お金の不安を減らすには個人資産を量的に増やすことは大事です。
ですが世の中には数億単位で資産を持っていても「まだ不安だ」と貯め続ける人もいます。
お金への感情は個人差があるとはいえ、やはり不安を感じることなく精神的に安定した状態となるのが理想です。
僕はFIRE後にある3つの方法でそうした精神的余裕が生まれました。
結論を言うと、その方法は個人資産を「(量的に増やすというより)質的に手当てする」というものです。
具体的には3つの対処で、①資産防衛力を高める、②想定外や緊急時への準備をする、③人生の広がりに対処する、というものです。
今日は精神的余裕を作ったお金に関する3つの対処を綴ります。
資産防衛力を高める
いくら多くの資産を持っていても、それをリスクの高い状態で保有していると、大きく増える可能性もあれば、大きく減らしてしまうこともあり精神的には不安も抱えます。
投資におけるリスクというのはそういった「振れ幅」のことです。
僕は資産の時価評価の変動幅が気をもむような振れ幅となりすぎないように、金融資産全体の75%を「安全資産」として運用しています。
具体的には、現金(定期)、社債、外貨建て年金保険などです。
元本が保証されるもので、為替リスクはあれど運用する通貨ベース(円やドル)では確実に運用資産額は増えます。
利回りは高くはないので資産は大きくは増えませんが、かといって必ず満期まで持つので減ることはありません(発行体倒産のリスクはありますが)。
もちろんその75%は僕にとって最適数値なわけで、これは人によっても変わります。
ちなみに「最適」というのは、仮に世界的な恐慌が起こって資産が最大限目減りしたとしても、その減少額や減少割合は十分に耐えうるということです。
資産毀損リスクを受け入れられるのです。
具体的なシュミレーションをしています。
以上の「資産の防衛力を高める」という対処が精神的余裕につながっています。
想定外や緊急時への準備
また、精神的な余裕の無さというのは、生きていくうえでの「想定外」や「緊急時」にいかに対処しているかにも比例します。
例えば仕事をしていても失職したり、あるいはFIRE生活をしていても投資資産を失ったり、あるいはライフスタイルの変化や病気などの想定外や緊急出費です。
こうした事態はより悲観的な観測に立って「緊急時対応資金」や「ライフイベント準備金」などに必要額を織り込むわけです。
この場合も資産額を多く持つという量的な面だけでなく、すぐに現金化できる「流動性の高い状態で持つ」という質的対処が重要です。
以前、こうした現金比率や流動性比率を考えた関連記事はこちらです。
最終的な資産防衛力の効率性を決めたのがこちらの記事です。
以上、経済危機であったり、人生設計上の想定外や緊急時に対応できるだけの資産額を流動性のある状態で持つことで、何が起きても大丈夫だという心構えの下支えになることで精神的余裕につながります。
人生の広がりに対処
そして3つ目が人生の広がり(新たにやりたいことが起こること)を制約しないような「選択肢への準備金」を持つことです。
前述の2つは資産毀損や緊急事態に対処できる防衛的な観点ばかりでしたが、これは人生を生きていくうえで新たに何かに挑戦したり取り組んでみたくなるといった想定外の広がりを制約なく対応できるための準備です。
そこで僕は次のような方法を取りました。
前述の「資産の75%を安全運用する」といったことで経済的にもライフプラン的にも万全な対処はあるゆえ、それとは別に残り25%を「自分のやりたいことに投資する」といった使い方を数カ月前から始めています。
実際、いま新しいことに取り組む度に更に新たにやりたいことがでてくるという連鎖があるので資金面での準備金は必要です(必ずしもお金がかからないものもありますが)。
こうした広がりに対応できるように資産を割り当てておくことで「自分の欲望に蓋をせずにやりたいことに手を出せる」といった精神的な制約のない状態を持つことが余裕につながる気がします。
もちろん欲望といっても無駄使いや無意味な支出というものではありません。
こうした心境変化(新しいものへの興味)がFIREから2年経過した今年の4月以降から少しずつ出ています。
終わりに
以上、経済面での質的対処が精神的余裕を作るうえで大事であるという趣旨で、3つの質的な工夫を具体的に紹介しました。
それは、①資産防衛力を高める、②想定外や緊急時への準備をする、③人生の広がりに対処する、というものです。
資産防衛という①や②だけでなく、生きていくうえで新たに興味を持つことに資金的に準備をすることも重要だと思います。
「お金を幾ら増やしてもどこか不安だ」と感じる人や、「FIRE後には精神的安定を重視したい」という人にこの記事が参考になれば幸いです。
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