資産1億円が「富裕層」という違和感について

2024-10-05

資産額

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富裕層の定義として最も知られているのがNRI(野村総研)の富裕層ピラミッドです。

それは「純金融資産保有額別の世帯数と資産規模」の調査で、そこでの資産額セグメントは「純金融資産1億円以上=富裕層」となっています(また、5億円以上は超富裕層)。

今日はこの「富裕層」という定義が下振れしている違和感を綴ります。

富裕層という個人的なイメージ

そもそも富裕層として思い描くイメージとしては「生活のためにあせくせ働かず(働いていたとしても経営者として時間に余裕があったり裁量がある)、そして経済的にも豊かである」というものです。

これはあくまで僕のイメージであって、一方で「純金融資産1億円」という金額をもって富裕層と定めるのがそのNRIの定義です。

すると、NRIの数値的には、働きに働き、節約のうえの節約をし、質素なスタイルで1億円を貯蓄した人も「富裕層」に属してしまうわけです。

そもそも資産家の家に生まれず、自分の力で富裕層となるまで資産形成をするには、サラリーマンという道を歩む以上は「働きに働き、節約のうえの節約をし、質素なスタイルで達成」というのが圧倒的に多いと思います。

サラリーマンのはしくれが豪快にお金を使っていては富裕層にはれません。

倹約家だからこそ富裕層の定義に該当する資産を作れるのであって、それゆえ「富裕層は倹約家でお金にシビアだ」なんていう評判が世間で生まれるのも当然です。

いずれにしても、サラリーマンとして仕事をしている限り、時間的余裕も少なく、まるっきりお金を気にせず豊かな生活を送るのはほど遠く、リタイア後もそうした節約習慣は持ち越すものです。

そんな資産1億円で富裕層という定義とライフスタイルの実態はかけ離れている気がするのです。

FIREの生活スタイルで富裕層に近くなるか

そこで、仮にFIREで仕事を辞めて時間的余裕もできたとします。

純金融資産も1億円あるとしてそれを資産運用で全額回しても富裕層のように経済的に余裕があるかというと、それも疑わしく思います。

資産1億円を年率3%で運用して得られる資産所得は年間300万円です。

つまり年収300万円のサラリーマンと同じだけの年収になるわけです。

いくら資産(ストック)で1億円を持っても、それが生み出す収入(フロー)が300万円では、富裕層と言われる生活を支えるにはどうみても少ないといえます。

かといってセミリタイア的にすきま時間を使って働いて+200万円を年間得たとしても年収500万円なわけです。

個人的には、お小遣い稼ぎで働くといったことは、富裕層のイメージには無いですし、500万円になったところでやはり富裕層なる生活は難しいと思います。

富裕層とは

となると、働かずに資産所得だけで年間1500万円を下回らない所得を得られるようなレベルが富裕層に思え(あくまで個人的なイメージです)、そうなると必要な母数は資産額が5億円(年率3%運用)は必要なわけです。

すると資産を減らさず資産所得だけで1500万円で暮らせ、時間もお金も手に入るわけです。

これはNRIの「超富裕層」というカテゴリーに当てはまり、その割合は全世帯の0.16%と、500名いて1人いるか否かの確率なわけです。

まあ、それが富裕層のイメージとしては合う気がしますが。

終わりに

以上、生活実感としての富裕層は資産額5億円以上を持って年間1500万円の配当収入等を得られる(あるいは不動産の賃貸収入なども含めて年間1500万円を得られる)人のことで、そこでは資産を減らさずに豊かな生活を送れる状態でもあります。

なお、僕はその超富裕層のカテゴリーには該当しません。

ですがそうした世間のモノサシは別に、「時間、お金、健康、家族や仲間、生きがい」を大切に心豊かに余裕をもって生きていられるなら、十分に恵まれていると思います。

だって世間で超富裕層という人たちの誰もが経済的&精神的に豊かに過ごせているとも限らないからです。

結論、お金を軸にした「富裕層」という分け方は1つの参考ではありますが、同時に精神的な豊かさも疎かにはできない(それのが難しい)と思っています。


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自己紹介

2022年3末に完全リタイア。FIREの自由で創る”自分らしいセカンドライフ” としてFIRE-Driven Lifestyle Innovationをテーマに、日々の気づきや経験を発信して精神的に豊かなFIREを応援します。
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