始まったものですし、やはりFIRE後も関係はずっと維持されます。
FIREに興味を持つ友人
また新たに、FIREに興味を持っている友人などからは逆に「FIREって実際どうなのか?」と興味を持たれることもあります。
つまり、仕事関連の会話が中心の友人(利害関係でつながっていた仕事仲間)とは疎遠になりやすい一方で、それ以外のつながりがある友人とは変わらず関係が続くというのが実際のところです。
終わりに
以上のように、FIREによるライフスタイルや考え方の変化として、①仕事中心の生活 vs 仕事から解放された生活、②お金の価値観の違い、③時間の価値観の違い、といった点が「話が合わなくなる」という原因ではあります。
ですが全員がこうした変化で「話が合わなくなる」わけではなく、価値観が似ていたり、会社の利害関係を超えた友人、昔の友人、趣味の仲間など、FIRE後も関係はなんら変わりません。
そもそも引越し、異動、結婚、離婚など、ライフスタイルが変わるたびに人間関係の断捨離は起こりますし、これはFIREに限った話ではありません。
そうした断捨離での「話が合わない」というマイナス側面をみるより、本当に重要な人間関係が残って蓄積されていくというプラス側面をみるほうが、健全でありますし、現実に近いものだと捉えています。
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