FIREによって自由を得ると「人としての成長が止まってしまうリスクを感じる」という主張があります。
これは以下の記事からの抜粋です。
【20代で1億貯めた元会社員が教える】みんなが憧れる「FIRE(経済的自立と早期リタイア)の末路」
筆者はベンチャー企業の経て株式投資で経済的自由を達成した20代の方です。
それゆえ「成長」なる意味あいは僕の感じ方とは違います。
今回、これまでサラリーマン時代からリタイア後までを通した「人としての成長」を僕がどう捉えたか、成長を4つに分類して掘り下げてみました。
人としての成長とは
成長というのは「自分自身を改善・向上させていくこと」ではありますが、実際のところ、「人としての成長」といっても抽象的です。
そこで「成長」を4つのジャンルに分けて考察してみました。
①頭:スキルや知識を獲得する=「頭の知能指数(IQ)」を上げる
②心:感情や精神性の成熟させる=「心の知能指数(EQ)」を上げること
③魂:人生の意味、目的、存在意義の追求=「魂の知能指数(SQ)」こと
*この存在は最近知りましたが「自身の“ばらばらなる自己”をつなぎ合わせ“本当の自分”を取り戻す」ということです
④体:自身の身体的な能力を成長させること
こうしてみると、年齢や経験値に相関して増減するものが多い気がしますが、かなり俗人的(人による)と思います。
そこで自分自身に当てはめてサラリーマン時代とリタイア後の成長を考察しました。
サラリーマン時代の成長
サラリーマン時代はやはり仕事上の「スキルや知識(①=頭)」をより高度にすることが成長というものと捉えていました。
同時に、仕事を上手に進めるためには「スキルや知識」ではどうにもならない対人関係やコミュニケーション力として「心の成熟(②=心)」も必須と感じました。
一方で「人生の意味、目的、存在意義の追求(③=魂)」はかなり疎かだったと思います。
なにより自分が担う仕事とその目標達成が重要だったので、必ずしも自分がやりたい仕事でもなければ、そこで「自分の存在とは」など考えたりする余裕もありません。
少しばかり「こんな仕事の延長に幸福はあるのか」といった疑問はありましたが「魂」は疎かにしていました。
また「身体的な能力や体力(④=体)」も仕事による疲弊で衰える一方でした。
以上、サラリーマン時代の向上とは「仕事に関連した頭と心の成長」が中心で「人生の~といった魂の成長」は持ち越しし、体力は成長鈍化(というか弱体化)していたわけです。
リタイア後の成長
そんなサラリーマンを辞めてFIRE生活に入るわけですが、すると「仕事に関連した頭と心の成長」はごっそり断捨離しました。
正確には「会社に求められるスキルや知識はもうこれ以上は不要だ」と思い、生きていくうえで必要であるものや興味のあるものだけに特化してスキルや知識を身に着けました。
投資は引き続き重要ですし、自分が興味のある社会的な教養(歴史、美術、宗教等)、資格としては天文学やら船舶免許、生きていくうえで欠かせない社会的テーマ(政治経済やコミュニティー関連など)です。
もちろん日々の生活を豊かにするため、料理教室や語学学校には通いました。
毎日ジムにいって体力や健康もかなり取り戻したと思います。
こうしてみると「頭・心・体」はリタイア後も成長していると思います。
仕事で必要となるものごとの成長はありませんが、興味対象は大きく広がったので幅広く成長しているとは思います。
なので「FIREで自由を得ると人としての成長が止まってしまう」ということはまるでないと思っています。
今後の成長の方向性
なおこうした成長は、興味があったり好きだという理由で取り組んでいるだけで、頭から「成長しよう」といった気持ちでやっているものではありません。
今後も引き続き「やりたいことをやる」に重点を置くつもりで、さほど「成長」は意識しないようにするつもりです。
そんななかで今後、特にやりたいこと(現に進めていますが)は「魂」という分野です。
長年のサラリーマン生活で、会社から求められるものばかりを追求していた分、自分の存在とは何か?が疎かになってしまっています。
なので今更ですが「人生の意味、目的、存在意義の追求(③=魂)」というジャンルに取り組んでいます。
終わりに
僕もこの筆者のように20代や30代であったら人生はまだ先が長いので「お金を稼げる自分」としてビジネスに関連するスキルや知識をハングリーに身に着けようとしたと思います。
それゆえFIREをして仕事から遠ざかると「人としての成長が止まってしまうリスク」を感じるのは理解できます。
ですが50代ともなるともはや「稼ぎ」は重要ではなくなります。
そして妙なことに「自分はどこから来てどこに行くのか」といった人生の旅の始点や終着点が気になりだします。
これは人類が誕生してから誰もが持ち続けた永遠のテーマであり、人間として魂が宿るゆえの疑問だと思います。
これがあるがゆえ、世の中には宗教が生まれ、哲学が発展し、歴史が作られ、地球や宇宙の神秘にも挑戦するのだと思います。
それを改めて掘り下げたいのもFIRE生活でのテーマです。
ちなみにこのせいか、僕は自分の先祖の戸籍を全部取寄せて半年かけて家系図を作りながら、僕の先祖の1人1人の名前も生まれも場所も(古地図で)調べたりしてきました。
先祖があるから僕がここにいる、そんな単純な時系列を解くことも、「自分はどこから来たのか」を解く1つの行動だったと思います。
20代の自分ではこんなことは思いもつきませんしやりもしないものではあります。
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