僕が30代でFIREをしていたらきっと地獄の人生になっていたと思います。
それは「経済的な苦境」と「精神的な後悔」の2つによって人生失敗と感じてしまうからです。
もちろんも現実には50代FIREをしたので、そんな30代FIREを語ったところでそれは仮説でしかありません。
ですが自分の性格なり人生観に照らし合わせると「30代FIREをしなかったことが自分らしい選択の結果だった」と、人生折り返し地点もかなり過ぎた今となっては痛感します。
今日はそんな「経済的な苦境」と「精神的な後悔」とは何かを綴ります。
経済的に苦境に陥っていたと思う理由
30代にFIREしていたら投資で成功できず経済的に苦境に陥っていたと思います。
30代の半ばの段階では資産は多少ありましたし会社員としても経験を積んだと自分で勝手に思っていて、それが「根拠のない自信」につながっていたと思います。
恥ずかしながら「人生どうにで切り開ける!」と怖いもの知らずで、イキりがピークな年代だったと思います。
そんな思い込み先行の30代でFIREをしていたら、その後になってはじめて「会社の看板」とか「安定した給与収入」が自分を支えていたと気がついたと思います。
足元をすくわれた無防備な状態で、もし投資一本で家族4人を支えていこうとすると、きっと投資でリスクを取ることを恐れ、結果、失敗したと思います。
逆に言うとサラリーマンの頃に自分の投資がうまくいったのは実は「投資で失敗しても安定収入があるから生活面では安泰だ」と、そんな安定基盤があってこそのリスクテイクができたからでした。
自分の性格をサッカーに例えると「ディフェンス(守備)がしっかりしているからオフェンス(攻撃)は安心して攻めに行ける」のであって「守備が脆弱だとオフェンスがチグハグになる」というような歯車の狂いが出る感じです。
それゆえ、30代の時に資産も中途半端、真の自信も中途半端は状態でFIREをして投資で生きていくのはきっとメンタル的に難しく、資産を失い、その後に子供が成長し教育費も必要になるなかで経済的な苦境に陥いるということで人生失敗したと思う気がします。
もちろんこれは僕の性格的、行動的な特性なので、世間一般に30代のFIREがうまくいかないという意味ではありません。
精神的に後悔をしていたと思う理由
2つ目は「会社員生活が中途半端だ」と後悔し精神的に落ち込んでいたと思うことです。
たとえ投資に成功して経済的に恵まれても「会社員としての自分の可能性は試せなかった」という後悔です。
大学を卒業し会社員になった時は「これから一生働きづくめでもう楽しい人生は終わりだ」と悲しくなりましたが、これは会社員として誰も同じ条件(自分だけの問題でもない)ので、割り切って「どうせやるなら自分の限界まで可能性は試そう」と思いました。
そして仕事を覚え少しだけ仕切れるようになったのがちょうど30歳の頃です。
なので30代FIREというと、そんな主体的に仕事をして3~4年の勤務期間を2ラウンドこなし、せいぜい2つの大きな目標をクリアーした程度の成功体験です。
それは「まぐれ」かもしれないのでそんな成功体験でもって「自分に可能性がある」なんて自信の源にするのも冷静に考えれば甘ちゃんな考え方です。
それでも30代で不思議と自信を感じていたのは「若さ」からくる怖いもの知らずのほか、周囲の期待や上司の応援からくる「自分の可能性を信じてもらってる」という幻想から来ていたと思います。
なお50代半ばまで働けば、5~6ラウンドは無茶な目標もクリアーする「経験と実績」から自信にはつながります。
その意味では30代は「可能性」が、50代では「経験と実績」が自信の源泉だと思います。
こうした考え方をする50代を迎えると、きっと30代でFIREをしていたら「社会人としての可能性を試せずにいた」と社会人人生についてモヤモヤ感が残ったと思います。
逆にいえば、50代半ばとなって「能力も限界だ」という壁にぶつかってFIREをしたので、もはや自分の可能性は試し切ったので結果がどうであれモヤモヤ感はありません。
50代になって「会社員としてやり切らずに中途半端な人生だった」と後悔していたらやるせない精神状態に陥る気はします。
30代FIREでの可能性
もちろん本当に実力があって勇気のある人なら、僕のような思考回路にはならずに30代FIREを猛進するかもしれません。
僕だって30代FIREがまるで自分のダメな道を辿る出発点となるかはわかりません。
実際、もし自分が30代(つまり2000年)を過ぎた頃にFIREをしていたら、投資だけではなくIT関連でビジネスをやっていた可能性はあります。
当時はeコマースがちょうど台頭し、iMODEが発売され携帯端末からネット接続ができるようになり、GOOGLEの検索エンジンがリリースされた頃でした。
AMAZONも日本法人を作り、他の企業や個人も積極的にホームページを作ったり自社商品をオンライン販売するマーケティング(SEOなど)も始まったばかりの時代です。
僕自身がIT関連の業界にいたことと、会社員をやりながら起業をしたこともあるので(8期ほど経営)こうしたネット系のビジネスをやっていた友人にも感化され多方面で手を出していたかもしれません。
ただ、起業で大成功なんて1~2%のことでうまくいく可能性はとても低いものですし、僕にとっはまずは会社員をある程度のところまでやり切る人生にはしたかったという思いや人生観から逃がれられないと思います。
終わりに
こうして振り返ると、30代でFIREをしていたら「経済的な苦境」と「精神的な後悔」の2つの理由で今のような呑気なFIRE生活は送れていない可能性が高いと思っています。
起業してもうまくいく確率はとても低いでしょう。
そして何より自分の性格として「会社員としての安定性があったからこそいろいろ冒険できた」とも思っていて、長年の会社員生活はそんな投資や起業の後押しをしてプラスではありました。
その結果、30代FIREから20年も遅れた50代でFIREをしたので、ある意味20年をロスしたとも言えますが、それは今後の10年で取り返せば良いという思いでもあります。
FIREの最適タイミングは人それぞれ性格や人生観との兼ね合いで判断すべきでそれが何より難しいのだと思います。
皆さまがご自身にとって自分らしい最適判断をされるうえで、僕の経験と振り返りが何かの気づきや参考になれば幸いです。
↓